久しぶりに時間をかけて料理を作った。
誰かのためにこんな風に作るのはいつぶりだろう?
少し良い赤ワインを使って
牛肉の頬肉をゆっくり煮込んで
ケーキはオーダーしたものが後で届くから
花を買いに行こうかな?
そんな事をあれこれと考えてると玄関のドアが開く音がした。
驚きリビングの入り口を見ると彼が両手に紙袋や箱をぶら下げて入ってきた。
『あれ…、今日は』
『初めて一緒に過ごす誕生日ですから』
そう言って食材を取り出し並べ出した。
そうだ。
そうだった、彼はこういう人だ。
思わず笑ってしまいそうになった。
『七海さん、今色々お料理作っちゃったよ』
『それはそれでいただきましょう。』
『食べ切れるかな?』
彼の後ろに立ち手を回し抱きついた。
私の手を包み込んだ後、向きを変えて抱きしめてくれた。
大きくて温かくて安心する。
『どうして料理作ろうとしたの?』
『自分の誕生日でも、あなたが美味しいと喜ぶ顔が見たいからですよ』
顔を上げて彼を見ると
優しい笑顔で私を見つめている。
『食べきれないかもしれないから、悠二くん達呼ぼうか?五条さんも…』
タイミングを待っていたかのようにインターホンが鳴り
パッと映し出された映像にはたった今口に出した名前の主が大きく映っていた。
『すごい!狙ったみたいに!』
笑っていると、彼はフーッと大きく溜め息をついてから玄関へと向かった。
画面いっぱいに写っていた五条さんが離れると、後ろにはいつもの3人も居るのが見えた。
Happy Birthday!!