08 飼い主とペット


「春市くんわんわん」
「え?」
「あれ、にゃーのが良かった?」
「は?」

何の気なしにペット飼いたいって言ったら彼女が犬のふりをし始めた。おかしな急展開に頭の中は疑問符でいっぱいである。私がペットになってあげようってこと?いや君人間だし。イメージトレーニングでもさせてくれてるのか?

「顎撫でていいよ」
「いや、そうじゃなくて」

そうじゃない。そうじゃなかったけれど、ちゃっかりこてんと俺の膝の上に頭を乗せて降伏のポーズしてこちらを見上げた顔はけっこう可愛らしいもんだから、たまにはちょっとだけ付き合ってもいいかなって。

「違うそこは顎じゃない!!」
「ん?」

胸に伸びた手を真っ赤な顔して静止させようとする顔を見て、やっぱりペットじゃなくて君だけでいいやって思ったよ。

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