すがれる藁もない



※轟くんがヤンデレ
※大人設定で監禁というふわっとした設定で好き勝手に書きたいところだけ書いてます
※温いR18強姦要素有り





 微睡みから醒めた彼女はぱっと飛び起きて俺を見た。泣き腫らして真っ赤な瞳がうさぎの様で可愛らしい。でも、少しだけ痛々しい。片手を伸ばしてすり、と目元を撫でれば、また彼女の肩が大袈裟に跳ねた。
「おはよう、よく寝てたな」
 可愛くて堪らなくて、思わず俺の方から口づけた。嗚呼、おかえりのキスは彼女からしてくれる様に頼んだのに、でも可愛いから仕方ない。お休みのキスは彼女が意識を保っている間に強請らないと。嗚呼、でも、その前に。
「……只今、ナマエ」
 只今、ナマエ。なぁ、早くお前の可愛い声でお帰りって言って。なぁ早く。額を首に擦り付けて無言で強請れば、彼女は少しだけ震えた声で「……おかえりなさい」とか細い声で呟いた。
「……うん、只今。会いたかった」
 細い声はそれでも確かに俺の鼓膜に届いて、可愛い可愛いナマエの声に嬉しくて思わず頬が緩む。思わずぎゅう、と抱きしめて小さな身体を腕の中に収めた。嗚呼、可愛い、ナマエの匂いがする。


 しばらくぎゅうぎゅうと抱きしめてナマエの感触を堪能した後、ようやくと身体を少し離して顔を上げる。
「……腹減った。なぁ、今日の夕飯は何だ?」
 ナマエは俺の家で一緒に住んでいる。セキュリティのしっかりした高層マンションの三十階、一階にはオートロックも防犯カメラも、おまけに警備員も常在していて、容易に他人が出入り出来る作りではない。でも、それはあくまでも外からだ。中からは簡単に出れてしまうから、内側からも開かないように鍵を取り付けた。指紋認証と網膜認証が必要だから、簡単には開けられやしない。ナマエは、この家から出られない。固定電話は引いていないし、パソコンはロックが掛かっているから彼女では開かない。流石に何かあった時に連絡出来ないのは困るから俺にだけは繋がるようにしてあるけれど、彼女からの電話もメッセージも一度たりとて届いたことはない。何もなくても連絡してくれていいのにな、それは少しだけ寂しいけれど、問題が起こらないのはいいことだと自分に言い聞かせる。
 外に繋がるもの全てを絶ってしまったから、ナマエは日中暇だろう。一応テレビは置いてあるが、彼女は余りテレビを好まないらしく、付けているのを見たことはない。本棚に彼女が好きそうな本を幾つか置いてみたら、こちらは数冊だけ手を付けた形跡があって嬉しかった。でも、少しで飽きてしまったらしい。他に読まれた形跡はなかった。掃除とか、洗濯とか、やるべき家事は色々とあるけれど、俺は別にそれをしろとは言っていない。そんなことしなくていいんだ、ただ、傍にいてさえくれれば。でも、一つだけ、どうしても欲しくて散々強請って約束を取り付けたものがある。

