13 恋人
淡い光をまぶたの外に感じて、ああ、朝なのかと思った。覚醒した脳みそとは裏腹にまぶたは重く、接着剤でも塗られているかのように開かない。耳を澄ましても聞こえない呼吸は、すでに起きてしまっているらしい。一人で使うには広すぎるダブルベッドの中で大きく背伸びをし、重たいまぶたを開いた。屡々する目を擦り頭上に置いてある時計を手に取ると、針はすでに九時過ぎを指し、更にはアラームも切られていた。昨日少し疲れぎみだという愚痴をこぼしてしまったから、気を利かせ起こさずいてくれたようだ。
起き上がり、もう一度背伸びをしたときに聞こえた足音の主を、ドアを開けた瞬間抱き締めてやろうかと考え小さく微笑んだ。
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