君と共に生きる為
暗い。
辺り一面真っ暗で、何も見えねぇ。
只自分の姿だけが浮かび上がってるみてぇにはっきり見える
此処は何処だ。呟いても答えは返って来ない。当たり前か、俺以外誰も居ねぇし
「………?」
ふと暗闇の中でぼんやりと光が差した。何だと見ていれば其処に見えたのは銀色。
独月か?そう思って近付こうとすればする程光は遠ざかる。何でだ、何で近付けねぇ。
手を伸ばしても走っても光は遠ざかるばかりで。瞬歩を使おうとすれば急に身体が重たくなった。何故。
ぐっと足元が沈んだ気がして下を見れば、暗闇の中に足がずぶずぶと呑み込まれていた。
直感的に感じる。
これは─────ヤバい
足を引き抜こうにも、まるで石膏に突っ込んだみてぇに動かねぇ。そのまま暗闇はずぶずぶと俺の身体を呑み込んでいく。
「くそ…っ!」
胸元まで呑み込まれた時、目の前に人の足が見えた。少しずつ目線を上げて、目を見開く
「初めまして、王よ」
「……な…!」
目の前に居たのは、俺だった。
白い髪に白い死覇装。白目が黒いそいつはしゃがみ込んで俺と視線を合わせる
そしてにぃっと歯を剥き出して嗤った
「今までご苦労さん。今から王になるのは────この俺だ」
ヤバい、ヤバい、ヤバい。
全身を悪寒が駆け巡る。
こいつの言ってる王だか何だか知らねぇが、明らかに俺に害を及ぼすのは確かだ
「ふざけんなっ…動けよ…!!」
「無駄無駄。往生際が悪ぃな。諦めて楽になっちまえよ」
「うるせぇ!」
にやにやと俺の顔で嗤う目の前の男がかなりムカつく。ぶん殴りてぇ
つかてめぇ誰だ。何で俺の見た目をしてやがる
「っ……畜生…!」
「終わりだな、俺」
――修兵さん
勝ち誇った笑みを浮かべた奴が、その声を聴いた瞬間眉を寄せた。同時に纏わりつく暗闇も軽くなる。
俺は無理矢理暗闇から手を引き抜いた。男の背後に見えるのは光。何も考えず俺は手を伸ばす。
その光に手が照らされた瞬間、辺りの暗闇はぼろぼろと崩れ始めた。
苦々しく顔を歪めた奴が光を睨んでから俺に目を向けた
「運が良かったな。だがてめぇの終わりはすぐそこだ」
奴自身もぼろぼろと消えていく中、言葉を続ける
「俺からは逃げられねぇ。絶対にだ…せいぜい怯えるこったな」
その一言と共に全てが真っ白になった
『修兵さん、修兵さんってば』
「……ぅ、ん…?」
肩を軽く揺すられる感覚にゆっくりと目を開ける。
映ったのは銀色。何度か瞬いて、認識。俺を覗き込んでいる独月の髪に触れる。
あの時聞こえた声はやっぱりお前だったか
『大丈夫?魘されてたけど』
「独月」
『ん?』
呼べば空と藤の双眸が俺を映す。その目に俺が映っている事に酷く安堵した
「…嫌な夢、見てたんだ」
『………嫌な夢?』
「うん」
俺の髪を撫で始めた独月の死覇装の裾を掴む。
ただ何となく、そうしていたかった
「真っ暗闇の中に居て、自分以外何にも見えねぇ」
『うん』
「急に見えた光の方にお前が見えて、其方に行こうとするんだ。けど幾ら走っても全然距離は縮まらなかった」
『うん』
「走っても追い付けねぇから、瞬歩使おうとしたら、急に暗闇に足が沈んでって」
『うん』
「幾ら暴れようとしても身体は全然動かなくて、胸元まで呑み込まれた時急に俺が出て来た」
『…修兵さんが?』
首を僅かに傾げた独月に向かって頷く。
「俺の髪を真っ白にして、死覇装も真っ白にした様な奴」
白目の色は反転。目も血みてぇな赤だった。
あいつの目を見て頭を過ぎったのは、虚の独月
あいつも奴と同じ様な目だった
「そいつがさ、王になるのは俺だ、とか意味判んねぇ事言い出して」
