Last World - 6 (1/2)





目が覚めた。
何で生きているんだろう。
あの時確かに刃を突き立てて、それから意識を失って。
もう二度と目を開けることはないと、そう思っていたのに。

「目、覚めたか。」

声のする方に目を向ければ、夕陽に反射して光るオレンジ色の髪。
私と目が合うと、彼は一瞬哀しそうな顔をした。

「いち、ご……」

自分でも驚くくらい、声が震えていた。

そんなに彼が愛しいか。
そんなに生が恐ろしいか。

哀れだ。

「乱菊さんが、四番隊まで運んだんだ。傷は卯ノ花さんが治した。」
「何で、」
「乱菊さんが教えてくれた。……死のうと、したんだろ?」

率直に言われると、何故かはっとした。
瞳が揺れる。

「理由は聞かねえよ。お前も俺には分からねえくらいキツかったんだよな。」
「一護……」
「けど、一つだけいいか?」

一護はその哀しみを湛えた目で、真っ直ぐ私を見つめた。

「お願いだから、もう、こんなことすんなよ。」

その言葉に涙が溢れたのは、生きながらえたことが哀しかったのではなく、生きていられたことが嬉しかったからだった。




- 1 -

prevnext