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 シーラが突然いなくなるまで、三人で彼女の元へ通って外の世界のことについて色々聞いた。ためになる事からくだらない事まで内容は様々だったけど、どれも耳新しくてオレ達は夢中になって耳を傾けた。
 その帰路ではいつも口々に夢を語り合った。今考えればそれは過剰な妄想だったのかもしれないけど、これ以上に熱中したことは過去に一度だってなかった。外の世界への憧れは、どんどん現実味を帯びてくる。

「じゃあね、パイロ。 クラピカも。」

 そんなこともあって、戸愚呂との関係は以前よりは修復出来ていたように思う。少なくとも、普通に話すことは出来た。
 しかし、パイロという中継ぎが離れて事故のように二人きりになってしまうと、もう目も当てられない惨状が待ち受けていた。途端にぎこちない空気が取り巻いて何を話せばいいか分からなくなったし、それに対して戸愚呂が困っている様子も見て取れたのでオレは更に焦ってしまった。もはや、昔の姿は見る影もない。くだらない喧嘩をしていた頃のほうが、ずっとマシだったぐらいだ。
 そして驚いたことに、逆に戸愚呂とパイロの仲は以前よりも深まったようだった。笑い合う二人の姿は自然体で、無理がない。安直な言葉を使ってしまえば、“お似合い”だった。
 恐らく、パイロは戸愚呂のことを一人の女の子として特別に想っているのだと思う。敢えて聞きはしなかったが、彼の態度の端々にそんな仕草が見え隠れしていた。パイロは、大切に、慈しむ気持ちを大事にしていた。
 オレが足を引っ張ってしまった分、パイロには幸せになって貰いたい。無論そのための努力は惜しまないつもりだ。……もちろん戸愚呂にも、だけど。

 けれど、やはりパイロは唐突に言うのだ。

「クラピカが何を気にしてるかは知らないけど、ボクに遠慮なんかしなくてもいいんだからね。」
「一体何の話だよ。」

 オレは知らんぷりしたけど、ふとした戸愚呂の横顔が急に大人びて見えて心臓をぎゅっと掴まされていたので、本当は苦しかった。

170806