穏やかな朝
温かい。真正面から包まれている。何だろうこれ、毛布とはまた違う、安心出来る温かさ
『……ん…』
目を開けると視界一杯に肌色が映った。数回瞬きをしてぼんやりとした頭を働かせる。
視線を少し上にやると銀色のペンダントが見えた。最近良く見るこれは修兵さんの胸元で揺れていた筈
更に視線を上げると喉仏が見えた。そこで漸く理解する。近過ぎて顔が見えないのか
どうやら僕は修兵さんの胸元に押し付けられる形で眠っていたらしい。道理で幾ら見上げても顔が見えない筈だ。頑張ってもこの位置からだと喉仏と顎しか見えない
動こうにも修兵さんの腕がしっかり僕を固定しているものだから動けない。腕枕してくれている方の手も僕の身体を抱き締めているし、腰の上に足まで乗せられている。要は全身を使っての捕獲。朝っぱらから何してくれてるんだあんた
「ん………」
頭上から小さな唸り声が聞こえた。起きたのかと思って耳を澄ませてみれば遠くから別の声がする。声というか、音。何だこれ、鼾?
間違いなく修兵さんではない。修ちゃんでもないだろう、この人達は基本的に寝ている時は静かだし。
という事は他の人?昨日誰か泊めたっけ?
そう考えてふと思い出す。昨日修兵さんの部屋に台風襲来したんだった。途中から記憶はないけど多分あのまま皆泊まって行ったんだと思う。て事は推測するにこの鼾は阿散井だろう。吉良の鼾は想像しにくいし
てか今何時だ。修兵さんの所為で時計は見えないし皆起きる気もない。僕も修兵さんも今日は昼からだけど他の皆は時間大丈夫なんだろうか
『……よい、しょ…』
腰に乗せられた足を何とか下ろす。その調子で腕から抜け出そうとすれば修兵さんが寝返りを打った。勿論僕も巻き添え。横向きだった身体が仰向けにされ、自分より大きな修兵さんが覆い被さってくる。
『………修兵さん、重い』
そして鼻が潰れそうだ。
必死こいて修兵さんの胸元から逃れ顔を出す。直ぐ隣にはくーくー寝ている顔面卑猥様の顔。この人寝顔幼いよね。
普段無駄に威嚇してるから目を閉じたら全然印象が変わる。
起きてる時ももう少し目許を和らげれば第一印象=怖いは卒業出来るんじゃないか
そんな事を考えていると修兵さんの眉間に皺が寄った。小さく唸りながらもぞもぞ動き始める。何だろう、寝心地が悪いのか?
黙って見ているともそもそ動く修兵さんの頭が不意に持ち上がり、場所を少し移動して――急に落下した。
僕の、胸元に
『う…っ!』
予期せぬ衝撃に息が詰まった。この野郎誰が頭を落とせって言った。頭ってかなり重いし堅いんだぞ。
『…あんたは僕を殺す気か…っ!』
痛過ぎて涙が出た。その目で睨んでみるもののこの男はくーくー寝息を立てるのみで反応はない。というかそんなに幸せそうに寝られたら怒るに怒れないんだが。数秒顔を見ていると怒る気力が失せる。もう良い、疲れた。大目に見てやろう
自由になった右手で修兵さんの黒髪を撫でる。彼の脇の下から出せた手は背中に置いた。胸に…というか全身に若干の圧迫感はあるがもう慣れた。息苦しさも全身の重みも諦めてしまえば問題ない。
依然としてがっちり抱き締められている為動けないし、温かいものが重石の如く乗っかっている所為で段々と眠くなって来た。落ち掛けた布団を修兵さんに被せ直して、静かに目を閉じる。最後に髪を一撫ですれば僅かに笑った様な気がした
『……ん…?』
ゆっくりと意識が浮上する。頭の上を温かな何かが上下に動いている。それは時々髪を持ち上げたりする。手、だろうか
重たい目蓋を押し上げると柔らかい微笑みが目に入った
布団の隣に座っているらしい彼を見る
『…しゅーへ…さん…』
「おはよう、独月」
『……おは…』
目を擦りながら見れば修兵さんが眉をハの字にした。
「ごめんな独月。寝てる時重かっただろ?」
『……ん…?……ああ…』
そういえば修兵さん僕の上に乗っかって寝てたもんな。結構胸元が痛かったのは覚えてる
『まぁ偶にならしてやっても良い』
でもその時は胸元に頭突きは止めて頂きたい
そう言えば修兵さんが笑った
「飯出来てるぞ」
『ん、ありがと』
死覇装に着替えて居間に向かう。其処には修兵さんと黒いぬいぐるみ以外誰も居なかった。
『あれ、阿散井達は?』
「あいつらならもう行った」
吉良と阿散井は朝からだった為慌てて行ったらしい。乱菊さんと雛森は女性の為隣の僕の部屋に寝かせた、と
ちょっと待てなら何で僕はこの部屋で寝てたんだ
そう言うと此方を見た修兵さんが一言
「俺が一緒に寝たかったから」
『……さいですか』
良くそんな恥ずかしい事をあっさりと言えるな。どうしたと首を傾げる姿が可愛くて何か腹立つ
配膳を終えた修兵さんが僕の前に座った。
修ちゃんは二日酔いでダウンしている為今日の食事は二人だ
「『いただきます』」
台風襲来・その後
(美味しい)
(そりゃ良かった)
『……ん…』
目を開けると視界一杯に肌色が映った。数回瞬きをしてぼんやりとした頭を働かせる。
視線を少し上にやると銀色のペンダントが見えた。最近良く見るこれは修兵さんの胸元で揺れていた筈
更に視線を上げると喉仏が見えた。そこで漸く理解する。近過ぎて顔が見えないのか
どうやら僕は修兵さんの胸元に押し付けられる形で眠っていたらしい。道理で幾ら見上げても顔が見えない筈だ。頑張ってもこの位置からだと喉仏と顎しか見えない
動こうにも修兵さんの腕がしっかり僕を固定しているものだから動けない。腕枕してくれている方の手も僕の身体を抱き締めているし、腰の上に足まで乗せられている。要は全身を使っての捕獲。朝っぱらから何してくれてるんだあんた
「ん………」
頭上から小さな唸り声が聞こえた。起きたのかと思って耳を澄ませてみれば遠くから別の声がする。声というか、音。何だこれ、鼾?
