しーちゃーん、
おっはよー!!

うさぎがこちらへ突っ込むように
飛んできた。

大怪我するのはこちらなので、、
いつものようにスルーする。

ひどいよぉしーちゃーん。

ぐずりながら埃を払い
てくてくと隣に並ぶ。

はじめからそうしたらいいのに
といつも思うが
走り出すとスピードがガンガン上がる
魔道具の使いになってしまったのだから仕方ない。

ねえ、きいてる?しーちゃーーん!!

しかし、
話し出すと止まらないこのマシンガントークは
決して魔道具のせいではない。

とまらないのがわかっているので
いつも空想の部屋へと逃げ込む。
空想の部屋というのは
ただ、何もない白い部屋。
これがただの部屋ではないことは
かの魔道具と決まった時から
思っていることだが、
いままでに何も起こったことはない。
だから最近はいつも面倒だとおもうことがあると
すぐにこな空想の部屋へと逃げ込むようにしている。

まぁうさぎが嫌いなわけじゃないんだけど…
空想の部屋でも色々と考えてしまう癖なおさなきゃな〜。

……?

ん?

んー、白じゃない何が見えたような…
まぁ気のせいね。


…ねぇ、ね、ねぇ!!!
しーちゃん!

おぅ、ん?
聞いていたふりができそうな感じじゃないな…

どーしていつも私が話し始めたら
魔道具つかっちゃうわけー?!
たまには聞いてほしーんですけどー。

あ、うん、ごめんごめん。

そうこうしているうちに目的地に到着した。

はぁ、この制服といい、建物といい、
どーにかならんもんかねー。

ぶつぶつと文句を垂れる私に、
うさぎはいつも通り。

えー?しーちゃんはここに来るべくして
きた存在なんだってー!

そうなのだろうか?
ある日私が目覚めると手首に
それはそれは見事な縫い目が出来上がっていた。

不吉な縫い目。
母の話しによると、
UFOから宇宙人が降りてきて、
発信機かなにかつけられたんじゃなーい?
という話。

まさかそんな事は信じていなかったが、
縫い目のある手で
薬指と親指をくっつけると、
それが鍵になっているのか、
魔道具が発動する。

扉を開けなければそのまま部屋には
入らなくていいのだが、
うっかりくっつくとその間の
こちらの記憶がない為、
少々面倒になる。

まぁ、親指と薬指でよかった。
これが人差し指と親指だったら相当
穴だらけの記憶な人生をおくっていただろう。



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