夜中に目が覚めて身体を起こし窓辺に目をむけた。
もうすぐ日が昇る頃だろうか。
今夜泊まった場所はロッジで、木の香りが鼻を掠める。
テーブルには今日向かう場所のチェックをした地図や、ユフィが食べたお菓子の袋、ケットシーが占いで使ったカードが散らばっている。
もう少し眠れるだろう。
同じロッジに寝泊まりはしているが、男女部屋が別になっている。
何かあった時のためにと、薄らとドアが開いているのはクラウドの優しさだ。
繊細で優しいけれど、口下手な…。
そんな事を考えながらも再びベッドの中へと潜り込み、天井を見た。
目が覚めてしまい寝付けずに何度か寝返りを打つ。
「…眠れない?」
ヒソヒソと声がした方に身体を向けると、隣のベッドで眠っていたエアリスが少し楽しげな顔をして見ていた。
「ごめん…うるさかったね」
「ううん、大丈夫。」
しばらくエアリスを見つめていると思いついたような顔をした。
「ね!ちょっと外に出て見ない?朝焼け見れるかも」
「でも、みんな起きちゃわない?」
「平気平気!」
そっとベッドから起きたエアリスは私のタオルケットをめくり起こし、
音を立てずに入り口へと向かい扉を開けて出た。
男部屋の方を見たが誰かが起きてくる気配はなかった。
「わぁ!!」
私の手を握りエアリスは歩いていく。
着いた時は夜で見えていなかったが一面黄色の美しい花が咲き、朝日が山から覗き込み大地を照らしている。
「すごい…綺麗だね」
溜息混じりに山を見ながらつぶやいた。
ギュッと手を握られてエアリスの方を向くと優しい笑顔があった。
「この先も、たくさんいろんな景色見ようね!」
頷いてエアリスの手を握り返した。
「でもやっぱり、朝は冷えるね〜!寒い!」
そう言いながらギュッとくっつくエアリスと持ってきたブランケットに包まった。
窓に目を向けると赤い何かが動いた気がした。
きっと何も言わなかったけどヴィンセントは私たちが抜け出したことをわかってる。
今日もまた、美しい世界を見れますように。
Happy Birthday Aerith!!!