*兄の死因
瞑明の兄、ラン(故ランターン)は瞑明がまだ幼かった頃、密漁者に捕えられ闇市にて売り捌かれそうになるも弟が心配で脱走、致命傷を追いつつも瞑明のいる海、故郷に戻る。しかし深手を負いすぎてしまい、弟の顔を見る度力んでいた力が緩み、そのまま息途絶えた。重傷、出血多量による死。

その後、海に漂った血の匂いを嗅ぎつけた他の肉食な水ポケモンをおびき寄せてしまい、弟の腕の中で、目の前で肉を食われていく。そして、兄の骨だけが、幼い瞑明の手元に残ったーーー


兄の死を目の前で見た瞑明の心境というのは正直、まだ世界をよく知らなかった幼子の頭では理解が出来ていない。兄は疲れて寝てしまったんだと思った。暫くしたら起きると信じていた。血が流れているのを見てにーには人間?とかとバトル沢山してきたんだね、と言うのは分かったから兄をゆっくり休ませてあげなきゃな、という気持ちだった。
その兄を他のポケモンが食っていく様を目の前で見せつけられた時は頭が大混乱した。何故かってまだ生きてるんだよ、なんでにーにを食べてるの?にーには食べ物じゃない。ここで気付くのは瞑明が兄のランをまだ「生きている」と信じ込んでいた事。生きているランを食べないでと幼いなりに追い払っても周りのポケモン達は死んでいるのを分かっているから骨になるまで食べて、瞑明はここで兄が死んでしまった、と理解する。

瞑明は、兄の死因は食べられたから、だと最初は思っていた。兄が人間の仕掛けた網に連れ去られたかと思えば戦って帰ってきて、強いなぁと思っていたら疲れて眠って、そこをそのまま周りのポケモン達が兄を食べたのだと、小さな勘違いをしていたのだと思う。

きっと暫くはポケモン不信になっていたのかもしれない。これだと。しかし兄からは弱肉強食の世界なんだよ、と言われていたなぁ、と少ししてから思い出して、「生きていくためには、弟も強くならなきゃなぁ。それまで、俺が守るよ」と言ってくれた兄が過ぎっては、

「……にーに強かったのに、なんで食べられたの?強くても、意味がなかったよ」

なんて思ったかもしれない。緋色一座で強さを持っていても、瞑明自身に強さに関して執着心がないのはこういう所な気がする。バトルもしたがらない、と言うより面倒くさがる点も、繋がっているのでは?

元々から大人しくてのんびりとした性格だったから、それでいて強くて優しい兄のようになりたかった瞑明。けれどその兄でも食べられてしまうんだ、と思ってからは何年、何十年と気力のないまま深海を泳いでたんじゃないかなぁ、と思う。正直、強くなりたいと思ってなかったから弱い方な瞑明。

幼少期の願いと言えば「強くて、でも優しい兄になりたい」だった。平和はまだ願ってなかった。自分本位。


緋色に釣られる時、正直ぼやーとしていたら釣り糸のエサがあって、あ、くーおう、くらいの軽いノリで行ったら人間に釣られてた。この時瞑明が思ったのは、「あぁ、これでにーにと同じ様に酷いことになって返されて、死ねるんだ」という事だと思う。年月が経ってやっと、あの網は兄が言っていた人間の仕業だったんだよな、と言うのに気付いた。だからこの時、瞑明は人間と、周りのポケモンのせいで兄は殺された、と完結させてた。

けれど緋色はゲームでも皆と同じ様に優しく扱うし、バトルも無理させない。瀕死にさせてしまう事はあったけどそれまで沢山サポートしてくれた。火弥はまた男が増えた……と頭を抱えるも面倒見がいいのでぶっきらぼうなりに手を引っ張ってくれて、紫牙や轟は後輩が出来た!!って実年齢知らないまま甘やかしてくれた。喜ばれてる。

あれ、おいらとにーに以外のポケモンって、こんなに優しかったっけ?
人間ってこんなに優しいっけ?
食うためなの?

深海で独りで漂ってた瞑明としてはとても頭が追いつかない状況だったと思う。緋色と出会うまで、瞑明の世界も、視野も狭かったのだ。
だって深海だもの、いぬを。

それで瞑明は自分の事を話す事はなかれど、少しずつ、少しずつ、考えが違うようになっていった。ロケット団と戦って、ポケモンを悪い事に使う人間と、それを良しとせず戦う人間と分かれてる事だとか、ポケモンはもっとこの世に沢山いるのだと、そのポケモンにも様々な個性がある事だとか。

そして、兄の死因とも言える密漁者の存在も緋色達と行動していて知った。直結する事はほとんど無かったが、自分の故郷でも密猟し、闇市で売り捌かれているのを知って、なんだが心がズキズキした事だけは覚えている。

そのうち、強くなければ守れるものも守れないという事を知って、強くなろうと思えたんじゃないかなとは思う。普段バトルをそんなにしたがらないのは無駄な争いとかが嫌いなだけでもある。そしていつしか、「もっと世界が平和だったら、にーにも死なずに済んだのかな」と思えてきて、密かに平和を願うようになったのでは?と思った。

ここでもし、ランが必死こいて帰らなかったら瞑明は暫くの間拗らせなかったのかもしれない、と思うが。一生帰ってこなかったら瞑明はずっと兄を待ってた。緋色との旅をしていなかったかもしれないし、そこで息途絶えていたのかもしれないと思うと、ランがちゃんと帰ってきてくれて良かったね、って思う。

わーい支離滅裂!!!!!
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