屋根が無くても寝れます(3)



いきなりギュゥーーンと電子音を立てられてビビる。

『“アカン!!”“宿題忘れてきちゃったよ”“家に取りに行かなねば!”』

ソワソワ動き、焦りを表現するバンブルビー。

(…Σあぁ!ヤバい!講義を開いてる場合じゃなかった!)

『そうだ!メガネはどこだ?』

ということで

「また車かぁぁ…」

うなだれる幸縁。しかし目的を忘れるなよ司令官。

『すまないが、君にも手伝って欲しい。……三人よれば文殊の知恵。困ったときはお互い様と言うことわざが日本にはあるのだろう?』
「えー…あるけど。手伝いも、……いいよ。よく調べたね?」

映画で聴いたときよりもなんだか……もう少し柔らかい感じに話している気がするオプティマス・プライム。
オプティマス…ことわざに興味あるのかな?

『君のことも』
「え?」
『ワールド・ワイド・ウェブ上をハッキングし調べたが、君の名前はどこにもなかった。アメリカにも、……日本にも。地球上に、君は存在しない』
「!?」
『君は』

ナニモノダ

「………。」
(私は…何なんだろう…)


嘘は言えない。
何故かそう思いながら、気持ちの整理がつかないまま喋りだす。

「異世界トリップした人間です」
『にわかに信じがたいが……君は、異世界からきたのか?』
「はい。でも……まぁ、信じないでしょうけどね普通。自分でもそう思います。怪しいと感じるなら最初から連れて来なければいいのに」

喋りながら下を向く。

「(落ち込んでどうする。やつあたりしたってどうにもならない)」

自分を叱咤する。
彼等には"こんなヤツ"にかまっている時間は無い。大きな使命があるのだ。

『……』
「私がディセプティコンだったらどうするんですか?」

違うけど、少しは危機感を持って欲しい。

「私がディセプティコンで、さっきまでの行動全てが足止め目的だったどうするんですか?」

でも。これからの会話で。

「怪しさ満載の敵かもしれない輩にかまってる暇があるなら」

あなた達に嫌われたら、

「さっさとオールスパーク見つけてこいよオプティマスプライム!」

そう思うだけで怯えるただの人間です。
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