新たな隊長
「桜花よ、お主には先に伝えておこうかの」
『?何です?』
何時もの様にプチお茶会を開いていると総隊長が口を開いた。その様子に碁を打っていた修兵さんと雀部副隊長も顔を上げる
「三番隊の新しい隊長が決まったのじゃ」
『天貝隊長、ねぇ………』
正式な発表は来週。それを僕と修兵さんに先に伝えたのには何か意味はあるんだろうか
「…調べてみるか?」
『…そうしようかな…』
別に疑ってる訳じゃない。只何となく嫌な予感がする。僕のこの手の予感は外れた事がないから警戒しておくに越した事は無いだろう
「ほら、休憩だ。書類を置け隊長」
『え、あと一枚』
「あと一枚でお前は一時間引き延ばすからな。却下」
「三番隊の隊長に任命されました天貝です」
第一印象は優しそうな人。だが何となく嫌な感じだった。それは彼が隊長になって暫く経った今も変わらない。何故かと考えていれば隣が動く。背中に十四を背負ったそいつは身を屈めて僕に囁いた
「あいつ、何かあるで。気ぃ付けや」
『判ってる。今調べてるとこだよ』
そう返せば財前はさよか、と呟いた。身を起こした財前が副隊長の列に並んでいる藤堂さんに何かの指示を送る。つか今会議中。何勝手な行動取ってんのこいつ
副隊長の方を見ていれば修兵さんと目が合う。ど・う・し・た?と口パクで訊かれたので何でもないと首を横に振る。それが通じたらしい修兵さんが僅かに笑ってまた前を向いた。うん、意思疎通って便利
「では隊長のみ残り、副隊長は業務に励むのじゃ」
隊長の正式な御披露目が終わった為副隊長は業務に戻る。そのまま開かれる隊首会。通常通り滞りなく進んでいく中、奴が口を開いた
「総隊長、若輩者の私ですが一つ宜しいでしょうか?」
「申してみよ、天貝」
発言を許可された天貝に周りの視線が集まる。うん、嫌な予感
「合同演習を提案致します」
「桜花隊長」
『………何か?』
彼が来て暫く立ったある日
隊首会が終わり隊舎に戻ろうと歩いていれば声を掛けられた。余り馴染みのない声。振り向けば天貝隊長が立っていた
「これから時間はありますか?少しお話をお聞きしたくて」
僕から話す事なんて何もないんだが。断ろうにも目の前のこの男に引く気配はない。どうしようかと悩んでいるとふと近くに感じ慣れた霊圧を感知。此方に近付いて来る
『うちの副隊長も一緒で良いのなら』
「桜花隊長は最近隊長になられたんですよね?」
『まぁ…そうですね』
修兵さんに淹れて貰ったお茶を飲みながら天貝隊長の話を聞く。というよりは天貝隊長の観察をする。判ったのは今の所一つ。この人は何だか不自然だ
「九番隊にはどうやって馴染まれたんですか?」
『僕元々九番隊の出なんで、只戻って来ただけって感じですね』
「そうなんですか?私はなかなか三番隊に馴染めなくて…まぁ最初よりは大分マシになったとは思うんですが……」
三番隊の隊士達が天貝隊長に不信感を抱いているというのは修兵さんが吉良から聞いた話だ。当初よりはマシになったとは聞いていたけど。
隣に座った修兵さんをさり気なく見れば彼は僅かに頷いた。新隊長と隊士達の間で吉良が板挟みになっているというのは本当らしい
『まぁ吉良達も時間は掛かるでしょうが認めてくれるでしょう』
「そうでしょうか…」
というかそれ以外に言い様がない。下手に何かを指摘する訳にもいかないし
「隊長、お代わり入りますか?」
『あ、お願いします』
新たに注がれたお茶を飲んでいればその様子を見ていた天貝隊長が口を開いた
「九番隊は仲が良いんですね」
それを聞いて修兵さんと顔を見合わせる
『まぁ五十年以上は一緒に居ますし』
「霊術院の先輩後輩ですし」
「そうなんですか?」
天貝隊長にこくりと頷く。
今考えるとずっと修兵さんのお世話になってるな。何時もありがとうございます、と小声で言えば此方こそ、と返された
「…あの…桜花隊長」
呼ばれて其方を見れば天貝隊長は真剣な顔。暫くして彼はゆっくりと口を開いた
「貴女は、護廷隊の連結を強めるべきだと思いませんか?」
『……連結?』
修兵さんも僅かに眉を寄せている。天貝隊長は連結について話し始める。対藍染に向けての隊の結束力の強化。これが合同演習を提案した理由か
『まぁ良い事なのかも知れませんが…基本的に他の隊長達がそれを良しとするかどうか…』
だって十一番隊とか十二番隊とか無理だろ。あの隊は絶対そういう考えを嫌う。恐らく全ての隊に二つ返事で連結しましょうは無理だろうな。ぶっちゃけうちの隊も割と独立してるし。まぁ合同任務なら良くやるけど
それにしても何故頑なに連結を推すのか。連結について語る彼の目に僅かな違和感を覚えた
『……どう思う?』
「天貝隊長には悪ぃが、胡散臭ぇ」
やっぱり修兵さんもそう思うか。まぁぱっと見良い人そうだけど。天貝隊長が去った隊首室で先程の様子について話し合う
「大体隊の結束なんざ各隊で出来てりゃ問題ねぇ。わざわざ横の結束力を訴える理由は何だ?」
隣に座った修兵さんが首を傾げる。つか十四隊全部で合同演習なんかやったら逆に混乱しそう。数ばっかり集めて演習したってとても効率的になるとは思えない。一隊だけで何人居ると思ってるんだあの人
新隊長の謎
(で?どうすんだよ隊長)
(んー……取り敢えずは様子見?)
