「久し振りやな、籠もり虫」

『………ぜんざい』

うげ、と顔をしかめればデコピンされた。痛い。
何の用だと見れば今日は隊首会やろがと溜息を吐かれた。え、嘘。明日じゃないの?

「アホ。昨日地獄蝶が連絡しに来たやろ」

『………』

確か昨日来た気もする。瀞霊廷通信の編集に追われてまともに聞いてなかったけど

「行くで」

『………ん』




















今日の隊首会は新しい隊長の紹介だった。保守派の意見総無視で漸く決まった隊長二人。吉良も雛森もこの人らと上手くやっていけるんだろうか

「なー独月チャン」

『何でしょう平子隊長』

「そないかたっくるしい呼び方せんと気軽に真子って呼んでや」

『無理です』

何故か異様に絡んでくる平子隊長を適当にあしらいつつ隊舎に向かう。何で絡まれてるんだろう。意味判らん。取り敢えずあんたは仕事に戻ってくれ

「まだ修兵は戻って来ぉへんのやろ?」

『…まだ七ヶ月ですし』

口に出された名前に足が止まり掛けるが、知らぬ振りをして歩き続ける。修兵さんの修行は二年は掛かると言っていたから、まだ帰って来ないのは当たり前だ

「二番隊の隊長サンに聞かへんの?」

『…あの人がいつか帰って来るのは判ってる。それなら僕は…僕に出来る事をやるだけです』

修兵さんの様子を聞きに行くくらいなら瀞霊廷通信の編集をする。今僕に出来る事はそれぐらいだし

「……そか」

にいっと笑った平子隊長が僕の頭を撫でた。そして僕に何か握らせて鼻歌を唄いながら去っていく。え、何だったんだあの人。首を傾げつつ渡された物を見る。

『……硝子玉…?』

掌の上にあるのは灰色の硝子玉。眺め回しても何処にも変わった部分はない。一体これは何なのか。

























「………これ、どうしたんだ?」

『ん?』

帰宅後、修ちゃんに聞かれ振り向けば、彼はその手に灰色の硝子玉を乗せていた。

『平子隊長がくれた』

「ふぅん……」

絨毯の上に転がりながらそれを眺める。
そんなとこに転がってると蹴るよ?

「なーんか気になるんだよなぁ……」

『何が?』

ごろごろ転がりながら修ちゃんが見ているのは硝子玉。そんなに気になるのかそれ
首を傾げつつ見ていれば彼は硝子玉を僕の手に乗せて来た

『修ちゃん?』

「独月が持っとけ。その方が良い気がする」

『………?』

良く判らないが僕が持っていた方が良いんだろう。素直に従い手頃な大きさの袋に入れておいた



Their identity will be known after



((あれは………))

(修ちゃん?)

(ああ、何でもねぇ)