『うん』
「目の前で俺が暗闇に呑み込まれんのをニヤニヤしながら見てんの」
『あ、地味にムカつく』
「だろ?しかも暗闇の中は取り敢えず気持ち悪くて、このままじゃマジでやべぇって思って」
『うん』
「そしたらお前の声が聞こえて」
『………うん?』
目を瞬かせた独月の髪を撫でる。うん、いきなりんな事言われても判んねぇよな
「お前の声がする方に手を伸ばしたら、起きた」
『ふぅん……』
何か言いたげに何度か口を開閉した後、独月は諦めた様に溜息を吐いた。何だその反応。気になるんだけど
訊いても独月は何でもないとしか言わなかった。
『修兵さん、今日はもう帰って休んで良いよ』
「……あ?」
その言葉でふと我に帰る。
あれ、俺寝る前何してたんだっけ
辺りを見渡せば見慣れた天井に机。此処は隊首室か。
ああ、書類整理が終わったから仮眠取ってたんだっけ
今まで転がっていたソファからゆっくりと身を起こせば、掛かっていたタオルケットが床に落ちた
「隊長、まだ仕事あるか?」
『檜佐木さんは帰って寝るのが仕事』
「そりゃ良い仕事だな」
小さく笑えば独月も微笑んだ。
茶を煎れてくると行って立ち上がった独月を見送って、天井を眺める。
そっと目を閉じれば訪れる暗闇。手で覆えばそれは更に暗くなって
でもあの時の暗闇には程遠い。
「………」
あれは一体何だったのか
真っ白な俺。あれは、何だ?
幾ら考えても答えは出て来ない。
けど、俺はあいつを知ってる気がした
夜、独月と犬っころが眠りに就いているのを眺めながら酒を呑む。空には月、隣には銀色。月が二つある様で、贅沢なもんだと頬が緩んだ。
「……ん…?」
指通りの良い銀髪を梳いていると、視界の端にひらひらと舞う黒を見付けた。黒揚羽。それは差し出した俺の指に留まった。
こんな時間に一体誰が、そう訝しんでいた俺の程良い酔いは伝言によってすっかり吹っ飛んだ
「………」
ざり、と地面を踏みつけ指定された場所に行けばあの人は其処に立っていた
「来たか、修兵」
「こんな時間に何の用ですか、拳西さん」
正直明日も早いのだから部屋に帰って横になりたい。や、今まで酒呑んでだらだらしてた奴の言う台詞じゃねぇけど
「お前、今のてめぇの状況判ってっか?」
「……は…?」
拳西さんの唐突な言葉に首を捻る。何の話だ。つか話が掴めねぇ
「まどろっこしい事は嫌いなんだ。単刀直入に言うぜ」
頭をがしがしと掻いた拳西さんが俺を見据えた。自然と身構える。何を、言われるのか
「お前の中の虚が目覚めた」
「…え……?」
目の前が真っ暗になった気がした
虚?
理解出来ねぇ。目覚めたって何だよ。何で、どうして。
虚が目覚めたらどうなっちまうんだ。俺は、俺じゃなくなるのか
ぐるぐると取り留めのない思考が頭の中を回り続ける
「聞け、修兵」
「…っ俺…どうなるんすか…」
頭を抱える。どんどん身体から力が抜けていく気がする。そのまま地面に膝を着いた
「修兵」
このままでは此処には居られない。もう、あいつの傍には
「虚が目覚めたって!俺…っ俺は……!」
「聞けっつってんだろ!!」
怒鳴られてはっと顔を上げる。俺の肩を掴んだ拳西さんがじっと俺を見下ろしていた
「てめぇの虚はもう完全に目を覚ましちまってる。このままだと近い内にてめぇは虚に呑み込まれるぜ」
その一言で浮かぶのは白い俺
「……まさか…」
────運が良かったな。だがてめぇの終わりはすぐそこだ
────俺からは逃げられねぇ。絶対にだ…せいぜい怯えるこったな
脳裏を過ぎったのは奴の言葉。真っ白なあの男はあの時確かにそう言った
まさか、あの男が虚?
