『という訳で海に行きますよ檜佐木さん』

「悪ぃ隊長。俺エスパーじゃねぇから説明して貰わねぇと判んねぇわ」

挙手した修兵さんに説明を一切していなかった事を思い出す。ごめん修兵さん忘れてた

「何で海に?」

そもそもこの海企画の発端は乱菊さん。何でも乱菊さんが海に行きたいって言い出してそれに乗った人数が多かった為行こうって話になったらしい

「またあの人が発端か」

『てか何時も発端じゃない?』

何かあると大抵乱菊さんはそれに絡んでいる気がする。あれか、厄介事好きなタイプか

「で?何時やんだよそれ」

『明日』

「急だなおい」

『僕もさっき知らされた』

さっき隊首室に来た乱菊さんが明日海に行くから用意しておいてねー!修兵にも言っといて!と言って来たので初めて知った。ほんと台風みたいだなあの人












『………溶ける……』

「大丈夫か独月」

修兵さんに渡された棒アイスを礼を言って受け取る。近くに座る日番谷隊長もかき氷食べながらばててる
僕と日番谷隊長を見た修兵さんが納得した様に言った

「氷雪系って夏に弱いんだな」

『いや…多分個人差がある』

現に同じ氷雪系のルキアは太陽の下で遊んでる。多分僕と日番谷隊長が夏に弱いだけだ。

「何であんなに元気なんだ…」

日番谷隊長がげんなりした様子で皆を見てる。
視界の端で斑目さんと黒崎と赤犬が砂の山に突っ込んだ。何してんのあいつら。暫く見ていれば草鹿副隊長が蟹を手に持って奴等に近付いた。そのまま蟹を赤い褌の中に入れる

「うわ、あれは嫌だな」

ぎゃーぎゃー騒ぐ斑目さんを見ながら修兵さんが呟いた。そして炭酸飲料を口にする。

『……それにしても暑い…』

水着の上から着ているパーカーをぱたぱたしていれば修兵さんにペットボトルを渡された

「水分補給はしろよ。陰にいても熱中症になっちまうからな」

『ん。ありがと』

冷えたペットボトルを首に当てていれば急に修兵さんが噴き出した。
何だと修兵さんを見れば彼はぷるぷる震えながら指を差す。見れば浮竹隊長が埋められていた

「……何だアレは」

『…花が供えられてますね』

寝ているらしい浮竹隊長の周りに砂の花
非常に言いにくいが献花に見える。何だあれ。あの状況を作った二人は言い争いながらまだ何かを作っていた。何故ああなったのかは知らないが取り敢えず浮竹隊長が起きる前に崩した方が良いと思う
他に目を移すと朽木兄妹が何かを作っていた

『……ワカメ大使』

「は?……ぶふっ」

無言で指を差せばそれを見た修兵さんが噴き出した。日番谷隊長は何だアレはと目を細める。何かへにゃへにゃしたうさぎとワカメの砂の像。それを真剣に作っているのが朽木兄妹だからシュール過ぎて笑える。何でアレをチョイスしたんだ二人共。そのセンス何。変な所似てるなあの兄妹。つかワカメ大使って何だ。何故大使。ワカメ普及活動でもしてんのか

『………修兵さん?』

視界に入った乱菊さんと井上さんに目を向ければ視界が真っ暗になった。目を塞がれたらしい。首を傾げれば直ぐ上から修兵さんの声

「見んな独月教育に悪ぃ」

教育ってあんたは僕の親か。つかそれなら僕より日番谷隊長の目を塞いだ方が良いんじゃないか。あ、そんな事したら凍らされるか

「アイス溶けちまうぞ」

『あ』

慌てて食べると修兵さんが笑う。タンクトップをぱたぱたしている修兵さんに氷で作った扇子を渡せば頭を撫でられた。
暑いので周りを凍らせていると修兵さんにバテない程度にしろよと言われた。周りが凍ったお陰で涼しい

「悪いな桜花」

『いえ、僕も暑かったんで』

修兵さんがぱたぱたと扇いでくれる。涼しい。飲み物を飲めば身体も内側から冷えて大分涼しくなった

『ありがとう修兵さん』

「もう良いのか?」

『ん』

頷けばそうか、と修兵さんが笑った













「暑さも引いたし、少し歩かねぇか?」

『ん』

修兵さんに手を引かれ浜辺を歩く。夕日が傾く今の時間帯ならそんなに暑くない

「お前殆ど何もしてねぇけど面白かったか?」

『見てるのも楽しいよ』

それに殆ど座って涼んでたのは修兵さんと日番谷隊長も同じだし。修兵さんこそ遊ばなくても良かったのか

「今から遊ぶから良いんだよっ!」

『うわっ』

修兵さんにばしゃりと水を掛けられた。冷たい。はははと笑う修兵さんに水を掛け返す

「うおっ!やりやがったな!」

『先にやったのは修兵さんだ』

そのまま何故か水の掛け合いへと発展した。
いや先にやったのは修兵さんだから負けたくないってのはあるけど。てか滅茶苦茶掛かって来るから目が開けられない。彼方はぎゃーぎゃー言ってるから多分掛かってるんだろうけど

『はぁ……つ…疲れた…っ』

「俺も……っ」

取り敢えず疲れたので手を止める。つか隊長と副隊長が全力で水遊びってどうなの。非常に阿呆らしいが

「……楽しかっただろ?」

ぽんと頭に手を置かれる。見上げればにっと笑った修兵さん。
まさか遊んでない僕に気を遣って?

『………ありがとう』

「どーいたしまして」

何となく恥ずかしくて俯けばくしゃくしゃと髪を掻き回された。

「さて、もう少し歩いてから戻るか」

『ん』



Memories in the sea



(パーカーびっしょり)

(後で俺の貸してやるからまだ着てろよ)

(何故)

(男は狼なんだぞ?危ねぇだろ)

(修兵パパ過保護)

(オイコラパパは止めろや)

(じゃあ修兵お兄ちゃん)

(まだそっちが良い)