入学式から一週間が過ぎ、クラスの中でもグループが出来始めた頃
プロンプトは休み時間に廊下から、教室の中でノクトとシギル二人が話している姿をまじまじと見ていた。

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――二人揃って話してる姿って、なんか絵になるよな〜…
日差しがよく似合うっていうか、ロイヤル感漂うよな[D:12316]

ーあ、一枚写真撮っちゃお。

ーノクトはぶっきらぼうだけど、やっぱりどことなく品があって王子って感じだし
そんなノクトにシギルも負けてないって言うか、対等な感じで隣に並んでて違和感ないし。

そんなことをしていると、女子たちの会話が耳に入った。

「王子とシギル...ちゃんだっけ?あの二人って付き合ってんのかな?」

「思った[D:12316]!」

「距離感すごい近いし、あの王子もめちゃ笑ってるし!」


―あ〜わかるわかる。でもそれは二人とも小さい頃に遊んでるからなんだよね〜。気を許せる間柄っていうか...。

「あの子の両親も親戚も王都城勤務なんでしょ?」

「そうなんだ〜、一族揃ってエリート官僚って事?すご〜...」

「なんか、“令嬢”って言葉似合うもんね」

「あの王子とあの距離感で話せるって羨ましい〜!」

―えっ皆どうやってシギルの親の事とか知るわけ?すごい情報網....。

と、心の中で会話に参加していたところ女子グループの一人と目が合い話しかけられた。

「えっと、アージェンタム...くんだっけ?」

「え?あ…あぁ、そう。プロンプトでいいよ!」

「ねぇ、あの二人ってやっぱりそういう関係なの?」

気になる〜と他二人の女子にも囲まれて、今まで女子たちに囲まれるという経験がなかったプロンプトは優越感に似たものを感じた。

「いやあ〜...そういうのじゃないと思うよ、幼馴染みたいなもんじゃないかな」

「そうなんだ、プロンプトも仲良いよね?あの二人と」

「ん?そうだね、三人でよくいるかな」

いいなぁ〜という声を背中にし、プロンプトは二人の方へと向かった。


「あ、おかえり〜」

「女子に囲まれて鼻の下伸ばしてただろ」

「確かにちょっと伸びてたかも、プロンプト!」

ノクトの発言にシギルは大笑いをし、プロンプトは溜息をついた。

「ちょっ、伸ばしてないし!....っていうか、二人とも何でこの学校受けたわけ?王族関係者の高校に行かずにさ」

唐突な質問にシギルは目を丸くした。

「どうしたの?急に」

「べっつに〜!ちょっと気になっただけ〜」

椅子の背もたれを前にし、ノクトとシギル二人に向き合い座った。

「ん[D:12316]…私ちょっとあの独特な雰囲気苦手なんだよね。なんていうか、常に監視されてる感じと規則で縛りすぎるというか...」

「あ〜それな、俺も苦手だわ。」

陽の光が心地良いのか、眠そうにしているノクトも同意した。

「この学校って風通し良くて自由な雰囲気じゃない?専門に関する事に詳しい先生とか外部の講師も多いし」

「おぉ…」

真面目な回答を受けてプロンプトは気の抜けた返事をしてしまった。

「でもさ、良かったの?一般市民たちと一緒に通学とかさぁ。噂話とか色々大変じゃない?」

「まー、どこ行ってもそういうのはあるだろ」

「そうそう!意外とそう言う人たちが集まるコミュニティの方が面倒くさかったりするから…私はこっちの方が好き!それに、この学校も有名私立高の代表格でもあるんじゃない?」

「あ、確かに...俺ここに入るためにめっちゃ勉強したもん〜!!」

「さっすが努力家プロンプトだね!ノクトと友達になるため?」

頬杖を付きながらシギルが興味津々にプロンプトの目を覗き込み聞いてきた。

「ん...うん、そうだね。俺絶対ノクトと友達になる!って決めてたからさ」

「そーかよ。そりゃ、どーもな」

口の端を少しだけ上げてノクトはそう言った。

言葉だけでは冷たく聞こえるかもしれないが、表情を見たら少し照れていることは見て取れる。

「そういえば...今日の英語、小テストあったよね?」

そろそろ休憩時間終了の鐘がなる頃、ふと思い出したようにシギルが言った。

「げぇ〜〜〜〜!!忘れてた、もっと早く言ってよシギル!」

「午後だしまだ間に合うって〜」

「ノクトもシギルも余裕じゃん?」

「俺テストの結果とか内申関係ねーしな」

「私は昨日の夜何となく見ておいたよ。昼休み皆でやろうよ!」

頭を抱えるプロンプトの肩をシギルは軽く叩き、ノクトは大きく欠伸をして伸びをした。

楽しいランチタイムまで、もう少し。



In Love Again