04 クラスメイト


ぼとり。
食べかけのイチゴアイスを落とした。あまりにも悲しくてしばらく放心したのちひざまづいて謝りながら地面に溺れていくアイスを眺めていたらとつぜん後ろから背中を蹴られた。当たり前のごとくバランスを崩したわたしは地面に顔をぶつけそうになったが持ち前の瞬発力と反射力が幸をそうしてなんとかとどまる。危ない危ないあとちょっとで地面イチゴアイスと顔面キスしてしまうところだったぜ、ってそうじゃなくて。

「何すんのバカ」

睨みをきかせ後ろを振り返れば思った通りバカこと成宮鳴が立っている。いつでもことあるごとに私に突っかかってくる彼は一応3年間一緒のクラスメイトではあるが友だちではない。腐れ縁よりもっと下、因縁というやつだろうか。前世ではきっと敵同士だったに違いない。


「何って地面に落ちたアイスを食べようか食べまいか迷ってたみたいだから決心をつけさせてやろうとおもって」
「そこまで食い意地…(確かに上の方は食べれるかなとは思ったけどさあ)張ってない!」
「思いっきり見えてる心の声が」

(140911)


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