グスタフの舌



「ああん!もどかしいわね!誰か●に媚薬を盛ってやることやらせてやりなさいな!」
「そうだそうだ!ティム坊があれじゃあジジイになっても●と結ばれんぞ!」
「お静かに!!グスタフの名にかけてそのような卑劣で下劣な方法は認めません!お兄様にはお兄様のお考えがあってのことです。」

ジンジャーの鞭が親戚である2人の足元に落ちる。


(聞こえているぞ…)


ティムは廊下から聞こえるうるさい声に青筋をうかばせ、気まずそうに咳払いをする。●は聞こえていないふりをしているが、内心どう思っているのやら。
●とティムは今のところは学友だ。そして、今は大陸統治のために共闘している。今はその束の間の休息を楽しんでいたのだが、2人の未来を期待する厄介な親族に邪魔されている。

「ん?●、その傷は?」
「傷、ですか?…あ、ああ。これですか。枝で切りました。」

ふと、●の指の切り傷に気づいたティムはその傷を癒したいと思った。ヒールを使ってもいいが、●の肌に触れるチャンスを逃したくない。
うるさい親戚の言い分も間違ってはいない。モタモタしていたら●は他の男に取られるかもしれないのだ。ティムは立ち上がって近づき、●の手を取って指先の傷に口を寄せた。●は目を丸くして慌てて手を引こうとしたが、彼の鋭い瞳が静止する。


ー おお!やりおった!なんじゃ!?真っ昼間から致すのか!?
ー ちょっ、ああた!見えないわ!どきなさい!
ー お二人とも、お退きください!

廊下がさらに騒がしくなる。●は3人に覗かれて顔を赤くしたが、未来の帝王に刃向かわず指を舐められた。


ー …なんと艶かしいの…


2人の艶のあるその行為に誰よりも目を奪われたのはジンジャーだった。親戚2人を脇に押しのけ、ドアの隙間から彼らの生ったるい行為を目に焼き付け、胸を高ならせる。

ー お兄様の舌…柔らかで重く、しつこい…。

ジンジャーが愛するは美しい兄。その兄の舌に舐められる●に嫉妬しないわけではないが、弁えるための理性はある。妹という立場である以上、決して兄と結ばれることはない。
だから、代わりに兄が愛する相手が欲しいと思っていた。そして、彼らの行為を覗き見ることで、愛しき兄に愛される感覚を目から楽しむのだ。

ー あんな風に舐められたら私は…!ああ、●様、もっと、もっと兄と混ざって下さい…私の代わりに存分に兄の男の愛撫を!そして、それを私に見せて、見せつけて…。
ー ●様を縛ってやりたい。そして、兄様の思うままに●様を貫いて欲しい。それをすぐ近くで見て、私の心も共に高みに導いてほしい…!!ああ、●様…、早くお兄様と!!


「ティム…、も、もういいから…っ。」
「…戦が終わった暁に●の全てを味わわせてくれ。」


口内で●の指先が焦ったようにはねる。ティムは構わず●の指を吸い、指の隙間をしつこく舐めながら下半身を熱くした。



end


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