2026.07.27
▶メインストーリー 第二章 第一話
桜の欠片 169枚 OK
寂しい
◆探偵課
若芽は自分のオフィスにいた。先日、段ボールだらけの部屋を少しずつ片付け、一応仕事が出来るように整えた。なかなかの重労働だったが、ヒーロー課の皆や四方田班など、若芽を気にかけてくれる人たちが時折手伝いや差し入れに来てくれたので、とても助かった……。またお礼に行かねばな、と思っている。
探偵課が出来てから、捜査一課が対応するような事件性の高いものでもなく、かと言ってヒーロー課が出るような異能力や魔力が察知されない案件などが、若芽の元に続々と舞い込んできていた。
(警察が出るようなものじゃなくても……困っている人はいっぱいいるんだ……!)
祖母とやっていた探偵時代にも、そういう困りごとを抱えた人々に親身に対応していた若芽にとっては、今までの生活の延長線上のような状況になったので、生き生きと働けている。ただ……悩みがあるとすれば、若芽一人だけの課なので、雑務から何から全て一人でこなさなければならない事くらいだ。忙しい!
何とか捻出したお昼休憩の後、お腹も満たされ、午前中の疲労も相まって、机でうとうとしてしまった。
しかし、突然の電話に起こされる。つい反射的に受話器を取ったが、「警視庁刑事部探偵課でしゅ」と少し噛んでしまった。恥ずかしい……!
電話先の相手は、どうやら女性だ。声は酷く怯えており、憔悴している。
「どうぞ、ゆっくり話してみてください。お聞きします」
安心させるよう、努めて柔らかい声で聴いていると、女性は少しずつ話し始めた。
「さ、昨夜のことなんですけど……仕事を終えて徒歩で帰っていたんです。住宅街を歩いている時でした。背後に気配を感じて……つけられているような嫌な予感がして、急いで帰ろうと道の角を曲がったら……ひ、人がいて。それが……わ、私とそっくりな人で。驚いていると、その私のそっくりさんが、持っていた傘を振り下ろしてきたんです……っ」
「(ひゃーーーー!! ど、ドッペルゲンガーとかかな……!? こ、怖いよう……)え、ええと……貴女にお怪我は? ご無事ですか?」
「あ、はい、怪我はしてません。殴られる、と思ったんですけど、その瞬間には目の前から消えてしまって……」
「それなら良かった……あとは他に何か、起きていませんか? 気になることとか……」
「それが……殴り掛かってくる前に、『寂しい』と呟いていた気がします……聞き間違いでなければ……これって、怪異とかの類なんでしょうか? とにかく、怖くて……どうか、捜査してください」
「何なのか、はまだ分かりませんが……『探偵課』で捜査してみましょう」
「あ、ありがとうございます……!」
ほっとしたのか、涙声で女性は礼を言った。女性の名前と連絡先、住所を念の為控えさせてもらい、捜査に進展があればまた連絡します、と電話を切る。
「うぅ、困ってるのは放っておけないけど、怖いものは怖いよぉ……と、とりあえず、何か参考資料を探してみよう」
若芽は本棚から、似たような事例のファイルを探すことにした。
1d6を3回成功するまで振るぞ!
→🎲4、3、6 成功2、クリティカル! 調べものは多分得意なタイプ。
「嗚呼、やっぱり……『ドッペルゲンガー』……もう一人の自分が現れる怪異、か……コンさんが増えるなら嬉しいけど……いや困っちゃうかも……! じゃ、なくて!」
怖くてついつい、想い人を思い出してしまう。一度、夜の学校を調査する機会があったのだ。その時のコンさん……和戸村は、とても頼もしかった。思い出すだけで少し勇気をもらえそうな気がする。
(確か何回か見てしまうと死んでしまう……みたいな話もあった気がするけど、ここには簡単な説明しかないなぁ……調べるなら、図書館かな?)
若芽はファイルを仕舞うと、出かけることにしたのだった。
▶桜の欠片
🎲3+2=5 169→174枚
第二章開始! 怖がり設定なワカちゃんなので、びくびくしつつも捜査をしていきます。
でも怖がりな割に、結構ズバッと言ったりしているね……芯は強い女の子が癖なので……。
コンさんとの学校探索は、tsukiさんのRLHシナリオ「七高名失くし七不思議」での体験です。これは探偵時代の話という事で。
あと仮眠からの突然の電話のくだりは、今日のさらたま診断結果を使わせていただきました。
Thanks:陽炎書店さん
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