電王

岼谷篝
ゆりたに かがり

「いらっしゃい、野上良太郎くん。わたしの名前はカガリです。岼谷篝。宜しくね」
「――煉。わたし……わたしね、あなたが居なかったことを、認めたくなかっただけだったんだ」
「おいで、アテナ。わたしは大丈夫。大丈夫だから。――本当だよ。大丈夫なの、本当に」

お相手:ウラタロス

デンライナーに乗るための“パス”を所持する特異点の少女。15歳。良太郎がデンライナーに乗る以前からの乗客だが、良太郎とは同年代の生まれ。デンライナーには五年間乗車している。オネエのイマジン・アテナに憑依されることでノーネームの仮面ライダーに変身するが、変身する以前より足癖が悪く、蹴りの威力は強い。戦闘能力は作中トップクラス。
双子の兄と年の離れた兄が居たため、本来は妹気質。デンライナー内ではリュウタロスと並んで車内の末っ子扱いされている(自分の中ではリュウタロスの面倒を見ているのは自分だと思っているが、相手からもそう思われているのでイーブン)。とはいえデンライナー内の篝は未だ抑えた方であり、本来の篝はもっと酷い。

両親と兄、双子の兄と共に暮らして来たが、双子の兄である岼谷煉(ゆりたに・れん)がイマジンに乗っ取られたことにトラウマを感じており、そのうちに煉の記憶を辿ったイマジンが家族や友人の世界を消去したため、特異点であった篝のみの生存を余儀なくされる。そのイマジンの名はハデス。煉と篝が想像する“童話”とは神話に代表されたいにしえの物であり、その中でも煉が好きだったのがアテナ・篝が好きだったのがハデスだったから、という理由だと考えられる。それ故に、アテナは煉の声となっている。
特異点だったにも関わらずイマジンに家族を襲われた際に戦えなかったのは、篝のイマジンが出現したタイミングが“家族が消えた時”だったため。煉を取り戻せばその消去も全て無かったことになると考え、デンライナーに乗り込んだ。

ちなみに、ウラタロスとはわりと仲睦まじくしており、女性を勝手に口説くところだけは許容出来ないが、乗車時から支えてくれた彼のことは好んでいる。そもそも初めて妹扱いをしてもらったのが彼という事実もあるし。それから段々と妹扱いを辞めてもらいたいという心境になったり、色々とあった。最終回後は本来の時間軸には帰らず、デンライナーに乗り込んだまま、時間の旅を続けている。

アテナ
CV:鈴木千尋
「アタシはカガリの願いのために存在してるのよ。それ以外の何物でもないわ」
「ありがとう、カガリ。――愛してる」
イメージカラーは紺色、及び暗い青。カガリのイマジンであり、カガリがノーネームの仮面ライダーに変身する際に必要なイマジン。思わせぶりな口調なところは少々ウラタロスと共通している。モチーフはギリシャ神話の月の女神、アテーネーの別名アテナから。必殺技や変身後の姿、イマジン体の姿は月をモチーフにしているが、電王でいう“クライマックスフォーム”にあたる姿は“アポロンフォーム”と呼ばれ、そちらのモチーフはアテーネーの兄である太陽の神アポロン。イメージカラーはオレンジ。一人称は「アタシ」。

しかし実際は……
「岼谷煉」及び岼谷一家という存在自体が篝の妄想。本名は野上篝。本作主人公である野上良太郎・物語の鍵である野上愛理の妹であり、お互いがお互いの“欠けた記憶”の中に閉じ込められていた。実際のアテナとの契約内容は“家族を守って誰の記憶からも消えること”。変えられた、変えられてしまう未来のために自分を犠牲にした、云わば幼い桜井侑斗と言ったところか。岼谷家は野上篝が生み出した虚構の存在で、アテナと篝の契約内容に則り生み出された妄想の産物。ハデスは実際には篝のイマジンであった。篝が変身するノーネームの仮面ライダーがアポロンフォームになる為に必要なイマジンがハデスである。ハデスのCVは小林ゆう。一人称は「私」だが、列記として男性の精神を持つ。丁寧語。
煉を助けるということを自分の存在理由に据えてきたため、岼谷家が妄想の中の存在であるということを知ってからは妹気質も鳴りをひそめていた。皮肉にも吹っ切れたのは最終戦前、キンタロス脱落と同時あたり。その直後にハデス・アテナ共々篝も脱落することになる。

「カガリのバーカ!」
「リュウタロスの方がバカでしょ、バーカ」
「今度は何で喧嘩してるの?」
「ウラタロス……」
「カガリが!」
「リュウタロスが!」
「わたし(ぼく)のコーヒー飲んだ!」
「新しいコーヒー淹れて貰いなよ……」

「末っ子だって出来るんだってこと、証明してあげる。――アテナ!変身!」
「それが篝の望みなら、アタシは従うわ。行くわよハデス」
「ええ。貴方と同じなのは少々遺憾ですけれど……そういうことなので」
「……さよなら、デンライナー」
「――カガリ?」
「ありがとう、ウラタロス。あなたにはいっぱい助けて貰っちゃったなあ」
「待ってカガリ、」
「ここには居ないリュウタロスにも、謝っておいてくれないかな。わたしの代わりに」
「自分で言いなよ……っ」
「泣かないで、ウラタロス。わたし、もう独りでも大丈夫だよ。」
「さようなら、亀ちゃん」
「短い間でしたが、お世話になりました」
「さよなら、みんな」