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「こりゃ!お前たち!何をさぼっとるか!さっさと若のおつとめの手伝いをせんか!!」

若君が帰ってきたことで俄かに騒がしくなってきた奴良邸に、寝穢い者達を叱咤するカラス天狗の声が響き渡っている。

「おはようございます、リクオ様!」
「今日もお元気ですね〜〜〜!」

屋敷中の妖怪たちが挙ってリクオを出迎え、学校へ向かう支度を手伝っていく。
これ幸いと、風呂から出たばかりで濡れている若君の髪を今朝の恨みを込めて乱暴に拭く青田坊と、それを後ろで愉快気に見守る黒田坊。まるで大人気のない二人にリクオは悲鳴を上げる。

「若、靴です!」
「靴下です!」
「足洗です!」
「逆!逆!もう、みんなしっかり!」

時々役に立たない妖怪たちの手伝いに突っ込みを入れつつ、リクオは支度を整えると、慌ただしく廊下を駆けて玄関へと向かっていった。

「おはよう、リクオ。今から学校なのね」
「あ、璃桜姉ちゃん!おはよう!ごめん、時間がないからもう行くね!」
「いってらっしゃい。車に気を付けるのよ」

朝から元気ねぇ、とぱたぱたと駆けていった甥っ子を見送った璃桜は



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