感染
「独月」
身体が揺さぶられる。ゆっくりと目蓋を持ち上げれば修兵さんの顔が映った。しぱしぱする目を数回瞬きさせれば修兵さんが笑う
『……おはよ…修兵さん…』
「おう、おはよう。良く眠れたか?」
『ん……』
身を起こすと頭を撫でられた。寝癖付いてるぞと笑われる。え、何処?わさわさと髪に触れるが見付からない。
「此処だよ此処」
修兵さんは僕が触っていたのとは反対側の髪を梳く様に撫でた。
二、三回それを繰り返し、ゆっくりと修兵さんが立ち上がった
「良し、直った。飯出来てるから適当なのに着替えてから来な」
『ん……ん?』
頷いてふと浮かんだ疑問。何故適当な物、なのか。死覇装じゃないの?首を傾げつつ、近くにあった青紫の着物に手を伸ばす。首許を緩く着て、顔を洗う為に部屋を出た
冷水で顔を洗って居間に向かうと、修兵さんがぼんやりとテレビを見ていた。僕が来た事に気付いたらしい修兵さんが、ソファから立ち上がり此方に来る。え、何で呆れた様な顔してんの?
「胸元はもう少し締めろ。俺も男なんだぞ?」
『修兵さんが女だったら引く』
「あー…そうじゃなくてだな……はぁ」
僕の胸元の袷を直した修兵さんが視線を泳がせた。え、何?何でそんな疲れた感出してんの?
首を傾げつつ食器を出す。ぽんぽんと僕の頭を撫でた修兵さんが諦めた様な溜息を吐いた
「うん、もう良いわ……俺が注意すりゃ良いだけだし」
『?』
まぁ納得した様だし放っておいても良いんだろう。配膳して二人で席に着く。食べ始めてからふと周りを見る。黒いぬいぐるみの姿が見えないんだが修ちゃんは何処に行ったのか
「犬っころなら国後のとこだ」
『直哉さんの?』
「おう」
何でもあの殲滅任務に赴いた者だけ自室待機。
それ以外はひたすらに書類整理らしい。
まぁ現在の九番隊は危険視されているから仕方ないが、それにしたって隊士達が可哀想過ぎやしないか。ひたすら書類整理とか地味に辛い。
というか何で隊長である僕が知らずに修兵さんが知っているのか。そう聞けば見張りからそれとなく聞き出した、と。諜報も出来そうだねあんた
『………ん?』
「どうした?」
首を傾げた僕の顔を修兵さんが覗き込んだ。うん、原因はあんただ
『…何で自室待機なのに修兵さんが此処に居るの?』
「ん?ああ、そんな事か」
や、そんな事じゃないんだが。此処は僕の部屋だし。自室待機で他人の部屋に待機してるってどうなの。半眼で見つめれば修兵さんはへらりと笑った
「俺隊長の部屋に住んでますって言ったから」
『………あー…』
何言っちゃってんのあんた。そんな事言ったら誤解されるよ?彼女出来ないよ?