でも今まで大人しかったもんが何で急に?
それを訊ねれば拳西さんは顎に手を置いて考え始めた
「お前、頭痛は何時から始まった?」
「確か、頭痛が始まったのは空座町決戦の後です……」
それ以前には感じなかった。て事はあの時に俺に何か起きたって事か?
思い出せ、あの時何があった?
俺は独月率いる第二部隊として転界柱の守護に当たった。そしてフィンドールと対決。その後馬鹿でかい化物みてぇな虚と戦って、負けて
その時の怪我を独月が治療してくれて。それで全快になった俺は東仙隊長と戦って、倒して
その後虚になった独月と戦って。あいつと一緒に死んだつもりだったけど、生きてて
襲って来やがった蛸野郎に月閉風死を使って────
「……原因コレか…?」
「あ?」
怪訝そうに此方を見る拳西さんに月閉風死の事を説明する。
その能力とリスクを
「…独月の状態異常を全て引き受ける、か……」
「はい…俺が月閉風死を使ったのはあいつが藍染に虚にされた後だったんで、関係あるかなと……」
あの時独月が虚になった影響があいつの身体に残っていた状態で俺が月閉風死を使ったのなら、今の状態異常は納得出来る。まぁこんなのは予測でしかねぇし、例えそれが合ってても俺にははいそうですかとしか言えねぇ訳だけど
俺はあいつを責める気はこれっぽっちもねぇし、寧ろ悪いもんがもうあいつの中に残ってねぇならそれで良い
「修兵、死ぬ程辛くても立ち向かう覚悟はあるか」
月光に照らされた拳西さんが俺を見下ろしそう訊いた
立ち向かう覚悟?そんなもん、あるに決まってる
「……はい」
左耳のカフスに触れた。
あいつは虚に負けそうだった俺を助けてくれたんだ。
────ならば
「俺は虚をぶっ飛ばして、隊長の傍に戻らないといけないんで」
「そうか」
呟いた拳西さんがにっと笑った
To live with you
(詳しい話は明日だ、良いな)
(はい)
辺り一面真っ暗で、何も見えねぇ。
只自分の姿だけが浮かび上がってるみてぇにはっきり見える
此処は何処だ。呟いても答えは返って来ない。当たり前か、俺以外誰も居ねぇし
「………?」
ふと暗闇の中でぼんやりと光が差した。何だと見ていれば其処に見えたのは銀色。
独月か?そう思って近付こうとすればする程光は遠ざかる。何でだ、何で近付けねぇ。
手を伸ばしても走っても光は遠ざかるばかりで。瞬歩を使おうとすれば急に身体が重たくなった。何故。
ぐっと足元が沈んだ気がして下を見れば、暗闇の中に足がずぶずぶと呑み込まれていた。
直感的に感じる。
これは─────ヤバい
足を引き抜こうにも、まるで石膏に突っ込んだみてぇに動かねぇ。そのまま暗闇はずぶずぶと俺の身体を呑み込んでいく。
「くそ…っ!」
胸元まで呑み込まれた時、目の前に人の足が見えた。少しずつ目線を上げて、目を見開く
「初めまして、王よ」
「……な…!」
目の前に居たのは、俺だった。
白い髪に白い死覇装。白目が黒いそいつはしゃがみ込んで俺と視線を合わせる
そしてにぃっと歯を剥き出して嗤った
「今までご苦労さん。今から王になるのは────この俺だ」
ヤバい、ヤバい、ヤバい。
全身を悪寒が駆け巡る。
こいつの言ってる王だか何だか知らねぇが、明らかに俺に害を及ぼすのは確かだ
「ふざけんなっ…動けよ…!!」
「無駄無駄。往生際が悪ぃな。諦めて楽になっちまえよ」
「うるせぇ!」
にやにやと俺の顔で嗤う目の前の男がかなりムカつく。ぶん殴りてぇ
