安穏か、戦闘か
藍染と戦い彼を見事打ち倒した死神代行黒崎一護はとんでもない代償を支払ったらしい
自らの霊圧……この場合では霊力?の消失を引き換えに藍染を倒した、と
少しずつ失われていくその力に阿散井やルキア、黒崎と関わった者達は辛そうな顔をした。まぁあの二人は特に黒崎と仲が良かったから余計に何も出来ないのは辛いだろう
『………檜佐木さん』
「ん?」
『こうは考えないのかな。黒崎はもう危険な目に遭わなくて済む、って』
「……そう考えるのは俺とお前ぐらいだろうな」
書類に目を通していた修兵さんが顔を上げた。
「確かに黒崎一護から霊力そのものがなくなればもう虚にも襲われねぇし、戦って傷付く事もねぇだろう」
『なら何で皆力がなくなる事を喜ばない?確かに黒崎が霊力を失うのは藍染を止められなかった僕達護廷隊の責任だ。でもそれで黒崎が死神代行から解放されてもう安全な日常に戻れるなら、それはそれで喜ぶべき事なんじゃないの?』
僕の問いに修兵さんが難しい顔をした。
霊力消失の事を知った阿散井達はどうすれば霊力を失わずに済むのか真剣に探していた。
何でそこまでして現世に生きる人間に固執するのか。そこまでして黒崎にまた戦わせたいのか。完全に僕の理解の外だ
「んー………なら、俺で例えてみるか」
『………修兵さんで?』
おう、と言った修兵さんが執務机から離れた。ソファに座り隣をぽんぽんと叩く。隣に座れば頭を撫でてくれた
「例えば俺が敵を倒す為に霊力全てを引き換えにしたとする。そしたらお前はどうする?」
『僕の霊力を分ける』
「即答かよ。……まぁそれと同じだ」
『………同じ?』
首を傾げればこくりと修兵さんが頷く
「お前はさ、何で俺に霊力を分けるって選択をした?」
『修兵さんは護りたがりだから』
護られる事よりも護る事を望む。それを知っているから僕は直ぐにその考えに至った
「流石に俺の事良く判ってんな。…なら黒崎も俺と同じだって言えば判るな?」
『護りたがり?』
「そ。護りたがり」
僕の頭を撫でながら修兵さんはお茶を飲んだ。
護りたがりなのかあの人
「自分の手の届く範囲に居る奴は全部護りてぇ。んな事考えてる奴が戦う力を失って喜ぶと思うか?」
『……思わ、ない』
「だろ?だからあいつを良く知る奴はこの事態を喜べねぇんだ。奴が奴らしく居る為にも、戦う力は必要だろうからな」
『……ふーん…』
なら僕の考えは間違っていたのか。じゃあ戦わなくて済むっていうのは酷な事だったんだろうか
「まぁ、お前の考えも間違っちゃいねぇよ」
『………何故?』
「まぁ正解も何もねぇし、正直戦わせずに済むのなら其方が良いのかも知れねぇ」
命は一個しかねぇしな、と修兵さんが呟いた。
「けどそいつの意志をねじ曲げてまで戦いから引き離す事もねぇ。戦う事でそいつが何かを護ってんなら尚更な。……要はそいつがそいつらしく生きられるかって事だ」
『……その人らしく…』
「…考えに間違いなんざねぇんだ。好きなだけ悩みな。んで重たくなる前に俺に言え」
僕の頭をぽんぽんと撫でて修兵さんが立ち上がった
「良し休憩終わり。仕事するぞ隊長」
『ん。…話聞いてくれてありがと檜佐木さん』
「どーいたしまして。寧ろもっと頼れ」
『もう充分頼ってる』
そう言えば修兵さんは首を横に振った
「この程度は頼ってる内に入らねぇの」
『何故。つかこれ以上頼ったら僕が駄目人間になる』
「良いよ。駄目人間になってそんでもっと頼れ。俺頼られたがりだから」
『何だそれ』
そう言って二人で笑った。
力は持つべきか持たざるべきか