『?何です?』
何時もの様にプチお茶会を開いていると総隊長が口を開いた。その様子に碁を打っていた修兵さんと雀部副隊長も顔を上げる
「三番隊の新しい隊長が決まったのじゃ」
『天貝隊長、ねぇ………』
正式な発表は来週。それを僕と修兵さんに先に伝えたのには何か意味はあるんだろうか
「…調べてみるか?」
『…そうしようかな…』
別に疑ってる訳じゃない。只何となく嫌な予感がする。僕のこの手の予感は外れた事がないから警戒しておくに越した事は無いだろう
「ほら、休憩だ。書類を置け隊長」
『え、あと一枚』
「あと一枚でお前は一時間引き延ばすからな。却下」
「三番隊の隊長に任命されました天貝です」
第一印象は優しそうな人。だが何となく嫌な感じだった。それは彼が隊長になって暫く経った今も変わらない。何故かと考えていれば隣が動く。背中に十四を背負ったそいつは身を屈めて僕に囁いた
「あいつ、何かあるで。気ぃ付けや」
『判ってる。今調べてるとこだよ』
そう返せば財前はさよか、と呟いた。身を起こした財前が副隊長の列に並んでいる藤堂さんに何かの指示を送る。つか今会議中。何勝手な行動取ってんのこいつ
副隊長の方を見ていれば修兵さんと目が合う。ど・う・し・た?と口パクで訊かれたので何でもないと首を横に振る。それが通じたらしい修兵さんが僅かに笑ってまた前を向いた。うん、意思疎通って便利
「では隊長のみ残り、副隊長は業務に励むのじゃ」
隊長の正式な御披露目が終わった為副隊長は業務に戻る。そのまま開かれる隊首会。通常通り滞りなく進んでいく中、奴が口を開いた
「総隊長、若輩者の私ですが一つ宜しいでしょうか?」
「申してみよ、天貝」
発言を許可された天貝に周りの視線が集まる。うん、嫌な予感
「合同演習を提案致します」
「桜花隊長」
『………何か?』
彼が来て暫く立ったある日
隊首会が終わり隊舎に戻ろうと歩いていれば声を掛けられた。余り馴染みのない声。振り向けば天貝隊長が立っていた
「これから時間はありますか?少しお話をお聞きしたくて」
僕から話す事なんて何もないんだが。断ろうにも目の前のこの男に引く気配はない。どうしようかと悩んでいるとふと近くに感じ慣れた霊圧を感知。此方に近付いて来る
『うちの副隊長も一緒で良いのなら』
「桜花隊長は最近隊長になられたんですよね?」
『まぁ…そうですね』
修兵さんに淹れて貰ったお茶を飲みながら天貝隊長の話を聞く。というよりは天貝隊長の観察をする。判ったのは今の所一つ。この人は何だか不自然だ
「九番隊にはどうやって馴染まれたんですか?」
『僕元々九番隊の出なんで、只戻って来ただけって感じですね』
「そうなんですか?私はなかなか三番隊に馴染めなくて…まぁ最初よりは大分マシになったとは思うんですが……」
三番隊の隊士達が天貝隊長に不信感を抱いているというのは修兵さんが吉良から聞いた話だ。当初よりはマシになったとは聞いていたけど。
隣に座った修兵さんをさり気なく見れば彼は僅かに頷いた。新隊長と隊士達の間で吉良が板挟みになっているというのは本当らしい
『まぁ吉良達も時間は掛かるでしょうが認めてくれるでしょう』
「そうでしょうか…」
というかそれ以外に言い様がない。下手に何かを指摘する訳にもいかないし
「隊長、お代わり入りますか?」
『あ、お願いします』
新たに注がれたお茶を飲んでいればその様子を見ていた天貝隊長が口を開いた
「九番隊は仲が良いんですね」
それを聞いて修兵さんと顔を見合わせる
『まぁ五十年以上は一緒に居ますし』
「霊術院の先輩後輩ですし」
「そうなんですか?」
天貝隊長にこくりと頷く。
今考えるとずっと修兵さんのお世話になってるな。何時もありがとうございます、と小声で言えば此方こそ、と返された
「…あの…桜花隊長」
呼ばれて其方を見れば天貝隊長は真剣な顔。暫くして彼はゆっくりと口を開いた
「貴女は、護廷隊の連結を強めるべきだと思いませんか?」
『……連結?』
修兵さんも僅かに眉を寄せている。天貝隊長は連結について話し始める。対藍染に向けての隊の結束力の強化。これが合同演習を提案した理由か
『まぁ良い事なのかも知れませんが…基本的に他の隊長達がそれを良しとするかどうか…』
だって十一番隊とか十二番隊とか無理だろ。あの隊は絶対そういう考えを嫌う。恐らく全ての隊に二つ返事で連結しましょうは無理だろうな。ぶっちゃけうちの隊も割と独立してるし。まぁ合同任務なら良くやるけど
それにしても何故頑なに連結を推すのか。連結について語る彼の目に僅かな違和感を覚えた
『……どう思う?』
「天貝隊長には悪ぃが、胡散臭ぇ」
やっぱり修兵さんもそう思うか。まぁぱっと見良い人そうだけど。天貝隊長が去った隊首室で先程の様子について話し合う
「大体隊の結束なんざ各隊で出来てりゃ問題ねぇ。わざわざ横の結束力を訴える理由は何だ?」
隣に座った修兵さんが首を傾げる。つか十四隊全部で合同演習なんかやったら逆に混乱しそう。数ばっかり集めて演習したってとても効率的になるとは思えない。一隊だけで何人居ると思ってるんだあの人
新隊長の謎
(で?どうすんだよ隊長)
(んー……取り敢えずは様子見?)