菊さんのお誕生日ということで、日本を語る。
2024/02/11
日本人として外国で生きてきました。
生まれも育ちも学校も周りの人も故郷も、すべてが日本ではありません。
でも、ずっと自分のことを日本人だと思っています。
日本人であることを誇りに思っています。
今通っている現地校に入学して最初の国語(現地語)の暗記テストで、満点を取りました。
めちゃくちゃに驚かれ、先生が学年の全てのクラスに言いふらしました。
「外国人のあの子が頑張ってるんだから皆も頑張りなさい」と。
その直後、体育の授業で雑談した子に言われたことが今でも嬉しかった言葉のひとつです。
「日本人は真面目で努力家で誠実だものね」
今の学校に、日本人は私しかいません。
もしかしたら私のクラスメートや同級生たちは、初めて出会う日本人が私かもしれない。
これから 日本人 や 日本 と聞いた時に思い浮かべるのは、日の丸や漫画やお寿司や総理より先に、私の顔と名前になるのかもしれない。
その意識を持って、日本という誇りの母国を勝手ながら背負う覚悟を決めて、毎日学校の門をくぐっています。
日本という国を、私の母なる国として愛しています。
日本で生活したことはほとんどありません。
日本のことは、まだまだ知りません。
でも、私の母国は日本です。
現地の学校で生活しているうちに、次第に、私の周りに残る日本は家庭だけになりました。
校内、同級生、先生、学習、食堂、外で触れ合う人々…当たり前ですが、どれもが現地の色です。
現地のことも愛しています。私を育てた故郷です。
けれど、私は日本人と名乗りたい。
私の母国は、私がどこへ行こうとも日本しかないのだから。
意識して大切にしていることがあります。
「いただきます」と「ごちそうさまでした」です。
現地の文化にはなく、英語の文化圏にもない、日本の特別な文化です。
学校の食堂で食べる時も、その時どれだけ急いでいても、誰かと相席でも、友人がいても、必ず心を込めて言うことにしています。
背筋を伸ばして手を合わせて、料理人と命に感謝して、丁寧に。
「いただきます」 「ごちそうさまでした」
これを毎日三回、丁寧に大切にすることで、私はいつも日本という母国の心と自分の心が繋がっているように感じます。
日本語は、一番美しい言葉です。
私が一番大切にしてきた言葉だからです。
現地の学校に入学し、日本語を書く機会がなくなりました。
意識したつもりはなかったと思いますが、もう長いこと続いている日記の始まりは、ちょうど、現地の学校に入学する頃でした。
本を前よりも読むようになりました。いつからか考えてみると、現地の学校に通い始めてからでした。
日本語が好きです。日本語には空気感という独特の香りがあります。その空気感がとても好きで、自分なりの空気感を日本語で美しく織れる言葉遣いをしたいと昔から思っていました。
きっと私は、日本語を忘れたくなかった。
現地の学校に通って、私は、日本語を話すのが下手になりました。
正確に言うと、言葉が出てくるのが遅くなりました。
意味をじっくり考えて、どの言葉が相応しいか美しいかを丁寧に選ぶようになったからです。
現地の言葉も、大好きです。
けれど、日本人である自分として、日本語ほど美しさに惚れ惚れする言葉はありません。
ひらがな、カタカナ、漢字。彩り豊かな形。
あなたに、あなたへ、あなたと、あなたの。
文字ひとつで変わるささやかさ。
ぐつぐつ、ふわふわ、のそのそ、あわあわ。
ほんの数文字であらわされる情景の音色。
そういった小さなものに、実は困らされたりします。
「これってどういう意味?」と問われても説明が難しく、どうにか説明できても何かが違う。
日本語はきっと、感覚の言語です。
それぞれの感覚に託された十人十色の言葉たち、それでいてその感覚は少し似たり寄ったりしたもので。
感覚を共に感じられるというひとつの小さな奇跡が繰り返し起こる、素敵な言葉です。
日本語をとても大切に思っています。
母国の美しい言葉を、丁寧に差し出せる日本人でありたいなと思います。
さて、なぜ今日こんなものを書いたのか。
どうやらヘタリアという作品での日本さんのお誕生日は今日だと聞きました。
つまりは、日本の建国記念日。
日本さん。と呼ぶのはいささか大きすぎるので、親しみを込めて、この場ではあの素敵なお名前をお借りして。
菊さん。
あなたを母国と呼べることに誇りを持っています。
これからも、あなたに泥を塗ることがないよう、大和魂を忘れずに歩いていきます。そこが世界であろうとも。
いつかは持てる全てを尽くして、母なるあなたの国の未来のために。
それが、今の学校で学ぶうちに生まれた、野望というほどの大きな夢です。
日本で日本のためにやりたいこと。
私の手に唯一ある音楽という素晴らしいものを、愛する日本で鮮やかに花開かせるために、日々どんな土地も歩いていこうと思います。
美しい日本を思って。
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