『命の温もりを』の裏話
2024/03/10
『命の温もりを』の 裏話
暗くて重いです。
引きずられる方はやめた方がいいです。
このお話は半分が実話で、半分が私の想いです。
「看取ってほしい」と頼まれた。
「いいよ」と迷いなく答えた。
「だから、突然死なないでね」と頼んだ。
自分の価値を考え、愛と死を考える友人に。
私の愛する友人。
心は常に崖っぷちにいるようで、河の先に一緒に行ってくれないかと頼まれたこともある。
あと一歩で失うような電話先で、「風邪をひくから中に入ろ」なんて言って優しい声で縋りついたこともある。
朝起きたら、薬、ロープ、屋上、車、それらが並んだ表が送られてきていたこともある。
あなたが丁寧に吐き出す血の滲んだ傷だらけの言葉を、あなたが身を削って見せてくれる心は私が勝手にこじ開けたもので、あなたは優しいから私のわがままを聞いてくれたのだと、そう思って、私なりの誠意で受け取ってきた。その中で、あなたに愛を渡された私が「生きてほしい」と言うことは、程度は把握できずともきっと酷なことなのだと感じながらも、それでも私はあなたに言い続けた。
天国だか地獄だか極楽浄土だか、花畑だかあの世だか来世だか輪廻だか何だか知らないけれど、私にはそんな所にあなたの愛があるとは信じられなかった。いや、信じたくなかったのかもしれない。
神とやらはこの世であなたにあなたの求める愛を与えないくせに、その神が摘んでいったあなたのその後に愛を与えるだなんて、私には考えられなかった。あなたは、神を信じていないでしょう?あなたと顔を合わせたこともあなたに愛を渡そうとしたこともない神より、私が贈る「愛してる」を信じてほしいと思っている。不遜なことに、傲慢なことに、私は、あなたへの私の愛に自信がある。
生きてほしいのだ、私があなたを愛するように、あなたに優しい愛をこの世界で見つけてほしい。ああ、認めよう、きっとこれは私のわがままだ。だけど、私はただあなたに愛と共にいてほしい。
いつか私を忘れても、いつか私を憎んでも、いつか私を捨てようとも構わない。
ただ、これだけは覚えていてほしかった。あなたへの愛がひとつ、ここにある。
「看取ってほしい」
これはきっと、一生忘れない約束だろう。
一生をかけて大切にしたい、一生をかけて抱きしめていたい、大切な約束。
私はあなたの命を愛しているから。
だから、私も生きることにしている。
あなたが私に「愛してる。ごめん」と言ってくれたことを覚えているから。
「愛してるよ」といつだって迷いなく言えるから。
その命の温もりに触れることを許してくれたことが嬉しかった。
その命の最後に愛していると伝えたい、そう思っている。
あなたの命を愛していたい。
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