魔力





noesis
:魔力(000002)


大気中を始め、世界の至るところに存在する“女神の力”。特殊な状況下で無い限りは無色透明、無味無臭で実体が無いものだが、人間を含めたあらゆる生き物の体内に存在する生命には不可欠なものであり、空気や血液のようなものと例えられる事が多い。

誰しもが無意識の内に人体に取り込み、外へ放出しており、これを意識的に取り込むこと、放出することが所謂“魔法”となる。

一般属性と形容される『風』『火』『水』『地』の四種の他、それらの特性を全て備えた神聖属性『空』の一種、全五種類が確認されており、一般的には生まれつき自分に流れている属性のみ感知、干渉出来るとされている。

尚、理論上は自分の属性と同じ魔力が漂っている空間であれば、約二週間は食事を摂らなくても生きていけると言われているが、魔力にも純度、鮮度のようなものが有り、閉鎖的な空間等では次第に腐敗し、人体に害を与えるものになることも有る為、一概に“魔力さえあれば生きていける”という訳では無い。

また、『空』属性に関しては、これまで一度も大気中等に存在していたと言う記録は無く、いつの時代も世界に20人前後、持って産まれた者が居り、その数が極端に増減した歴史は無いこと、その殆どが王家を主とする「世界に大きな影響を与えた者」であった事から、長い間、空属性は「女神に選ばれた者」「歴史に必要とされる者」が持つと言う認識が根付いている。

その為、過去には、自分の権力や名誉を奪われることを怖れた王家の人間や勇者と呼ばれていた者が、空属性を持って産まれた赤子を殺しに行ったという話も決して珍しいものでは無く、変化を疎む者には悩ましい存在である事も確かなようである。

因みに、この『空』属性を持つ者は一般属性の全てを感知、干渉出来る為、中には自ら決めた属性の魔法のみを使用し、『空』属性者である事を隠して生きた者、生きている者もいるのでは、と、噂されているが、その真相は未だ定かではない。