<現パロ>※ひどいです
「くっ、馬鹿な……私にこのような雑用をさせるとは」
「はいはい、黙って手を動かそうねー」
“卵特売!お一人様ワンパックまで!”……と、つらつら決まり文句が書かれたチラシをせっせと折る。すると、それはたちまち見慣れた姿に形を変えた。
「夕方までにあと100羽分だからね!時間ないんだから!」
「(千羽鶴など……)」
くだらん迷信だ。病気に効くはずもない。と思うのだが、アホなほど真剣な彼女に口を出すことは出来なかった。いや、逆らうことが出来ない、といったほうが正しいか。
何せ惚れた弱みにつけこまれたようなものだ。下手に彼女の機嫌を損ねるわけにもいかないだろう。むしろ、この好機に乗じてポイントを稼ぐほうが得策というもの。
“ふ、フハハハハハハ!この司馬仲達、才をもってナマエの心(ハート)を射止めようぞ!”
司馬懿はイヤなやる気に満ちはじめていた。
「ナマエ、これはどうだ?……少々趣を変えてみたのだが」
「え?なにこれ?」
司馬懿はハート型に折ったチラシをそっと差し出した。(折り紙ではなく、あくまで経費をケチったチラシであることには目をつむっていただきたい。)
「ふっ、学生時代に流行ったろう?授業中に手紙を回し合うアレだ」
中には勿論愛を込めたメッセージを書き添えた。これを読めばいくらナマエといえどもイチコロだろう。ネットから引用した傑作ばかりを散りばめたのだ。
と自信に溢れた司馬懿が思ったのも束の間、
「いやキミ、そういうの今求めてないから。それ千羽鶴の中に入れたらどう考えても不自然でしょ?間違い探しにもならないからね?よく考えようね?」
「いや、それは鶴に混えるのではなくお前に……ああっ!」
ナマエはハートを容赦なく潰し、ゴミ箱に放った。これは非常に難しい場面ではありますが……綺麗な軌道を描いて……どうだ?入るか……?はいっ、入ったぁぁぁぁぁ!ナマエ!入れました!見事!チリ紙をゴミ箱の中にー!
……ではなくて!
「んなっ……!な、ならばこれはどうだ?鋭角を計算しつくしながら折った、よく飛ぶ紙飛行機!(無論愛のメッセージつき!)」
「はん!それがどうした!よく飛ぶ分ゴミ箱にも届きやすいわ!」ポイッ ナイッシュー!
「く、くそぉっ……!これも駄目なのかっ……!」
司馬懿は頭を抱え絶望した。どう足掻けども、彼女に愛のメッセージすら届けられないというのか。
……この世は、あまりに無情すぎる。
「(……ふ。仲達よ、愚かだな。そこはよく飛ぶ手裏剣にすべきだった)」
陰で曹丕も司馬懿の行く末をドキドキしながら見守っていた。
151129
Handbill