69
「独月、お前明日には退院出来るって」
『ほんと?』
「俺がお前に嘘なんか吐くかよ」
林檎を剥きながら修兵さんが笑う。目が覚めて三日。異常は見付からないので明日から復帰しても良いらしい
「ほら」
『ありがとう』
切り終わった林檎の並べられた皿がテーブルに乗せられた。暇だったのか切られた形は所謂うさぎ林檎。厳つい顔がうさぎ型に林檎を切っていくもんだから噴き出さない様に必死だった。いやだってシュール過ぎる。これ阿散井が見たら絶対笑う
爪楊枝を刺して差し出された林檎を受け取る。かじれば甘い味が広がった
「そういえばお前に伝えんの忘れてたんだけどさ」
『ん?』
しゃくしゃくと林檎を食べていれば修兵さんが口を開いた
「うちの隊、隊士増えたから」
「オラァ弱過ぎだテメーらぁ!!」
「すみませんアニキッ!!」
『………え?』
何だこれ。
思わずガン見すれば修兵さんに頭を撫でられた
「あの人六車拳西って人」
『あ、そう………じゃなくて』
あの人何?何でうちの隊士達ヤンキーっぽくなってんの?つか霊圧半端ないんだけどあの人
「前に言ったろ。俺が憧れてる人」
そう言った修兵さんが自分の左頬を指した。もしかして小さい時に助けてくれたっていう人?そう訊けばこくりと頷かれる
「んで、110年前の九番隊隊長らしい」
『え、マジで』
思わず聞き返してガッツポーズ。だったら隊長代わって貰えるんじゃね?六車って人もこんな弱い奴の部下なんか嫌だろうし
「言っとくけどあの人うちの隊の三席だから」
『………え?』
修兵さんを思わず二度見
何で元隊長が三席?そう訊けば修兵さんが至って当然だという様に口を開く
「国後も三席のままだから実質うちの隊は十三番隊みたいに三席が二人になった」
『いやいやいやいや』
「あ?何だよ」
何だよじゃないわ。訊きたいのはそれじゃないし。何で元隊長が三席なんだよ。普通そこは僕と交代して隊長やるべきだろ
「あの人も納得済みだし、俺はお前が良い」
『………は?』
何言ってんだこいつという目で見ればデコピンされた
いやほんと何言ってんの修兵さん。あんたも憧れの人が隊長の方が良かろうに
「俺の隊長はお前だ。もし拳西さんに九番隊を譲る気なら俺はお前を斬ってでも止める」
『ぼ、暴力反対……』
何その横暴さ。何で刀抜いちゃうかな修兵さん。目が本気過ぎてかなり怖い。眉間の皺がヤバいですよ修兵さん。てか目が覚めたばかりの上司をまた入院させる気か
「なら馬鹿な考えは止めとけ」
馬鹿な考えは修兵さんな気がするんだが。でもそんな事言ったら後が怖い。絶対説教かまされる
仕方無く頷いていれば銀髪の人が此方に来た。何か近くで見たら益々厳つい。え、超見られてる何これ喧嘩売られてる?
「修兵、こいつが隊長か?」
「はい。…おら隊長、挨拶」
修兵さんに肘でつつかれて慌てて背筋を伸ばす。何か隊長としての威厳ゼロだな僕。いや元から威厳なんてないけどさ
『九番隊隊長桜花独月です』
「ちいせぇなぁ……」
頭をがっしりと掴まれる。何故。僕の頭はボールじゃないぞ。ぼんやりと見ていると急にその手がわしわしと動いた。同時に頭も揺すられる。え、何してんのこの人何で僕の頭揺すってんの。あれか、僕の頭をシャッフルしたいのか。脳味噌駄目にしたいのか。そんなに僕が嫌か
「拳西さん、それじゃ隊長の頭揺すってるだけです。撫でてません」
「あ?充分撫でてんだろうが」
え、撫でようとしてんのこれ。つか撫でてるつもりなのこれ。僕てっきり嫌がらせなんだと思ってたんだけど
「や、撫でるっていうのは頭掴んで揺らす事じゃないっす」
「………じゃあテメーやってみろ」
眉を寄せた六車さんが僕の頭から手を離した。
代わりに修兵さんが僕の頭に手を乗せる
「先ずは力を入れずに頭の上に手を置いて」
そのまま頭の上の手が優しく動き出した
「こうやって頭の上で手を滑らせます」
六車さんがその手の動きをじっと見ていた。つか頭撫でるレクチャーとか初めて見た。そこまでして僕の頭を撫でる必要はないと思うんだが
「じゃ、どうぞ」
いやどうぞってのもどうなんだろう。
修兵さんが僕から手を離し、代わりに再び六車さんの手が頭に乗った。
修兵さんのレクチャーのお陰か先程の様に頭を鷲掴みされはしなかった。
「………こうか?」
そのまま少しぎこちない動きで頭を撫でられる。修兵さんのとは違う大きくて力強い手だ
「そうです。そんな感じ」
「……ほんとちいせぇなこいつ…」
『……僕より小さい隊長居ますからね』
日番谷隊長とか。隊長じゃなくても草鹿副隊長とかルキアも僕より小さい。てか周りが大き過ぎるんだ。乱菊さんなんか170あるし
「俺は六車拳西。元九番隊隊長だ」
僕の頭に手を置いたまま六車さんがそう言った。
「本日より九番隊三席に就任する。宜しく頼むぜ、隊長」
にやりと笑った六車さんの笑みが修兵さんのそれと被った
『…宜しくお願いします、拳西さん』
そう返せば二人がにっと笑った
仲間が増えました
(おっしじゃあ手合わせすんぞ隊長!)
