次の日から、私はあの不良達のたまり場である体育館裏のプレハブ小屋に足繁く通う事に決めました。恐くないといえば嘘になりますが、これも我らが3年Z組が一日も早く全員揃うためだと思えばへっちゃらです。へっちゃらのはず…なのですが…。
「あんたッスか。最近、このたまり場に頻繁に出入りしてるっつー女は」
「あ、はい…えっと、出入りしているといいますか…高杉くんいらっしゃいますか?」
たまり場への扉を開けた早々、金髪のすらりと背の高いスタイル抜群の女の子が、胸の前で両腕を組み、まるで私が来るのを待っていたかのように仁王立ちで立っていました。なんだか、とても恐い顔をしています。私は何かしてしまったのでしょうか…。
「晋助様は今日休みッス。それより、私はあんたに話があるッスけど」
「私に…ですか…?」
「やめるでござる。仮にも先輩に向かってその態度はないでござろう」
椅子に腰掛け、ギターの弦を調節しながら口を開いたのは、私とは別のクラスの河上くんでした。河上くんは確か、何とかというバンドを組んでいる音楽家さんです。そして、高杉くんと同じ不良仲間でもあります。
「邪魔しないでくださいよ河上先輩!これは私とこの女の話なんスからっ!」
「どうでもいいが静かにしてもらえるでござるか。うるさくて音が全く聞こえんでござる」
「だったらあんたが外行けばいいじゃないッスか!つかさっきからベンベンベンベンうるさいんッスよマジで!」
「音楽室を1年生に取られてしまってな。俺だってこんなうるさい女がいる所でやるのは御免でござるよ」
「なんスかそれ!私の事言ってんスか!?」
「他に誰がいるでござる?」
た、大変です。何やら内輪でモメているようです。どうしましょう、殴り合いのケンカにでもなったら、私、どうして良いのやら…。
「あ、あの!お二人とも!ケンカは…」
「うるせーんだよテメェら。ちったぁ静かに出来ねぇのか」
「ん?その声は、」
「晋助様ぁ!!」
お二人の声に後ろを振り返ると、そこには、確かに高杉くんの姿がありました。そして、足元にはこの前お会いした綺麗な黒猫さんもいらっしゃいます。
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