2026.07.17
▶ストーリー キース #1
この街には色んな店がある。ふらりと立ち寄ってみたのは、【喫茶海月】と看板が出ている喫茶店だ。ドアを開けると、ベルが小気味よい音を立てる。入ってすぐ、下り階段になっていたので、少し驚いた。
「おや、本当にクラゲがいるよ。いいねぇ」
水族館にでも来たような心地になりつつ、階段を下りていく。店員に出迎えられ、さてどこに座ろうか、と思案していると、足元に一枚の白い紙が舞い落ちてきた。
「ああ、すまない。僕のだ」
「構わないよ。どうぞ……原稿用紙かい?」
「どうも。……なにか?」
「久々に見たと思ってね。読書感想文くらいなものだけど。……学生さん、という訳じゃないんだろう?」
「ああ。……しがない作家だよ。忘れてくれていい」
作家を名乗った相手は、これで話はおしまい……という様子だったが、ウルスラは気にせず食いついた。
「作家先生かい! いいじゃないか、名前は? どんな話を書くんだい、本は出てる?」
「質問は一つずつにしてくれ……というか、一体誰なんだ」
「おっと、自己紹介がまだだったね。あたしはウルスラ。この街に引っ越してきたばかりさ。今はこの街に何があるのか、どんな人がいるのか、探検中ってところだね」
「そうか……新しい住民か。それならまた顔を合わせるかもな……キースだ。一応名乗っておく」
「キース先生だね、よろしく」
ウルスラが手を差し出すと、渋々といった感じで白い手が差し出された。指には筆まめが出来ている。
「先生はいらない。僕もウルスラと呼ばせてもらう」
「いいとも。じゃあ、今度はどんな話を書いてるんだい」
「続けるのか……」
「1つずつなら良いんだろう? 嗚呼、それとも執筆の邪魔だったかい」
「いや……丁度煮詰まってたところだ」
「じゃあ、気分転換代わりになるから猶更良いだろう?」
お喋り好きなウルスラは、我が意を得たりといったように笑みを浮かべた。はぁ、と小さく溜息を吐きつつ、キースは半眼でウルスラを見上げる。
「……というか、いつまで立ってる気だ?」
「あれま、ほんとだ」
「相席で良ければ、まあ、ゆっくりしていくといい」
「じゃあお言葉に甘えて。何か頼もうかね。コーヒーが好きなんだけど、キースのオススメは? 折角出会えたんだし、奢るよ」
「いや、それはいい。オススメか、そうだな……」
普段は静かな【喫茶海月】は、今日だけは少し賑やかだったのでした。
※すみませんキースさん好きなあまりにドワーッと話しかけてしまった……。
ウルスラさんが引かれてないといいな;;
ちなみにウルスラさんはホラー耐性ある? 高いほどある
→🎲3 普通 怖いけど読める感じかな、ワーワー言ってそうではある。
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