薄い水色のカーテンから滲む淡い光が御幸の背中を溶かすみたいで、ゆらゆらと揺れる視界の中で感じられるのは温度と吐息だけで、泣くなよと呟いた声は優しくて、シーツに落ちる涙は熱くて、また視界が揺れた。「みゆき、」空気をつかむように名前を呼ぶ。ギシ、とスプリングの音が揺れる。「みゆ、き」名前を呼ぶと、御幸がもう一度わたしの涙を拭ってキスをした。(141208)

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