「あ、あった!」
日曜日の午後。
王都城からさほど遠くない場所に新しく出来たジェーラト屋さんへ行きたい!と言っていたシギルに付き合いノクト、プロンプトのいつもの二人と、今回はイグニスとグラディオも同行した。
「わ〜、初上陸だって!すんごいたくさんフレーバーがあるね」
プロンプトは少し離れた場所から店全体と並んでる4人を撮った。
店内はスタッフが順に客を誘導し、色とりどりのフレーバーを目の前に目を輝かせている女性たちが目立つ。
「やっぱ女子が多いよな〜」
「みんな付き合ってくれてありがとう」
ノクトは帽子を少し深めに被り直し、シギルは付き添ってくれた4人へと礼を言った。
「こうやって本場の味を実際に食べれるのはいいな」
「新しいデザートつくりのヒントになりそうだ」
敷地内は広く、あちこちにパラソルとテーブルが用意されている。
近くには大きな公園もあるのでテイクアウトして芝生に座りながら食べている家族連れも多く、夏の午後をそれぞれに楽しんでいる姿が微笑ましい。
「ね、シギルはどれ食べる?」
「ん〜...今日はピスタチオとレモンとダークチョコにする」
「今日はって、次も来る気満々かよ」
「味全制覇したいもん」
それぞれの注文を終えて外のテーブル席へと案内してもらい、座った。
比較的今日の気候は過ごしやすい。
「ねぇノクト、ひとくち苺ちょうだい」
「ん」
ノクトはスプーンに取りシギルの口元へと運び、寸前で少し口の脇へとずらした。
「んー!ちょっと、ノクト!」
「へへっ..」
「止めないかノクト...ほら、シギル」
イグニスが紙ナプキンでシギルの口元を拭くのを横目に、ノクトは悪戯っ子の様に笑う。
「えーー!!ちょっと、距離感とか!そういうもの!?ロイヤルってそういうものなの!?」
「当たり前のように見てたからな..そのうち慣れんだろ。にしても、お前の声はよく通るなプロンプト...」
グラディオが苦笑しながら言った。
食べ終えて、イグニスグラディオはコーヒーを買いに行き3人は夏休み前のテストに向けての話をした。
「あーーーやばいよ、テスト。数学やばい、選択語学もやばい..てか全部やばいよーーー!」
テーブルに突っ伏しプロンプトは大きく溜息をついた。
「まだ日にちあるし、この後もノクトの家で勉強するでしょ!大丈夫。イグニスもいるし」
「俺眠ぃわ..やべーな」
「今日はイグニスに加えて鬼教官いるからね、ノクト...」
「ぶっは!!鬼教官とか!」
「ちょ、似合いすぎるんですけど!」
自分たちのオーダーまであと少しと言うところで、イグニスは振り返りシギル達が居るテーブルを見た。
会話の内容こそ聞こえないが、楽しそうに笑う3人の姿は見ているとホッとした気持ちになる。
「どうした?」
立ち止まったイグニスを不思議に思い、グラディオは尋ねた。
「いや、ノクトの一人暮らしに関して色んな懸念はされたが...よかったと思ってる」
「ん...?あぁ、」
グラディオもイグニスと同じ方向を見やり、成程と納得して頷いた。
「あんな風に笑うノクトを見たのは久しぶりな気がしてな」
「まぁな。に、してもプロンプトの声は目立つな...」
支払いを済ませ、2人はコーヒーを持ちテーブルへと戻った。
夏休みと、ノクトの誕生日もやってくる―。
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