2026.07.24
▶メインストーリー 第一章 第八話
桜の欠片 154枚 OK
神隠しの正体
◆桜雅街中央公園
若芽はヒーロー課と共に再び桜の木の下までやってきた。
相変わらず美しい桜が、風に吹かれ満開になっている。
(今度こそ、この事件の糸口を見つけよう……名探偵のおばあちゃんの孫の意地!)
▶犬神冬一と話してみよう
ヒーロー課の中でも、一、二位を争う体格の持ち主の犬神が、辺りを警戒していた。彼は若芽と同じ無能力者だが、体術に特化していると聞く。
若芽の視線を感じたのか、不意に一瞬だけ目が合った。若芽はぺこりと頭を下げつつ、近づく。
(わぁ、本当に大きい方だなぁ……30cm以上は差がありそう)
「確か……暖地といったか」
「はい。暖地若芽と言います。今は捜査一課の四方田班にお世話になっています」
「俺は犬神冬一だ。……よろしく。周囲の警戒なら任せてくれ。……といっても、いつ来るかわからないものにどう警戒すればいいのかよくわかっていないが……」
「そうですよね……わたしの時もいきなりでした。強い風が吹いて、気付いたらという感じで……」
若芽は一生懸命、犬神を見上げて話しかけるが、犬神は若芽と中々目を合わせようとしない。気まずそうに周囲に視線を漂わせて喋っていた。
「……すまない、喋るのは……苦手で」
「いいえ、大丈夫です。むしろわたしが勝手に話しかけに来てしまったから。すみません」
「いや。……俺の取柄といえば、多少動けるくらいでな……」
「わたしは逆に、動く方が苦手なので羨ましいです。……その時はお世話になるかも……あ、勿論、なるべく頑張りますけど……!」
「……そうか」
ぐっと拳を握りしめると、ふ、と少しだけ犬神は口元を緩ませた。
「……暖地は、俺を怖がらないんだな」
「え? 怖いですか、犬神さん。全然そんな風には思いませんでした。大きいなとは思いましたけど……」
「……いや、小柄な女性にはよく怖がられてしまうんでな……」
どうやら、怖がらせないように気を遣おうとしてくれていたらしい。もう、その時点で犬神が優しいひとなのだと分かった。若芽の父も祖父も、所謂強面と呼ばれる顔立ちであったが、どちらもとても優しい(祖父には会ったことがないが、祖母から話を聞く限り、穏やかなひとだと言っていた)。だから、怖がりな若芽だが、顔のみで怖いひとだと判断することは滅多になかった。若芽の想い人・和戸村昆も強面の部類だし。
「ふふ、大丈夫です、そこはご心配なくですよ」
若芽が微笑むと、犬神はほっと息を吐いたようだった。
▶志木川亮介に話しかけてみよう
恐らくヒーロー課の中で一番体格が良いと思われる、志木川に近づいてみる。先程の犬神と同じく体術に特化しているが、異能力持ちで自身のパワーを増幅させることが出来るらしい。シンプルながら、頼もしい異能力だと若芽は思う。
(ツインテールだぁ……男性では初めて見たけど、でも何か違和感はないなぁ)
若芽がしげしげ眺めてしまっていると、志木川は大きなあくびをした後、立ち上がる。
(わぁ……犬神さんに負けず劣らず大きい!)