「別に彼女とか要らねぇから良いの」
湯呑を口許に運んだ修兵さんがそう言った。それで良いのか。何か修兵さんって僕の世話してる内に婚期逃してそう。そのまま独りで過ごしていく事になるのか…うわ可哀想
「…何だその憐れむ様な目は」
『や、何でも』
五席以外は今のところ問題なし。けれど何時発症するか判らない。故の謹慎
『じゃあ他の隊士達は大丈夫なんだね』
「今の所はな」
僕の髪を梳かしながら修兵さんが頷く。今の所でも隊士達は無事。それに胸を撫で下ろした
『原因を捜したいけど謹慎処分の身で動いたら怪しまれるしね……』
「それに何時発症するかも判らねぇ。俺達が発症しねぇって確証がねぇ限りは動けねぇぞ」
解決したくても動けない。下手に動いて発症して誰かを攻撃してしまったら困る。
「砕蜂隊長の連絡待ちか」
『そうだね…』
せめて感染経路が判れば良いのに。ゆらゆら揺れる湯呑の中身を見つめ溜息を吐いた
感染
(動けないってもどかしい)
(そうだな)
身体が揺さぶられる。ゆっくりと目蓋を持ち上げれば修兵さんの顔が映った。しぱしぱする目を数回瞬きさせれば修兵さんが笑う
『……おはよ…修兵さん…』
「おう、おはよう。良く眠れたか?」
『ん……』
身を起こすと頭を撫でられた。寝癖付いてるぞと笑われる。え、何処?わさわさと髪に触れるが見付からない。
「此処だよ此処」
修兵さんは僕が触っていたのとは反対側の髪を梳く様に撫でた。
二、三回それを繰り返し、ゆっくりと修兵さんが立ち上がった
「良し、直った。飯出来てるから適当なのに着替えてから来な」
『ん……ん?』
頷いてふと浮かんだ疑問。何故適当な物、なのか。死覇装じゃないの?首を傾げつつ、近くにあった青紫の着物に手を伸ばす。首許を緩く着て、顔を洗う為に部屋を出た
冷水で顔を洗って居間に向かうと、修兵さんがぼんやりとテレビを見ていた。僕が来た事に気付いたらしい修兵さんが、ソファから立ち上がり此方に来る。え、何で呆れた様な顔してんの?
「胸元はもう少し締めろ。俺も男なんだぞ?」
『修兵さんが女だったら引く』
「あー…そうじゃなくてだな……はぁ」
僕の胸元の袷を直した修兵さんが視線を泳がせた。え、何?何でそんな疲れた感出してんの?
首を傾げつつ食器を出す。ぽんぽんと僕の頭を撫でた修兵さんが諦めた様な溜息を吐いた
「うん、もう良いわ……俺が注意すりゃ良いだけだし」
『?』
まぁ納得した様だし放っておいても良いんだろう。配膳して二人で席に着く。食べ始めてからふと周りを見る。黒いぬいぐるみの姿が見えないんだが修ちゃんは何処に行ったのか
「犬っころなら国後のとこだ」
『直哉さんの?』
「おう」
何でもあの殲滅任務に赴いた者だけ自室待機。
それ以外はひたすらに書類整理らしい。
まぁ現在の九番隊は危険視されているから仕方ないが、それにしたって隊士達が可哀想過ぎやしないか。ひたすら書類整理とか地味に辛い。
というか何で隊長である僕が知らずに修兵さんが知っているのか。そう聞けば見張りからそれとなく聞き出した、と。諜報も出来そうだねあんた
『………ん?』
「どうした?」
首を傾げた僕の顔を修兵さんが覗き込んだ。うん、原因はあんただ
『…何で自室待機なのに修兵さんが此処に居るの?』
「ん?ああ、そんな事か」
や、そんな事じゃないんだが。此処は僕の部屋だし。自室待機で他人の部屋に待機してるってどうなの。半眼で見つめれば修兵さんはへらりと笑った
「俺隊長の部屋に住んでますって言ったから」
『………あー…』
何言っちゃってんのあんた。そんな事言ったら誤解されるよ?彼女出来ないよ?
「別に彼女とか要らねぇから良いの」
湯呑を口許に運んだ修兵さんがそう言った。それで良いのか。何か修兵さんって僕の世話してる内に婚期逃してそう。そのまま独りで過ごしていく事になるのか…うわ可哀想
「…何だその憐れむ様な目は」
『や、何でも』
五席以外は今のところ問題なし。けれど何時発症するか判らない。故の謹慎
『じゃあ他の隊士達は大丈夫なんだね』
「今の所はな」
僕の髪を梳かしながら修兵さんが頷く。今の所でも隊士達は無事。それに胸を撫で下ろした
『原因を捜したいけど謹慎処分の身で動いたら怪しまれるしね……』
「それに何時発症するかも判らねぇ。俺達が発症しねぇって確証がねぇ限りは動けねぇぞ」
解決したくても動けない。下手に動いて発症して誰かを攻撃してしまったら困る。
「砕蜂隊長の連絡待ちか」
『そうだね…』
せめて感染経路が判れば良いのに。ゆらゆら揺れる湯呑の中身を見つめ溜息を吐いた
感染
(動けないってもどかしい)
(そうだな)