入りました
『……お爺ちゃん、お婆ちゃん』
「どうしたの、独ちゃん」
丁度二人がお茶を飲んでいる時に、僕は言った
『霊術院に入ろうと、思います』
お爺ちゃんとお婆ちゃんと話し合いをして、試験を受ける事になった。
二人と話をしてから修兵さんと試験に向けて勉強をした。物凄くスパルタ。うん、通常運行。
それから数週間後に筆記試験と実技(白打を少し)をした。
実技の時に先生を思いきり蹴飛ばしてしまったから、もしかしたら落ちたんじゃないかと不安になったけど
『……あ』
「良し」
家に届いた封筒を開封して、修兵さんと共に見る。
出てきたのは、合格通知。
「あの先公蹴飛ばしたからだな、良かった良かった」
『……ちがうと、思う』
そういえば、あの日僕が蹴飛ばし壁に叩き付けてしまったのは、修兵さんが嫌いな先生だったらしい。その人の特徴を挙げると修兵さんは笑い過ぎて転がっていた。
良くやったと頭を撫でられたが、ぶっちゃけやらかしたと思うんだ、僕は。
「おー、さっすが独月。首席合格か」
『……がんばった』
「そうだな。偉い偉い」
よしよしと頭を撫でられ、何だか擽ったい気持ちになる。ほんとは子供扱いするなと言ってやりたいのだけれど、嫌じゃないからまぁ良いか。
頬を緩める僕を見つめながら、修兵さんは聞き捨てならない事を言った
「新入生代表頑張れよ、独月チャン?」
……ちょっと待て、新入生代表?
『…なにそれ』
訊ねれば修兵さんはきょとんとした顔で返答する
「あ?言ってなかったっけ、首席は入学式の時に新入生代表として挨拶するんだぜ」
『……うえ』
なにそれ嫌だ。拷問か?
僕は見ての通り人見知り。慣れた人の前でしか喋れない。というか慣れた人の前でもどもる。
こんな駄目人間に代表で挨拶しろと?
無理無理そんな事したら僕死んじゃう。
恐らく今遠い目をしているであろう僕の頭を撫でた修兵さんが苦笑した
「んー…やっぱお前にはハードル高いか。良し、一緒に新入生代表外して下さいって言いに行くか」
『…できるの?』
「こう見えて俺凄ぇんだぜ?やってやるさ」
にっと笑った修兵さんが何時になく頼もしく見えたのは、言うまでもない
修兵さんのお陰で見事、新入生代表という拷問は回避出来た。
ありがたやと拝めば俺は地蔵かと髪をぐしゃぐしゃにされた。ぶっちゃけ僕達って魂魄だから似た様なもんだと思う。
『ふぁあ…』
只今入学式。
でも朝からつらつらと念仏みたいな歓迎の言葉を聞き続ける自信はなくて、自主早退した。
今は会場の近くの木の下で涼んでいる
『………』
顔の左側をほぼ覆い隠している眼帯に触れる。
これはお爺ちゃんとお婆ちゃんが、僕の霊術院入りが決まった時にくれた物だ。
昔から僕の目は左右で色が違う。
右目が青で、左目が紫だ。
それだけならまだ良い。僕の左目の瞳孔は、蛇の様に縦に裂けている。
ぶっちゃけこの時点で十分気味が悪いのに、左目の下に桜の様な痣があった。物心ついた頃から認識しているこの風貌は、薄気味悪いと周りから嫌われるものだと自覚している。
別にもう慣れてしまったけれど、喜んで誰かに見せたいものでもない。
だからこの大きさの眼帯を二人から貰った時は、凄く嬉しかった
『……?』
ざり、と地面を踏み締める音が聞こえてきた。少し遠くから聞こえるそれは、一直線に此方に向かってくる。
さて誰だろう。先生か、生徒か……ああ、あの人か。
霊圧を探るのを止めて音の方に目を向けた時、呆れた様な声が上から降ってきた
「なんだ、入学式居ねぇと思ったらこんな所でサボってやがったのか」
『…修兵さん』
黒髪を風に靡かせる彼の名を口にした。
因みに発音はしっかりしてる。何時までもしゅーへーさんと呼んでいては、頼ってばかりな気がしたから。や、ほんと精神面での些細な違いにしかならないんだけども。
寝転がっていた身を起こせば、チョーカーの鈴がちりんと鳴った。
その音で、ああ首輪してたなと思い出す。決して自分で着けた訳じゃない。着けられたのだ、修兵さんに。
猫じゃあるまいし嫌だと言っても迷子防止だとかで強制的に着けられた。
お陰で首輪を嫌がる猫の気分が味わえた。そんな必要ないのに。全くもって要らない経験である。
隣に座った修兵さんは僕の髪を梳く様に撫でた
「入学おめでとさん」
『……ありがとう』
「何かあったら言えよ。飛んでくるから」
『ん…頼りにしてる』
絶対に何かあっても言わん。
だってこの人脅しそうだし。只でさえクラスで浮くだろう僕の味方が優等生らしい檜佐木修兵とか、本気で友達出来なくなる気がする
合格しました
(……言う気ねぇだろ)
(……気のせい…(何故バレた))
