■ エルモ街の悪魔



「はぁ!? 誰がブスだって!?」
「誰って、アンタよ、ア・ン・タ。
アンタ自分が可愛いとでも思ってんの?」
「あ? テメーみたいな筋肉ムキムキのくせして仕草だけ女気取ってる気色悪いヤツに言われたくねえよ! ついでに言うと、その口紅の色全然似合ってねえし!」
「まー、ヤダヤダ。 これだから“オンナ”ってヒステリックで感情的になるからイヤなのよね〜。 アタシはありのままの事実を言ったまでよ? アンタ一度ちゃぁ〜んと鏡でも拝んできたら?」
「そりゃテメー自身の話だろ! クソ野郎!」

 あたしが思わず拳を握ると、いつも以上に泰然自若なクロロに制された。

「戸愚呂、落ち着け」
「これが落ち着いていられるか! こちとら花も恥じらう乙女だぞ!?」

 何でお前はそんなに冷静なんだよ! っていうか、そもそもお前がこんなところにあたしを連れて来なきゃこんな罵倒を浴びることもなかっただろ! 責任取りやがれ!

「……戸愚呂? アンタ、戸愚呂って名前なの?」
「あ? あたしがトトロにでも見えんのかよ、オッサン」
「ヤダ、何の偶然かしら。 アタシも戸愚呂って言うのよ」
「……は?」

 その言葉が理解出来ず、思わずクロロを睨むと素早く目を逸らされた。
 ますます“ハァ?”な事案である。

180313