間違いなく修兵さんではない。修ちゃんでもないだろう、この人達は基本的に寝ている時は静かだし。
という事は他の人?昨日誰か泊めたっけ?
そう考えてふと思い出す。昨日修兵さんの部屋に台風襲来したんだった。途中から記憶はないけど多分あのまま皆泊まって行ったんだと思う。て事は推測するにこの鼾は阿散井だろう。吉良の鼾は想像しにくいし
てか今何時だ。修兵さんの所為で時計は見えないし皆起きる気もない。僕も修兵さんも今日は昼からだけど他の皆は時間大丈夫なんだろうか
『……よい、しょ…』
腰に乗せられた足を何とか下ろす。その調子で腕から抜け出そうとすれば修兵さんが寝返りを打った。勿論僕も巻き添え。横向きだった身体が仰向けにされ、自分より大きな修兵さんが覆い被さってくる。
『………修兵さん、重い』
そして鼻が潰れそうだ。
必死こいて修兵さんの胸元から逃れ顔を出す。直ぐ隣にはくーくー寝ている顔面卑猥様の顔。この人寝顔幼いよね。
普段無駄に威嚇してるから目を閉じたら全然印象が変わる。
起きてる時ももう少し目許を和らげれば第一印象=怖いは卒業出来るんじゃないか
そんな事を考えていると修兵さんの眉間に皺が寄った。小さく唸りながらもぞもぞ動き始める。何だろう、寝心地が悪いのか?
黙って見ているともそもそ動く修兵さんの頭が不意に持ち上がり、場所を少し移動して――急に落下した。
僕の、胸元に
『う…っ!』
予期せぬ衝撃に息が詰まった。この野郎誰が頭を落とせって言った。頭ってかなり重いし堅いんだぞ。
『…あんたは僕を殺す気か…っ!』
痛過ぎて涙が出た。その目で睨んでみるもののこの男はくーくー寝息を立てるのみで反応はない。というかそんなに幸せそうに寝られたら怒るに怒れないんだが。数秒顔を見ていると怒る気力が失せる。もう良い、疲れた。大目に見てやろう
自由になった右手で修兵さんの黒髪を撫でる。彼の脇の下から出せた手は背中に置いた。胸に…というか全身に若干の圧迫感はあるがもう慣れた。息苦しさも全身の重みも諦めてしまえば問題ない。
依然としてがっちり抱き締められている為動けないし、温かいものが重石の如く乗っかっている所為で段々と眠くなって来た。落ち掛けた布団を修兵さんに被せ直して、静かに目を閉じる。最後に髪を一撫ですれば僅かに笑った様な気がした
『……ん…?』
ゆっくりと意識が浮上する。頭の上を温かな何かが上下に動いている。それは時々髪を持ち上げたりする。手、だろうか
重たい目蓋を押し上げると柔らかい微笑みが目に入った
布団の隣に座っているらしい彼を見る
『…しゅーへ…さん…』
「おはよう、独月」
『……おは…』
目を擦りながら見れば修兵さんが眉をハの字にした。
「ごめんな独月。寝てる時重かっただろ?」
『……ん…?……ああ…』
そういえば修兵さん僕の上に乗っかって寝てたもんな。結構胸元が痛かったのは覚えてる
『まぁ偶にならしてやっても良い』
でもその時は胸元に頭突きは止めて頂きたい
そう言えば修兵さんが笑った
「飯出来てるぞ」
『ん、ありがと』
死覇装に着替えて居間に向かう。其処には修兵さんと黒いぬいぐるみ以外誰も居なかった。
『あれ、阿散井達は?』
「あいつらならもう行った」
吉良と阿散井は朝からだった為慌てて行ったらしい。乱菊さんと雛森は女性の為隣の僕の部屋に寝かせた、と
ちょっと待てなら何で僕はこの部屋で寝てたんだ
そう言うと此方を見た修兵さんが一言
「俺が一緒に寝たかったから」
『……さいですか』
良くそんな恥ずかしい事をあっさりと言えるな。どうしたと首を傾げる姿が可愛くて何か腹立つ
配膳を終えた修兵さんが僕の前に座った。
修ちゃんは二日酔いでダウンしている為今日の食事は二人だ
「『いただきます』」
台風襲来・その後
(美味しい)
(そりゃ良かった)