執筆訂正
20140314
「どうしたの、独ちゃん」
丁度二人がお茶を飲んでいる時に、僕は言った
『霊術院に入ろうと、思います』
お爺ちゃんとお婆ちゃんと話し合いをして、試験を受ける事になった。
二人と話をしてから修兵さんと試験に向けて勉強をした。物凄くスパルタ。うん、通常運行。
それから数週間後に筆記試験と実技(白打を少し)をした。
実技の時に先生を思いきり蹴飛ばしてしまったから、もしかしたら落ちたんじゃないかと不安になったけど
『……あ』
「良し」
家に届いた封筒を開封して、修兵さんと共に見る。
出てきたのは、合格通知。
「あの先公蹴飛ばしたからだな、良かった良かった」
『……ちがうと、思う』
そういえば、あの日僕が蹴飛ばし壁に叩き付けてしまったのは、修兵さんが嫌いな先生だったらしい。その人の特徴を挙げると修兵さんは笑い過ぎて転がっていた。
良くやったと頭を撫でられたが、ぶっちゃけやらかしたと思うんだ、僕は。
「おー、さっすが独月。首席合格か」
『……がんばった』
「そうだな。偉い偉い」
よしよしと頭を撫でられ、何だか擽ったい気持ちになる。ほんとは子供扱いするなと言ってやりたいのだけれど、嫌じゃないからまぁ良いか。
頬を緩める僕を見つめながら、修兵さんは聞き捨てならない事を言った
「新入生代表頑張れよ、独月チャン?」
……ちょっと待て、新入生代表?
『…なにそれ』
訊ねれば修兵さんはきょとんとした顔で返答する
「あ?言ってなかったっけ、首席は入学式の時に新入生代表として挨拶するんだぜ」
『……うえ』
なにそれ嫌だ。拷問か?
僕は見ての通り人見知り。慣れた人の前でしか喋れない。というか慣れた人の前でもどもる。
こんな駄目人間に代表で挨拶しろと?
無理無理そんな事したら僕死んじゃう。
恐らく今遠い目をしているであろう僕の頭を撫でた修兵さんが苦笑した
「んー…やっぱお前にはハードル高いか。良し、一緒に新入生代表外して下さいって言いに行くか」
『…できるの?』
「こう見えて俺凄ぇんだぜ?やってやるさ」
にっと笑った修兵さんが何時になく頼もしく見えたのは、言うまでもない
修兵さんのお陰で見事、新入生代表という拷問は回避出来た。
ありがたやと拝めば俺は地蔵かと髪をぐしゃぐしゃにされた。ぶっちゃけ僕達って魂魄だから似た様なもんだと思う。
『ふぁあ…』
只今入学式。
でも朝からつらつらと念仏みたいな歓迎の言葉を聞き続ける自信はなくて、自主早退した。
今は会場の近くの木の下で涼んでいる
『………』
顔の左側をほぼ覆い隠している眼帯に触れる。
これはお爺ちゃんとお婆ちゃんが、僕の霊術院入りが決まった時にくれた物だ。
昔から僕の目は左右で色が違う。
右目が青で、左目が紫だ。
それだけならまだ良い。僕の左目の瞳孔は、蛇の様に縦に裂けている。
ぶっちゃけこの時点で十分気味が悪いのに、左目の下に桜の様な痣があった。物心ついた頃から認識しているこの風貌は、薄気味悪いと周りから嫌われるものだと自覚している。
別にもう慣れてしまったけれど、喜んで誰かに見せたいものでもない。
だからこの大きさの眼帯を二人から貰った時は、凄く嬉しかった
『……?』
ざり、と地面を踏み締める音が聞こえてきた。少し遠くから聞こえるそれは、一直線に此方に向かってくる。
さて誰だろう。先生か、生徒か……ああ、あの人か。
霊圧を探るのを止めて音の方に目を向けた時、呆れた様な声が上から降ってきた
「なんだ、入学式居ねぇと思ったらこんな所でサボってやがったのか」
『…修兵さん』
黒髪を風に靡かせる彼の名を口にした。
因みに発音はしっかりしてる。何時までもしゅーへーさんと呼んでいては、頼ってばかりな気がしたから。や、ほんと精神面での些細な違いにしかならないんだけども。
寝転がっていた身を起こせば、チョーカーの鈴がちりんと鳴った。
その音で、ああ首輪してたなと思い出す。決して自分で着けた訳じゃない。着けられたのだ、修兵さんに。
猫じゃあるまいし嫌だと言っても迷子防止だとかで強制的に着けられた。
お陰で首輪を嫌がる猫の気分が味わえた。そんな必要ないのに。全くもって要らない経験である。
隣に座った修兵さんは僕の髪を梳く様に撫でた
「入学おめでとさん」
『……ありがとう』
「何かあったら言えよ。飛んでくるから」
『ん…頼りにしてる』
絶対に何かあっても言わん。
だってこの人脅しそうだし。只でさえクラスで浮くだろう僕の味方が優等生らしい檜佐木修兵とか、本気で友達出来なくなる気がする
合格しました
(……言う気ねぇだろ)
(……気のせい…(何故バレた))
執筆訂正
20140314