空気に溶ける白い息を嬉しげに見つめる神楽ちゃんは私達の3歩前を歩く。横で膨れたビニール袋を揺らす新八くんは空を見上げていた。ゆらゆらと小さな粉雪が舞っている。こたつで居眠りをしているであろう銀ちゃんと定春の顔を思い浮かべたら頬が緩んだ。靴の底で砂利がおどけた。歩みは止めない。体を撫でる北風が静かに感じる。ある晴れた冬の日 081130


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