「……ハンバーグだ。すげえ、美味そうだな」
 ナマエの料理が食べたい。そう強請って、夕飯を作ってくれるように約束したのは二週間ほど前だ。本当は朝食も、休みの日は昼食も作ってほしいけれど前日に抱き潰してしまうことが多い以上、あまり強く強請れない。だからせめて夕飯は、とベッドで散々強請った。ナマエの料理は美味しい。余り慣れていないのか、時々形が歪だったり、中まで火が通ってなかったりするけれど、それも可愛くて堪らない。俺の為にキッチンに立って料理してくれるナマエを見ると、まるで新婚みたいで嬉しくなる。こないだはそうやってキッチンで抱いてしまった。結局ナマエは気絶してしまって夕飯は食べられなくなってしまったけれど、幸せだった。
 ベッドから動かないナマエを抱き上げてキッチンに向かうと、そこには少しだけ形の不揃いなハンバーグが二つ、皿に並んでいて、隣にサラダとスープがある。伏せられたお茶碗とグラスは、今から入れるものだろう。でも、一人分だ。ナマエはもう食べてしまったのだろうか。
「ナマエ、もう食ったのか?一緒に食いたかったのに」
 椅子に座ってナマエを膝に乗せ、少しだけ咎めるような声を漏らしながらすりすりと首筋に擦り寄る。身体の強張ったナマエは少しだけびくりと肩を揺らして俺の肩を押して逃げようとする。準備をしに行くのだろうか。嗚呼、でも、嫌だ。離したくない。
「……帰るの遅かったか?腹減っちまった?ごめんな、でも、一緒に食いてえ……な、明日は早く帰るから」
 ぎゅう、と腰に腕を回して抱きしめて、甘えた声で強請る。ナマエはふるふると首を振って、それから観念したように小さく声を漏らした。
「……食べたくない」
「……?食いたくねえの?何で、お前の好きなもん作っていいんだぞ、俺はお前の飯だったら、何でも。……それとも、作れねえもん食いてえ?じゃ、明日は頼もう。な?そんで、一緒に食べよう」
 そう言っても、ナマエは力なく首を振るだけで、何も言わなかった。しばらく色々と試したけれど、ナマエはもう喋ってもくれなくて、仕方なく、ナマエを離して夕飯の準備をして貰う。機嫌を損ねたのだろうか。
 結局、夕飯を食べ終えて、風呂から上がるまで、ナマエは黙り込んだ儘だった。


 お風呂は一緒に入りたいけれど、休みの日以外、ナマエはいつも俺が帰る前に一人で済ませてしまう。何度か一緒に入りたいと言ったけれど、彼女は絶対に頷かなかった。仕方がないから、休みの日は疲れて動けない彼女を抱えて連行する。温かいお湯の中で抱きしめ合うのが気持ちいいのに、毎日は許してくれない。不満はあるが、余り強く責めて泣いてしまってもよくないので、これは自分の心の中に留めている。
 風呂から上がってリビングに戻るとナマエは黙ってソファに蹲っていた。待っていてくれたのだろうか。嗚呼、可愛い。知らず笑みが零れて、もうある程度乾いた髪からバスタオルを離して椅子へと放る。ばさ、と静かな部屋に布ずれの音が響いた。動かないナマエへと歩み寄って、また優しく身体を抱き抱える。やだ、と小さく掠れた声が彼女から漏れた。気にせずそのまま寝室へと連れて、電気も付けずに中央のベッドへと転がす。
 寝室は、俺の趣味で和室にしていた。学生時代は布団を敷いて寝ていたが、プロヒーローとなってからは毎日泥のように疲れた身体を引き摺って半分眠った儘帰ってくることも珍しくなく、最早布団を敷く気力さえなくなったので急遽、畳敷きのベッドを購入した。腹立たしいことに親父の血か身長がかなり伸びてしまったので、窮屈でないダブルベッドを購入したが、それが今になって役立つとは思わなかった。広いベッドは俺とナマエが寝転がってもまだ余る。


 ベッドに寝かされると途端にナマエは暴れた。
「やだっ、もうやだ、離して!」
 じたばたと子猫のように抵抗する力は余りにも非力で、簡単に片手で抑え込んでしまえる。片手で両手首を捉え、顎を掴んで口づければ直ぐに大人しくなる。嗚呼、可愛い。シーツに広がったナマエの髪から俺と同じシャンプーの匂いがして、堪らなくなった。可愛い、おいしそう。
「は、……美味そうな匂いがする」
 食べていいか、なぁ、いいよな。だって、もう俺のものだもんな。くちゅ、と離れた唇から舌を引き抜けば濡れた水音がして、それだけで俺の理性は使い物にならなくなった。

