summer vacationでワイワイ!(7)


「っ!…あれ、ここは?」

目を覚ました時、彼女は室内にいた。
暗闇に目が慣れると、どうやら合宿で利用していた救護室に戻っているようだ。
起きあがったと同時に、扉の鍵が開く。

「あ!目が覚めたんですね!」
「うん。おはよう、ジェイド君」
「はい。あ!沙希さん、足を怪我してるんです。無理に動かないほうがいいですよ」
「え?!」
「逃げてる最中、鮫の歯が当たっていたらしく…。超人担当の医師が言うには、炎で治療しても念のため数日安静だそうです」
「うっわぁー…」

白い包帯には血が滲んでいる。
医師が診断したのなら、諦めるしか無いだろう。

「みんなは?あの子供は無事?」
「全員無事です。母親が感謝していました」
「そっか、よかった」
「よくありません!!」

ジェイドが怒る。

「勝手に一人で救助に行って!挙げ句の果てに鮫の餌食になりそうなのを目の前で見せられて!」
「ご、ごめん。迷惑かけて…もっと遊びたかったでしょう?」
「違う!あぁもう!」

露になっている金髪をかきむしる彼はご立腹だ。

「もっと頼ってくださいよ…」
「!」

沙希が誰にも声を掛けなかったことで、訓練生達は頼る価値が無いと判断したように思われたらしい。

「分かった。必ずそうする。Danke schönジェイド」
「ヤ、Jaー!」
「かっこよかったよ。助けてくれたときのあの技…ベルリンの赤い豪雨ー!!」

身ぶり手振りで真似をすると、彼も険しい顔から笑顔になる。

「夕食はどうします?よければ皆の所へお連れしますが」
「…いや、今日は疲れたからこの部屋にいるよ」
「そうですか、ではコンビニで何か買って来ますね」
「いやそんなパシリみたいな」
「沙希さん。次は?」
「えぇー……必ず頼る」
「欲しいものはありますか?」
「じゃあ…」

沙希はベッドサイドのメモ帳に必要なものを書くと、彼に手渡した。

「あ。伝説超人レジェンドにあったら、おつまみ作れなくてごめんって伝えといてくれる?」
「…」
「あれ?ジェイド君?ジェイドさんやーい?」
「あの、レーラァにはなんて…」
「…怒ってた?」
「それはもう」
「誠に申し訳ございませんでした!約束叶いそうに無くて残念無念!」
「伝えときます」

土下座する勢いで謝る姿にウケたのか、笑いながら去るジェイド。
思っていたより疲れていた沙希は、そのまま横になるとまた眠りについた。