恋人の態度
−1
オランダ×夢主
自分が他人と関わっているときの様子など、自分では分からないものだ。
「おいフランス、はよ金返せ」
「アルレ、これやる。金?別にいらんわ」
「ドイツ、ギリシャなんざどうでもええやろ」
「貿易収支大丈夫なんかアルレ」
「ルーマニアとブルガリアは何やってんねや!」
「アルレやって風邪くらい引くわこないな不況」
「ねえお兄さん思うんだけどさ、オランダはアルレシアと他で態度違い過ぎない?」
「あー…お前もそう思うか」
「俺らだって頑張ってるのに!あれブルガリア…?」
「なんのことかわかんねえな」
―――EUの中でがめつく厳しく振る舞うオランダは、アルレシアに対しては異常なほど甘い。
それに耐え兼ねたEUの国々が集まって愚痴大会を開いていた。
「それで何で俺も呼ばれたんだ」
アルレシアはそんな事情を聞いてため息混じりに言う。
「あわよくばアルレシアから態度を改めるように言って欲しいんだが」
イギリスは不機嫌そうだ。
気性が合わない二人は金と利害と園芸が絡まなければ不仲である。
「そもそもその態度が違うってのが理解できない。俺と同じ感じだと思ってたんだけど?」
「全然違うでアルレ兄ちゃん!妹のウチですら時々睨まれるんに!」
「ベルギーですら?」
ますますアルレシアは疑問に思う。
「俺鼻噛まれるんやけどアルレ、慰めたって?」
スペインがアルレシアに後ろから抱き着きながら言った。
しかしそれは間違いなく自分で蒔いた種だろう。
休日とか不動産とか休日とか。
「なんかオランダなりに理由あるんじゃねえの?EUは今大変だし。厳しく行こうみたいな?聞いてみりゃいいじゃん」
嫌がらせではないだろうから、聞いてみればいい。
そう提案するが、一同顔を曇らせる。
「アルレシア、みんなのためを思って聞いてきてよ」
フランスはウインクを飛ばす。
それを振り払う仕種を入れてやってから、仕方ないとため息を吐いた。
「ってわけなんだけど」
オランダはアルレシアから話を聞いて呆れた。
後ろにぞろぞろとEU諸国を連れる様は何の行列かというようだ。
「それでわざわざ来たんか」
「そ。で?どうなの、実際は」
どうでもよさそうなアルレシアにオランダも同じ気持ちになるが、ふと、アルレシアに少なからず好意を持つ彼らの前である状況に気付く。
少し口角を上げ、「そうやな、」と口を開く。
「こいつらの分の優しさは全部アルレのために使っとるな」
アルレシアはその言葉とともに抱きしめられた。
「俺が甘やかすんはアルレだけやざ」
溶けるような声で言われ、アルレシアは顔を瞬時に赤くした。
「ば、かお前…!」
顔を見られたくなくて、オランダの胸元に顔を埋める。
「照れとるんか、かわええ」
「うっせ…」
途端に中東のコーヒーのような甘さの雰囲気が漂う二人。
「みんな…これが答えだ」
フランスの遠い目に、EU勢は諦めの極致に至ったのだった。