 顎を掴んでいた手を離して、シャツの隙間へと手のひらを忍ばせる。する、と素肌を撫でればナマエは悲鳴染みた声で高く鳴いた。嗚呼、可愛い。堪らなくなって、そのままボタンを外し胸元を肌蹴させる。
 ナマエのパジャマは、否、パジャマ代わりにしているのは、俺のシャツだ。
 ナマエの服は定期的に買い与えているけれど、一度、一緒に住み始めて少しの時、パジャマが無くて一時しのぎにと俺のシャツを着せたことがある。俺は日本人男性にしてはそこそこの身長がある。対して、ナマエは女性として平均的の域を出ない程度の身長で、互いの身長差は結構なものだ。少し大きいくらいだろうと思って貸したシャツは、思いの外大きくて。そして、思いの外、可愛くて堪らなかった。もう少し裾を伸ばせばワンピースにも見えるだろうそれは絶妙な長さで、あれが余りにも可愛かったから、寝るときはこれがいいと元々置いていたパジャマは全部捨てた。普段着はパジャマに流用出来ないだろうものばかりにして、これしか着れないようにした。だから、今もこれを着てくれている。そこから零れた柔らかな双丘とこちらを見上げる濡れた双眸だなんて、そんな興奮剤を与えられて止まれる訳がない。

 嗚呼、可愛いな、可愛い。可愛くて堪らない。好きだ、好き、すきなんだ。譫言みたいに呟いて、ナマエの身体を撫で回す。時々胸を揉んで、突起を摘まんで、優しく身体を暴いてとろとろになった秘部を時間をかけて解して、それから、昂って止まない己の欲を押し込んだ。何度も味わったそこは熱くぬめって俺を迎え入れて、きゅうきゅうとしっかり締め付けてくれる。おねだりされてるみたいだった。
 可愛い、可愛い、可愛い。暴れる彼女を抱きしめてぎゅうっと捕獲する。そうすると内側がきゅうっと締まって、堪らない。嗚呼可愛い。まるで抜かないでと言われているようで、そう思えばもう堪らなくなった。
「……可愛い、そんなに締めなくても抜いたりしねえよ」
 必死に引き留めるような膣内があんまりにも可愛くて堪らない。ぼろぼろと零れる涙を舐め取って、手を繋いで、夢中になって腰を振った。きつい膣内だけが、素直に俺を求めてくれる。気持ちいいって、全身で伝えてくれる。嗚呼、駄目だ、もう、イきそう。
「ナマエ、ナマエ……っ、…はぁ、もう、イく……っ」
 ナマエ、ナマエ、、可愛い俺のナマエ。一緒にイこうな、一緒に気持ちよくなろう。あっつくて気持ちよくて、やらしい。腹の奥のそのまた奥、大事なナマエの子宮まで届くように、深く、深く、貫いて。泣きながら首を振るナマエと同時に絶頂を迎えて、きゅう、と手を握ってキスをしながら、ナマエのお腹の中に真っ白な欲を吐き出した。

 嗚呼、嬉しい。
 全部、受け止めてくれている。


 一回目の交わりはいつも通り気持ちよかった。このままもう一回、と思ったけれど、吐精して力の緩んだ隙を狙ってか、ナマエがぱっと俺の手を振り払ってちゅぽん、と俺の自身を抜いてしまった。ぱたた、とシーツに吐き出した白濁が零れてしまう。俺はびっくりして、咄嗟に動けなかった。そのままナマエはベッドから逃げようとしてしまうから、やだやだとシーツを這い俺に背中を見せるナマエの背後から覆い被さってきゅっと手首を掴みシーツに縫い付ける。細い手首はちょっとでも力を籠めたら壊れてしまいそうで不安になった。嗚呼、ちゃんと優しくしてやらないと。肩口に唇を這わせればひくりと身体が震えて、小刻みに震える。可愛いな、背中を見せるってことは、後ろからがいいのだろうか。顔が見たくていつも向き合ってしているけれど、偶にはこういうのも悪くない。
「ん、後ろからがいいのか?……おねだり、可愛いな。いっぱいしてやるから」
 大丈夫、ちゃんと優しくするから、気持ちよくするから、いつもみたいに可愛く鳴いて縋ってほしい。可愛い可愛い俺のナマエ。自由な片手を後ろから胸元に回してつう、と肌をなぞる。
 震えたナマエの身体に構わずに、背後から一気に根元まで突き入れた。大袈裟にナマエが悲鳴を上げて、いやだいやだと譫言みたいに繰り返す。いやだって、ナマエはいつも言うけれど、でも、ナマエの身体の奥はちゃんと俺を受け入れてくれている。あったかい腹の奥が俺を迎え入れて、絡み付いて、好きって言ってくれる。だから、止められない。ナマエの声は好きだけど、でも、嫌だって言葉はあんまり聞きたくなくて、片手を回して指を咥内に押し込んだ。嗚呼、此処もあったかい。いつか咥えて欲しいと思ってることを言ったら、してくれるだろうか。して欲しい、この可愛い口で、俺のこともっと愛してほしい。可愛いな、嗚呼、口を塞いだら俺を欲しがる膣内の熱さと俺を求める嬌声だけの空間になって、幸せだ。