つかてめぇ誰だ。何で俺の見た目をしてやがる
「っ……畜生…!」
「終わりだな、俺」
――修兵さん
勝ち誇った笑みを浮かべた奴が、その声を聴いた瞬間眉を寄せた。同時に纏わりつく暗闇も軽くなる。
俺は無理矢理暗闇から手を引き抜いた。男の背後に見えるのは光。何も考えず俺は手を伸ばす。
その光に手が照らされた瞬間、辺りの暗闇はぼろぼろと崩れ始めた。
苦々しく顔を歪めた奴が光を睨んでから俺に目を向けた
「運が良かったな。だがてめぇの終わりはすぐそこだ」
奴自身もぼろぼろと消えていく中、言葉を続ける
「俺からは逃げられねぇ。絶対にだ…せいぜい怯えるこったな」
その一言と共に全てが真っ白になった
『修兵さん、修兵さんってば』
「……ぅ、ん…?」
肩を軽く揺すられる感覚にゆっくりと目を開ける。
映ったのは銀色。何度か瞬いて、認識。俺を覗き込んでいる独月の髪に触れる。
あの時聞こえた声はやっぱりお前だったか
『大丈夫?魘されてたけど』
「独月」
『ん?』
呼べば空と藤の双眸が俺を映す。その目に俺が映っている事に酷く安堵した
「…嫌な夢、見てたんだ」
『………嫌な夢?』
「うん」
俺の髪を撫で始めた独月の死覇装の裾を掴む。
ただ何となく、そうしていたかった
「真っ暗闇の中に居て、自分以外何にも見えねぇ」
『うん』
「急に見えた光の方にお前が見えて、其方に行こうとするんだ。けど幾ら走っても全然距離は縮まらなかった」
『うん』
「走っても追い付けねぇから、瞬歩使おうとしたら、急に暗闇に足が沈んでって」
『うん』
「幾ら暴れようとしても身体は全然動かなくて、胸元まで呑み込まれた時急に俺が出て来た」
『…修兵さんが?』
首を僅かに傾げた独月に向かって頷く。
「俺の髪を真っ白にして、死覇装も真っ白にした様な奴」
白目の色は反転。目も血みてぇな赤だった。
あいつの目を見て頭を過ぎったのは、虚の独月
あいつも奴と同じ様な目だった
「そいつがさ、王になるのは俺だ、とか意味判んねぇ事言い出して」
『うん』
「目の前で俺が暗闇に呑み込まれんのをニヤニヤしながら見てんの」
『あ、地味にムカつく』
「だろ?しかも暗闇の中は取り敢えず気持ち悪くて、このままじゃマジでやべぇって思って」
『うん』
「そしたらお前の声が聞こえて」
『………うん?』
目を瞬かせた独月の髪を撫でる。うん、いきなりんな事言われても判んねぇよな
「お前の声がする方に手を伸ばしたら、起きた」
『ふぅん……』
何か言いたげに何度か口を開閉した後、独月は諦めた様に溜息を吐いた。何だその反応。気になるんだけど
訊いても独月は何でもないとしか言わなかった。
『修兵さん、今日はもう帰って休んで良いよ』
「……あ?」
その言葉でふと我に帰る。
あれ、俺寝る前何してたんだっけ
辺りを見渡せば見慣れた天井に机。此処は隊首室か。
ああ、書類整理が終わったから仮眠取ってたんだっけ
今まで転がっていたソファからゆっくりと身を起こせば、掛かっていたタオルケットが床に落ちた
「隊長、まだ仕事あるか?」
『檜佐木さんは帰って寝るのが仕事』
「そりゃ良い仕事だな」
小さく笑えば独月も微笑んだ。
茶を煎れてくると行って立ち上がった独月を見送って、天井を眺める。
そっと目を閉じれば訪れる暗闇。手で覆えばそれは更に暗くなって
でもあの時の暗闇には程遠い。
「………」
あれは一体何だったのか
真っ白な俺。あれは、何だ?
