Last World - 7 (1/2)





平和な日々が世界を満たしていた。
朝が来て、人が笑って、泣いて、風が吹いて、そして夜が訪れる。
そんな当たり前の事が、とても愛おしい。

あれから、五番隊の隊員が大勢押し掛けて、私の病室は大変なことになった。
みんな口々に謝るから、私はそれが何だか可笑しくて、一護と二人、盛大に笑い合った。

「これからも神林三席は、俺たちの上官だって、胸張ってきます。」

一人の隊員がそう言うと、その場にいた全員が強く頷いて。
私も五番隊第三席として胸を張ろうと、そう思った。

「良かったな、」

そう呟いた一護に頷いて、私は笑った。
こんなに笑顔が溢れるのは、今まで生きてきた中でこの時が初めてだったかも知れない。
生きることに何の希望も見出せなかった私が。
今は、誰かに頼られることが素直に嬉しい。
今は、心から生きている事に感謝している。

これもきっと、彼のお陰なのだろう。

「……現世には、いつ戻るの?」
「明後日、穿界門を開いてもらう予定なんだ。」
「……そっか。」

淋しくなるね、
そう言いかけて、止めた。
一護との距離が離れてしまう気がしたから。

「……また、会えるよな。」
「うん……きっと。」

希望を湛えた瞳で返せば。
一護はそっと、口角を上げた。




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