 結局そのまま一回出して、そこでようやくナマエの口から指を引き抜いてやる。可愛かったな、口の中。あったかくて、気持ちいい。
「はぁ、……気持ちいい…、お前も、気持ちよかったか?気持ちいいよな、いっぱいイってたもんな」
「っ、ふ……っう、…も、やだ……もうやだ……止めて……」
 嗚呼、気持ちよかったけれど、彼女はどんな顔をしていたのだろう。あの快感に蕩けた、俺を求める顔が見れないのは寂しい。この時間は素直になってくれない彼女が唯一、俺をちゃんと欲しがってくれる貴重な時間だ。俺で気持ちよくなってる顔が見たい。俺を好きだと締め付けてくれる身体が心底いとおしい。
「なぁ、次、顔見てしてえ」
 後ろから肩を引っ張って、無理矢理にこちらを向かせた。ころんとシーツに転がして、さっきみたいに仰向けに寝転がらせる。涙でぐちゃぐちゃになったナマエの顔、嗚呼、可愛い。
「っひ、もうやだ、お願い、お願い、します、もう止めて…」
「可愛い、ナマエ」
 もう一回、しよう。もう一回、俺を好きだと教えて、その身体で。暴れる両手を捕まえて押し付けて、素直じゃない口を塞いで口づける。そうすると後は、俺を求めてひくつく身体の温もりだけで余りの幸福さに眩暈がする。熱い、きつい、きもちいい。ナマエの身体がとろとろに蕩けて俺を求めてくれる。腰をぶつけて奥を穿てば、途端に膣内がきゅうっと締まった。
「あ、今、締まったな」
 俺の、気持ちいいんだな。嬉しい。
 たくさんしよう。たくさん、俺の愛を注ぐから、早く俺を、好きになって。


「っ……お願い、お願いします……もうやだ、誰にも言わないから、……出して、帰して……外、出して……」
「うん、……うん、大丈夫だから、お前が俺のこと好きになってくれたら、外にも連れてってやるからな。その時は、デート、いっぱいしような」
 結局その後もう一回して、気持ちよくて堪らなくて、ころんとナマエの横に寝転んだら、ナマエは泣きじゃくって俺に縋りついてきた。可愛い、ナマエから触れてくれたのは久しぶりだ。嬉しくなって、胸元を掴むナマエの手をきゅっと握り返す。ナマエがひゅうっと息をのんだ。あ、その顔も可愛い。すりすりとナマエの指を撫でて、腰を引き寄せて脚も絡める。繋がった儘の下半身がぐちゅ、と水音を立てて、ナマエの顔が蒼白に歪んだ。
「だから、今はここで、いっぱい気持ちいいことしよう」
 たくさん、気持ちいいことをしよう。たくさん、俺の愛を注ぐから、いつか俺のことを好きになって欲しい。そうしたら何処に行こうか。嗚呼、今から楽しみだ。遊園地?レストラン?それとも温泉?嗚呼、何処でもいい、ナマエが喜んでくれるなら、何処にだって連れて行ってやりたい。

「子供も、楽しみだな」
 これだけたくさん注いでいるのだから、きっとそのうち生まれるだろう。男と女、どっちだろうな。どっちでも、きっと可愛いよな。可愛いナマエの子供だもんな。


「……早く、家族になろうな」
 可愛い子供と、可愛いナマエで。いつかに夢見た幸せな家庭って奴が欲しい。大事に大事に慈しんで、大切に守ってやりたい。腕の中に書き抱いたナマエの瞼に口づければ、ナマエは顔を反らして拒んでしまうけれど、挿れっ放しの熱を咥え込む膣内は熱くて、いつでも俺を求めてくれて、幸せで堪らなくて。何故だか、心臓が痛くて堪らなかった。


 涙が零れる、胸が苦しい。
 これが、嬉し涙って奴なんだろうか。

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