(え、マジで)
(おー、俺も見たいからやれ隊長)
(……檜佐木さんの裏切り者…)
『ほんと?』
「俺がお前に嘘なんか吐くかよ」
林檎を剥きながら修兵さんが笑う。目が覚めて三日。異常は見付からないので明日から復帰しても良いらしい
「ほら」
『ありがとう』
切り終わった林檎の並べられた皿がテーブルに乗せられた。暇だったのか切られた形は所謂うさぎ林檎。厳つい顔がうさぎ型に林檎を切っていくもんだから噴き出さない様に必死だった。いやだってシュール過ぎる。これ阿散井が見たら絶対笑う
爪楊枝を刺して差し出された林檎を受け取る。かじれば甘い味が広がった
「そういえばお前に伝えんの忘れてたんだけどさ」
『ん?』
しゃくしゃくと林檎を食べていれば修兵さんが口を開いた
「うちの隊、隊士増えたから」
「オラァ弱過ぎだテメーらぁ!!」
「すみませんアニキッ!!」
『………え?』
何だこれ。
思わずガン見すれば修兵さんに頭を撫でられた
「あの人六車拳西って人」
『あ、そう………じゃなくて』
あの人何?何でうちの隊士達ヤンキーっぽくなってんの?つか霊圧半端ないんだけどあの人
「前に言ったろ。俺が憧れてる人」
そう言った修兵さんが自分の左頬を指した。もしかして小さい時に助けてくれたっていう人?そう訊けばこくりと頷かれる
「んで、110年前の九番隊隊長らしい」
『え、マジで』
思わず聞き返してガッツポーズ。だったら隊長代わって貰えるんじゃね?六車って人もこんな弱い奴の部下なんか嫌だろうし
「言っとくけどあの人うちの隊の三席だから」
『………え?』
修兵さんを思わず二度見
何で元隊長が三席?そう訊けば修兵さんが至って当然だという様に口を開く
「国後も三席のままだから実質うちの隊は十三番隊みたいに三席が二人になった」
『いやいやいやいや』
「あ?何だよ」
何だよじゃないわ。訊きたいのはそれじゃないし。何で元隊長が三席なんだよ。普通そこは僕と交代して隊長やるべきだろ
「あの人も納得済みだし、俺はお前が良い」
『………は?』
何言ってんだこいつという目で見ればデコピンされた
いやほんと何言ってんの修兵さん。あんたも憧れの人が隊長の方が良かろうに
「俺の隊長はお前だ。もし拳西さんに九番隊を譲る気なら俺はお前を斬ってでも止める」
『ぼ、暴力反対……』
何その横暴さ。何で刀抜いちゃうかな修兵さん。目が本気過ぎてかなり怖い。眉間の皺がヤバいですよ修兵さん。てか目が覚めたばかりの上司をまた入院させる気か
「なら馬鹿な考えは止めとけ」
馬鹿な考えは修兵さんな気がするんだが。でもそんな事言ったら後が怖い。絶対説教かまされる
仕方無く頷いていれば銀髪の人が此方に来た。何か近くで見たら益々厳つい。え、超見られてる何これ喧嘩売られてる?
「修兵、こいつが隊長か?」
「はい。…おら隊長、挨拶」
修兵さんに肘でつつかれて慌てて背筋を伸ばす。何か隊長としての威厳ゼロだな僕。いや元から威厳なんてないけどさ
『九番隊隊長桜花独月です』
「ちいせぇなぁ……」
頭をがっしりと掴まれる。何故。僕の頭はボールじゃないぞ。ぼんやりと見ていると急にその手がわしわしと動いた。同時に頭も揺すられる。え、何してんのこの人何で僕の頭揺すってんの。あれか、僕の頭をシャッフルしたいのか。脳味噌駄目にしたいのか。そんなに僕が嫌か
「拳西さん、それじゃ隊長の頭揺すってるだけです。撫でてません」
「あ?充分撫でてんだろうが」
え、撫でようとしてんのこれ。つか撫でてるつもりなのこれ。僕てっきり嫌がらせなんだと思ってたんだけど
「や、撫でるっていうのは頭掴んで揺らす事じゃないっす」
「………じゃあテメーやってみろ」
眉を寄せた六車さんが僕の頭から手を離した。
代わりに修兵さんが僕の頭に手を乗せる
「先ずは力を入れずに頭の上に手を置いて」
そのまま頭の上の手が優しく動き出した
「こうやって頭の上で手を滑らせます」
六車さんがその手の動きをじっと見ていた。つか頭撫でるレクチャーとか初めて見た。そこまでして僕の頭を撫でる必要はないと思うんだが
「じゃ、どうぞ」
いやどうぞってのもどうなんだろう。
修兵さんが僕から手を離し、代わりに再び六車さんの手が頭に乗った。
修兵さんのレクチャーのお陰か先程の様に頭を鷲掴みされはしなかった。
「………こうか?」
そのまま少しぎこちない動きで頭を撫でられる。修兵さんのとは違う大きくて力強い手だ
「そうです。そんな感じ」
「……ほんとちいせぇなこいつ…」
『……僕より小さい隊長居ますからね』
日番谷隊長とか。隊長じゃなくても草鹿副隊長とかルキアも僕より小さい。てか周りが大き過ぎるんだ。乱菊さんなんか170あるし
「俺は六車拳西。元九番隊隊長だ」
僕の頭に手を置いたまま六車さんがそう言った。
「本日より九番隊三席に就任する。宜しく頼むぜ、隊長」
にやりと笑った六車さんの笑みが修兵さんのそれと被った
『…宜しくお願いします、拳西さん』
そう返せば二人がにっと笑った
仲間が増えました
(おっしじゃあ手合わせすんぞ隊長!)
(え、マジで)
(おー、俺も見たいからやれ隊長)
(……檜佐木さんの裏切り者…)