幾ら考えても答えは出て来ない。
けど、俺はあいつを知ってる気がした
夜、独月と犬っころが眠りに就いているのを眺めながら酒を呑む。空には月、隣には銀色。月が二つある様で、贅沢なもんだと頬が緩んだ。
「……ん…?」
指通りの良い銀髪を梳いていると、視界の端にひらひらと舞う黒を見付けた。黒揚羽。それは差し出した俺の指に留まった。
こんな時間に一体誰が、そう訝しんでいた俺の程良い酔いは伝言によってすっかり吹っ飛んだ
「………」
ざり、と地面を踏みつけ指定された場所に行けばあの人は其処に立っていた
「来たか、修兵」
「こんな時間に何の用ですか、拳西さん」
正直明日も早いのだから部屋に帰って横になりたい。や、今まで酒呑んでだらだらしてた奴の言う台詞じゃねぇけど
「お前、今のてめぇの状況判ってっか?」
「……は…?」
拳西さんの唐突な言葉に首を捻る。何の話だ。つか話が掴めねぇ
「まどろっこしい事は嫌いなんだ。単刀直入に言うぜ」
頭をがしがしと掻いた拳西さんが俺を見据えた。自然と身構える。何を、言われるのか
「お前の中の虚が目覚めた」
「…え……?」
目の前が真っ暗になった気がした
虚?
理解出来ねぇ。目覚めたって何だよ。何で、どうして。
虚が目覚めたらどうなっちまうんだ。俺は、俺じゃなくなるのか
ぐるぐると取り留めのない思考が頭の中を回り続ける
「聞け、修兵」
「…っ俺…どうなるんすか…」
頭を抱える。どんどん身体から力が抜けていく気がする。そのまま地面に膝を着いた
「修兵」
このままでは此処には居られない。もう、あいつの傍には
「虚が目覚めたって!俺…っ俺は……!」
「聞けっつってんだろ!!」
怒鳴られてはっと顔を上げる。俺の肩を掴んだ拳西さんがじっと俺を見下ろしていた
「てめぇの虚はもう完全に目を覚ましちまってる。このままだと近い内にてめぇは虚に呑み込まれるぜ」
その一言で浮かぶのは白い俺
「……まさか…」
────運が良かったな。だがてめぇの終わりはすぐそこだ
────俺からは逃げられねぇ。絶対にだ…せいぜい怯えるこったな
脳裏を過ぎったのは奴の言葉。真っ白なあの男はあの時確かにそう言った
まさか、あの男が虚?
でも今まで大人しかったもんが何で急に?
それを訊ねれば拳西さんは顎に手を置いて考え始めた
「お前、頭痛は何時から始まった?」
「確か、頭痛が始まったのは空座町決戦の後です……」
それ以前には感じなかった。て事はあの時に俺に何か起きたって事か?
思い出せ、あの時何があった?
俺は独月率いる第二部隊として転界柱の守護に当たった。そしてフィンドールと対決。その後馬鹿でかい化物みてぇな虚と戦って、負けて
その時の怪我を独月が治療してくれて。それで全快になった俺は東仙隊長と戦って、倒して
その後虚になった独月と戦って。あいつと一緒に死んだつもりだったけど、生きてて
襲って来やがった蛸野郎に月閉風死を使って────
「……原因コレか…?」
「あ?」
怪訝そうに此方を見る拳西さんに月閉風死の事を説明する。
その能力とリスクを
「…独月の状態異常を全て引き受ける、か……」
「はい…俺が月閉風死を使ったのはあいつが藍染に虚にされた後だったんで、関係あるかなと……」
あの時独月が虚になった影響があいつの身体に残っていた状態で俺が月閉風死を使ったのなら、今の状態異常は納得出来る。まぁこんなのは予測でしかねぇし、例えそれが合ってても俺にははいそうですかとしか言えねぇ訳だけど
俺はあいつを責める気はこれっぽっちもねぇし、寧ろ悪いもんがもうあいつの中に残ってねぇならそれで良い
「修兵、死ぬ程辛くても立ち向かう覚悟はあるか」
月光に照らされた拳西さんが俺を見下ろしそう訊いた
立ち向かう覚悟?そんなもん、あるに決まってる
「……はい」
左耳のカフスに触れた。
あいつは虚に負けそうだった俺を助けてくれたんだ。
────ならば
「俺は虚をぶっ飛ばして、隊長の傍に戻らないといけないんで」
「そうか」
呟いた拳西さんがにっと笑った
To live with you
(詳しい話は明日だ、良いな)
(はい)