2026.07.28
▶メインストーリー 第二章 第二話
桜の欠片 173枚 OK
ドッペルゲンガー
◆桜雅街図書館
若芽は早速、図書館を訪れていた。オカルトコーナーへ出向き、片っ端から本を開いてドッペルゲンガーについて調べていた。
(怖いけど……知識はあった方が良い筈……!)
🎲4、2、5 すんなり成功!
1冊目の本では、「ドッペルゲンガーは人間と会話しない」との情報を得た。
(……あれ? あの女性の話では……『寂しい』って言ってた、って……)
2冊目の事典では、「本人と縁のある場所に出現する」とあった。
(帰宅途中の住宅街……縁がある、とは言いにくい、ような……)
3冊目の雑誌では、「ドッペルゲンガーを二回目撃すると、目撃した人間は死ぬ」と書いてあった。
(記憶の通りだ……! 怖い……けど……今回の件は、本当にドッペルゲンガー、なのかな……?)
女性の話のメモと、今回調べた結果を見返す。今回の件で特に気になるのは、「傘で殴り掛かってこようとしたこと」だ。女性が被害に遭う危険性が高い。けれど、調べてみた「ドッペルゲンガー」は、人間に直接気概を加えるタイプの怪異や超常現象ではないようだ。二回目撃した人間が死ぬのは、ドッペルゲンガーに攻撃された所為ではないらしいし。
(情報が全て正しいとも限らないけど……他の現象の可能性がある気がする。それこそ魔物とか、悪魔とか……?)
大量の本とメモを前に唸っていると、閉館時間30分前を知らせる館内放送が流れてきた。窓を見れば、殆ど真っ暗だ。
(わぁ、集中しすぎちゃった……! 今日は帰ろう……雷蔵おじさんにも話を聞いてみたいな……)
若芽は慌てて本を書架に戻し、幾つかは借りて帰ることにした。
◆住宅街
帰り道。
若芽は静まった住宅街を歩いていた。四方田に遅くなる旨の連絡を入れると、「俺もちょいと遅くなるから、先に休んでてくれ」との事だった。忙しそうである。
(今日中にはお話出来そうにないかな……)
そんな事を考えている若芽に、少し涼しい風が吹いてきた。調べものと尽きない疑念で疲れた身体が癒されるようだ。
(……あ)
ふと、道路脇の電柱のそばに、花束が置かれていることに気付く。
それが意味することは――。
(交通、事故……)
頭の中に、桜雅街に来ることになったきっかけの電話の声が、フラッシュバックする。
(お父さん、お母さん……)
忙しさもあって、最近思い出してなかったのに、何故今になって思い出すのだろう。
(……ううん、今は、一人ぼっちじゃないもの。雷蔵おじさんも、コンさんも、ヒーロー課や四方田班の皆もいるし……)
両親を突然喪った時の、負の感情に引っ張られそうになったけれど、すぐに、支えてくれる人たちの笑顔を思い出す。
いつの間にか、花束の前で立ち止まっていてしまっていた。ぼんやりしてしまうくらいには疲れているようだ……。
(……ん? 誰か、いる……?)
目の前に誰かが立っている気配がして、若芽は顔を上げた。
(……ひゃ!?!?)
そこには、若芽と同じ顔をした人間が立っていた。
彼女は若芽をただ無表情で見つめてくる。
(えっあっ、これそっくりさん、じゃない……あの女性の言っていた、『ドッペルゲンガー』じゃない、何か……!!)
「えぇと、その、こ、こ、こんばんは! 良い夜ですね!?」
出会えたのであれば、(同じものかは分からないが)情報収集すべきだろう、と怖さを抑えて話しかけてみる……が、もう一人の若芽から返事はない。
目の前の若芽は、口を開いて一言――「寂しい」、と呟いた。
「ど、どうして寂しいんですか……? は、話を……ひっ」
何か理由があるのか、と聞こうとしたが、もう一人の若芽の手には拳銃が握られていた。その銃口がゆっくりと若芽に向けられる。
(待っ……)
若芽が状況を理解する前に、発砲音と目を開けていられないほどの閃光が迸る。
(え……あ……い、生きて、る……?)
次に若芽が目を開いたときには誰もおらず、ただの住宅街がそこにあった。
(う、うぅ、こ、怖かった……コンさん〜!! 雷蔵おじさん〜!! 助けて〜!!)
涙目でへたり込みそうになりながらも、好きな人に程連絡が出来ない癖のある若芽は、早足で家に帰るしか出来ないのであった。
▶桜の欠片
🎲2+2=4 173→177枚
ドッペルゲンガーじゃない、だと……!? と、なると……同じ住宅街だとして、事故があったなら……地縛霊、とかかなぁ?
忘れられつつあって「寂しい」のかな……それとも他の理由かな……うーん! 続きが気になる〜!
text top
狗の隠れ家