Last World - 4 (1/2)






「ねえ、麗どこにいるか知らない?」

麗が無罪となったと。
そう聴かされた乱菊は迷わず五番隊へ向かった。
しかしそこに麗の姿は見えず。
その居場所を軽い気持ちで問うた乱菊に、五番隊の隊士たちはそれぞれ顔を見合わせて、それから黙って俯いた。

「……麗、ここに来たでしょう。」

乱菊が僅かに語調を強めると、小柄な女性隊士が小さな声で答えた。

「……神林三席なら、先程、出て行かれました……」
「どこ行ったの。」
「い、いえ、あの、行き先はおっしゃらなかったので……」

尻つぼみになっていく彼女の声に多少の苛立ちを覚えながら、乱菊は五番隊舎を後にした。
何か嫌な予感がする。
乱菊は麗が立ち寄りそうな場所に一通り顔を出して、それからすぐに麗の部屋へ向かった。

「麗、いる?」

返事は無い。
けれど何となく、そっと戸を引いてみれば、それはいとも簡単に乱菊を招き入れて。

その先で、目にしたのは、己の血で真っ赤に染め上げられた麗の姿だった。

静かに横たわる麗の体。
染み渡る紅色。

乱菊は声も出ないまま、がくり、と膝をついた。




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