(頼られたがりってまた変な病気)
(病気じゃねぇよ)
自らの霊圧……この場合では霊力?の消失を引き換えに藍染を倒した、と
少しずつ失われていくその力に阿散井やルキア、黒崎と関わった者達は辛そうな顔をした。まぁあの二人は特に黒崎と仲が良かったから余計に何も出来ないのは辛いだろう
『………檜佐木さん』
「ん?」
『こうは考えないのかな。黒崎はもう危険な目に遭わなくて済む、って』
「……そう考えるのは俺とお前ぐらいだろうな」
書類に目を通していた修兵さんが顔を上げた。
「確かに黒崎一護から霊力そのものがなくなればもう虚にも襲われねぇし、戦って傷付く事もねぇだろう」
『なら何で皆力がなくなる事を喜ばない?確かに黒崎が霊力を失うのは藍染を止められなかった僕達護廷隊の責任だ。でもそれで黒崎が死神代行から解放されてもう安全な日常に戻れるなら、それはそれで喜ぶべき事なんじゃないの?』
僕の問いに修兵さんが難しい顔をした。
霊力消失の事を知った阿散井達はどうすれば霊力を失わずに済むのか真剣に探していた。
何でそこまでして現世に生きる人間に固執するのか。そこまでして黒崎にまた戦わせたいのか。完全に僕の理解の外だ
「んー………なら、俺で例えてみるか」
『………修兵さんで?』
おう、と言った修兵さんが執務机から離れた。ソファに座り隣をぽんぽんと叩く。隣に座れば頭を撫でてくれた
「例えば俺が敵を倒す為に霊力全てを引き換えにしたとする。そしたらお前はどうする?」
『僕の霊力を分ける』
「即答かよ。……まぁそれと同じだ」
『………同じ?』
首を傾げればこくりと修兵さんが頷く
「お前はさ、何で俺に霊力を分けるって選択をした?」
『修兵さんは護りたがりだから』
護られる事よりも護る事を望む。それを知っているから僕は直ぐにその考えに至った
「流石に俺の事良く判ってんな。…なら黒崎も俺と同じだって言えば判るな?」
『護りたがり?』
「そ。護りたがり」
僕の頭を撫でながら修兵さんはお茶を飲んだ。
護りたがりなのかあの人
「自分の手の届く範囲に居る奴は全部護りてぇ。んな事考えてる奴が戦う力を失って喜ぶと思うか?」
『……思わ、ない』
「だろ?だからあいつを良く知る奴はこの事態を喜べねぇんだ。奴が奴らしく居る為にも、戦う力は必要だろうからな」
『……ふーん…』
なら僕の考えは間違っていたのか。じゃあ戦わなくて済むっていうのは酷な事だったんだろうか
「まぁ、お前の考えも間違っちゃいねぇよ」
『………何故?』
「まぁ正解も何もねぇし、正直戦わせずに済むのなら其方が良いのかも知れねぇ」
命は一個しかねぇしな、と修兵さんが呟いた。
「けどそいつの意志をねじ曲げてまで戦いから引き離す事もねぇ。戦う事でそいつが何かを護ってんなら尚更な。……要はそいつがそいつらしく生きられるかって事だ」
『……その人らしく…』
「…考えに間違いなんざねぇんだ。好きなだけ悩みな。んで重たくなる前に俺に言え」
僕の頭をぽんぽんと撫でて修兵さんが立ち上がった
「良し休憩終わり。仕事するぞ隊長」
『ん。…話聞いてくれてありがと檜佐木さん』
「どーいたしまして。寧ろもっと頼れ」
『もう充分頼ってる』
そう言えば修兵さんは首を横に振った
「この程度は頼ってる内に入らねぇの」
『何故。つかこれ以上頼ったら僕が駄目人間になる』
「良いよ。駄目人間になってそんでもっと頼れ。俺頼られたがりだから」
『何だそれ』
そう言って二人で笑った。
力は持つべきか持たざるべきか
(頼られたがりってまた変な病気)
(病気じゃねぇよ)