第五話



2026.07.31
▶メインストーリー 第二章 第五話
桜の欠片 210枚 OK

メッセージ



◆会議室


「失礼しますっ」

 若芽と相馬が会議室に入ると、そこには津西、蛇目、四方田がいた。

(流石に全員じゃなかったか……でも、雷蔵おじさんも津西さんもいるし、やっぱり重要案件扱いにはなったのかも)

 四方田に目線を向けると、頷いて空いている席を示される。若芽と相馬が椅子に座ると、会議が開始された。
 まずは四方田が話を切り出す。

「探偵課が請け負っていた仕事だが……被害の拡大を危惧した上層部から、合同で捜査するようにとの命令が下った」

 ここに集まるメンバーには異論はない。続いて、津西が話を続ける。

「まだ魔力や異能力といった力は検知されていないが、前回のことを懸念して、あらかじめヒーロー課も捜査に入れたんだろうな」
「前回……人形の悪魔の『神隠し』事件ですね」
「そうだ。なんといっても、怪異らしきものが確認されている。魔力や異能力の仕業と考えるのも無理はない」

 人形の悪魔も、「満月の夜に出歩くと神隠しにあう」という都市伝説を逆手に取って事件を起こしていた。今回ももしかしたら、「ドッペルゲンガー」の言い伝えを隠れ蓑にしているのかもしれない。

「まずはドッペルゲンガーの痕跡を辿り、そこから魔力・異能力の反応がないかを探る」
「えぇと……具体的にはどうするんでしょう?」

 ヒーロー課が普段はどうやっているのか分からず、若芽はおずおずと質問してみる。

「現時点でドッペルゲンガーに遭遇している被害者以外……暖地、相馬、四方田さんの三人には、検知レーダーをつけてもらう。その上で、もう一度ドッペルゲンガーに会ってもらう感じだな」
「でも大丈夫なのかな、ドッペルゲンガーって2回会うと死ぬっていうよね」

 無表情に近いままの蛇目が、何となく心配そうな雰囲気で小首を傾げる。

「えぇと……恐らく、本来の意味での『ドッペルゲンガー』とは別物なんだと思います。元々の『ドッペルゲンガー』とは異なる行動をしてますから……いきなり前触れもなく死んでしまうということはないかなって……」

 とは言え、怖いものは怖いのだが! 武器を向けられるし! でも、これで何か解決の糸口が見つかるのであれば、何とか踏ん張らねばならない。

「そっか、なら暖地さんを信じるよ」

 蛇目は納得したように頷いた。「でも、なにかあったら無線で呼んでね」と親指を立てる。

「頼りにしてます……!」

 2回目は、一人で立ち向かわなくてもいいのだ。それだけで随分、勇気が湧いてくる。
 そういった訳で、若芽と相馬と四方田は、レーダーを付けて夜を過ごすことになった。

「あとは、何か共有しておくべきことはありそうか、暖地?」

 先にドッペルゲンガー事件について調べていた若芽に、四方田が話を振る。

「えぇと、先程相馬さんが資料室で発見したファイルがあって……」

 情報共有をしたり、対策を立てたりと、若芽たちは忙しく動き始めた。

 
――夜。

(わぁ……こんな時間!)

 すっかり仕事に追われ、遅い時間まで過ごしてしまった。
 これまでにドッペルゲンガーが現れる様子はない。行動を別にした方が遭う確率が高くなるだろうと、先に帰った相馬や四方田の方にも動きはないという。

(昨日は帰り道で会ったけど……今回もそうかな……)

 帰り支度をしつつも、何となく気が重いし怖い。とは言え、何かあれば無線で助けを求められるのだ。今日の所は帰ろう、と鞄を持ち上げようとしたときだった。

(誰か、いる……?)

 ふと何者かの気配を感じ、顔を上げる。

(ひっ……!)

 そこには、若芽と同じ姿をした、もう一人の若芽――ドッペルゲンガーが立っていた。
 ドッペルゲンガーは、前回と同じく無表情で若芽を見つめている。

「い、いつの間に入ってきてたんですか……! ノックはして下さいよぉ!」
「……」
「あなたは、一体どうして寂しがっているんですか……?」

 思わず話しかけてしまったが、ドッペルゲンガーからは返事は無かった。これだけであれば、本来の「ドッペルゲンガー」と合っている。

(でも……多分今回も、)

 ドッペルゲンガーはまたもや同じ言葉を呟く――「寂しい」。

 そしてゆっくりと腕を上げ、若芽に銃口を向けた。


(……っ)

 その言葉を聞くと、ぎゅ、と胸が苦しくなった。
 お父さんに会えなくて、寂しい。
 お母さんと話せなくて、寂しい。
 
 もっと色んな事を話したかった。
 もっと色んな事を聞きたかった。

 いつかは花嫁姿を見せるのが夢だった。
 でもそれも、叶わない。 

(わたしも、寂しいよ)


 そう告げようとしたけれど、発砲音が耳を劈き、思わず目を瞑る。
 恐る恐る目を開けば、ドッペルゲンガーはまた消えていた。

(身体に痛みはない……やっぱり実際に撃たれた訳じゃない、けど……)


 心臓を鷲掴みされたような苦しさが、未だに残っていた。


「……って、そうだ、レーダーは!?」


 痕跡を辿る為に、レーダーを付けていたのだ。慌てて確認すると、『異能力』への反応を示していたのだった。


▶好感度

▶桜の欠片
🎲1+2=3枚 210→213枚



流石にヒーロー課&四方田班の全員ではなかった! でもそれだったらRP一生終わらないかもしれなかったね!!(欲張りさん) でもこれはこれで少数精鋭感があって良きですね……。
ワカちゃんもだいぶ参ってそうですが(怖がり&内容もなので)、よ、四方田さんもう会ってた……心配……;;
今回は異能力による事件ぽいと分かりましたが、どう解決するのか見当もつかないぞ! 寂しいひと同士でたこ焼きパーティとか……?(???)




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