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彼女の帰りを待つ、夕暮れの時間(キバナ)
誰かに肩を叩かれて目が覚めた。彼女は珍しく休日出勤らしくオレはお留守番。きっと仕事を頑張っている彼女の変わりに家事類はオレさまが済ませ、一息つこうとソファに寝転がったらそのまま寝入ってしまったらしい。
身体を起こせば陽は傾いていて、時計を見れば17時を指していた。もうじき彼女から仕事が終わったとメッセージが来るだろう。
正面を見れば、ジュラルドンがニッコリ微笑んでいる。
「起こしてくれてありがとな、ジュラルドン」
「ジュラ♬」
満足げに頷いたジュラルドンが大きな太い手で指しているのは脱衣所の方角で…どうやら彼女へ贈るサプライズプレゼントのパジャマ(勿論オレさまとお揃い)が乾いたから起こしてくれたんだろう。さすが相棒。
なんでもない日のオレさまからのプレゼントに喜ぶ顔が目に浮かび、顔が緩む。彼女が自分が贈ったパジャマで眠る(しかもお揃いだぜ)ことを考えて、ニヤニヤしない男がいたらお目にかかりたい。
さて、そのパジャマをたたみに行くか、と腰を上げたとき、
ゴポゴポ…プシューッ
とくぐもった音がした。
その音の方に視線をやれば、キッチンに置かれた炊飯器から水蒸気が出て、ご飯の美味しそうな香りが漂ってきた。
ーこれが炊き始める頃に私帰ってくるからねー
なんて冗談のように笑って出て行った彼女。これが本当なら彼女はそろそろ帰ってくるだろう。
パジャマを畳んだら、彼女が作り置いたご飯を温めておいてやろう。
ゴポゴポッ…プシューーッ
「あー、早く帰ってこねぇかな」
彼女が喜んでくれる顔を一足先に思い描きながら、オレは彼女の帰りを待つのだった。
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