「おーっす、おまえか? なんか探偵っぽいっていう新人」
「あはは……もしかして、冴木さんから聞きましたか? えっと、暖地若芽と言います。宜しくお願いします」
「そう、よく分かったな! いけんじゃね? 探偵っぽい刑事」
志木川は楽し気に笑った。
「おもしれーじゃん、津西さんに言って席作ってもらおうぜ」
「良いんでしょうか……でも出来るなら、それだと嬉しい、かも」
「だろ〜?」
「おばあちゃんが探偵だったんです。わたしも見習いで探偵してたので」
ついぽろっと、本音が出てしまった。志木川は何かを察したのか表情をそっと曇らせる。
「……過去形ってことは、何かあった?」
「えっと……おばあちゃんが行方不明になったり、両親が亡くなったり……で、四方田班長にお世話になることになって、今に至る感じですね」
「そっか……、悪ぃ事聞いちまったな」
「いいえ。……もうおばあちゃんみたいに探偵は出来ないかなと思ってたので、『刑事として探偵をやる』ことが出来る可能性があるだけでも、嬉しいんです。ありがとうございます」
「おう。……応援してるぜ」
「はい。もしなれたら、志木川さんのお陰です」
「いやそんな事ねぇけどよ!」
照れ笑いする志木川に、若芽も笑って返す。真っすぐな人柄ながら、優しさを持ち合わせたひとだと思った。
▶蛇目メトに話しかけられた
「やっほ、捜査は捗ってる?」
「えっと……蛇目さん?」
「ザッツライト。蛇目メト。よろしく」
ヒーロー課に所属している、ぱっと見はクールにも見える無表情なひとだ。けれど、話すと意外にもフレンドリーな男性である。彼は電気に関する異能力を持っているらしい。
「暖地若芽です。えっと……」
「基本情報はもう入手済みだから大丈夫だよ。四方田さんにお世話になってるんだってね」
「はい。……捜査はというと、ヒーロー課の皆さんと初めましての挨拶してたので、進捗ダメかもです……」
「挨拶も大事だからね。第一印象で働きやすさも変わるから。……そう言えば、暖地さんが持ってたっていう人形の目玉、ちょっと気になるんだけど見せてもらっていい?」
「はい。……これです」
ハンカチに包んだ目玉をそっと取り出す。蛇目に渡すと、彼は興味深そうにそれを眺めた。
「確かに魔力を感じる、うーん……」
「何か分かりそうですか?」
若芽が聞いても、蛇目は少し考え事をしているようだった。その内「えい」と言って電気を流し始めたではないか。
「じゃ、蛇目さん!?」
バチバチッと明るく点滅し、目玉に異能力が注ぎ込まれる。なにもないかと思った瞬間、目玉は蛇目の手から飛び出し、空へと掲げられた。
「ひゃー!?」
目玉は膨張し、空間の裂け目のようなものを作り出す。
「こ、これ……あの時の美術館に迷い込んだときのものと似ています……!」
「物凄い魔力の反応ね。……ということは、これが美術館の入り口ってことかしら」
「おお、やってみるもんだね」
「すごい……!」
流石はヒーロー課といったところだろう。無能力者の若芽ではこのようには辿り着けなかった。
津西はすぐに状況判断し、ヒーロー課の面々に指揮を執った。
「中へ捜索に入る、犬神と榎本はここに残ってくれ」
「了解」
「はーい、気を付けてね、皆!」
犬神は頷き、榎本は手を振る。
「暖地は捜索側に来てくれるか。一度入っているからこそ、分かることも多いだろう」
「わ、分かりました……!」
無能力者だけど大丈夫だろうか? 一応、あの時は何とか戦えたけれど……。
「大丈夫、今度はアタシたちがいるわ」
「そーそー、大船? 泥船? に乗ってるつもりで大丈夫だって」
「泥だと沈んじゃうね。BIGなヨットに乗ったつもりでいいよ」
「……ふふ。分かりました、頼りにしています、皆さん」
冴木、志木川、蛇目がそれぞれらしく励ましてくれる。そう、今は怖がっている場合じゃない。それに、こんなに頼もしい人たちがついている。
津西はその様子を見て少し微笑んだあと、すぐに表情を引き締めた。
「取り込まれた失踪者を救い出す。行くぞ」
「はい……!」
若芽たちは、裂け目へと入っていく事になる。
さてさて、ヒーロー課の皆たちがいれば安心だな!!!!! と思いつつ。
単純に都市伝説を隠れ蓑にした悪魔の仕業、という訳じゃなさそうな気もしないでもないんですが……続きが気になるけど一日一話!!
▶好感度
🎲2+2=4up 犬神好感度20%
🎲1+2=3up 志木川好感度12%
🎲1+2=3up 蛇目好感度34%
くっ、初めましては控えめ……! まぁでも蛇目さんとはその後イベントでめちゃ仲良くなったからね……!
▶桜の欠片
🎲5+2=7枚 154→161枚
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