『────え?』

その報告は突然だった。修兵さんも目を見開く。僕達の反応を見た砕蜂隊長がゆっくりと口を開いた

「────九番隊隊首室で烙罪刀が発見された。今から四十六室で貴様の裁判が行われる」












烙罪刀。
それは使用者の精神と引き換えに莫大な力を与える禁じられた刀。その刀に傷を負わされてしまえば精神を乗っ取られてしまう

「本当に覚えはないのか?」

「隊首室から見付かったのだぞ」

『……僕ではありません』

顔を隠して此方を責め立てる四十六室に嫌気が差す。実状も大して知らない癖に面倒だからと僕を犯人に仕立て上げる気か

「桜花隊長が怪しい事は変わるまい」

「烙罪刀から桜花隊長のものと思われる霊圧が検出された事も事実」

「なら犯人は決まった様なものではないか」

『なっ………霊圧が検出されたってどういう事ですか!?』

思わず目を見開いた。
どういう事だ、僕は烙罪刀に触れた事なんてない。勿論隊首室にあった事も知らなかった。声を荒げれば一斉に視線が向けられる

「白々しい」

「貴様の霊圧が烙罪刀から検出されたのだ」

「大方流魂街の者達を斬り、烙罪刀で操っていたのだろう?」

『何故……っ』

意味が判らない。勘違いじゃないのか。その思いだけがぐるぐる回る
一番上の中央に座った男が木槌で机を叩いた

「桜花独月、貴様の判決を下す」

『っ』

静まり返った室内に、男の声が響いた

「烙罪刀にて尸魂界を混乱に陥れようとしたその罪により、護廷十四隊九番隊隊長桜花独月を死罪とする」



























「────ふざけんなっ!!!!」

九番隊隊舎牢。
壁を殴った修兵さんにまぁ落ち着けと言えばぎろりと睨まれた。顔が怖いよ修兵さん

「これが落ち着いてられるかよ!死罪なんて有り得ねぇだろ!!」

『まぁそうなんだけどさ…取り敢えず落ち着いて』

確かに死罪は有り得ないと思う。僕は何もしてない訳だし。冤罪で死刑とか冗談じゃない。そうは思うもののこのまま修兵さんを放置すれば何かとんでもない事をやらかす様な気がしてならない。中央四十六室に殴り込みとか。この人はぷっつん行くと凶暴化するから今どうにかせねば

『取り敢えずは僕が無罪だって事を証明しないと』

「四十六室を潰す」

『うん、頼むから僕の話聞いて?』

そう言ったものの修兵さんの目はぎらぎらしている。どうしようこの人キレてる。何とかして宥めないと修兵さんまで牢に入れられそうだ
僕は鉄格子の隙間から手を伸ばした。そっと修兵さんの手を握れば険しい顔が此方を見る

『修兵さんに僕が無罪である証拠を集めて欲しい』

勿論謹慎中である修兵さんに動いて貰おうとは思っていない。只こうでも言わないときっとこの人は無茶をするから

「……判った。だがそれが間に合わねぇ時は」

修兵さんが目を細める。急遽決まった死罪だが実行されるのは十日後。誰に嵌められたのかは判らないが、この十日という日数が勝負だ

「その時は、俺がどんな事をしてでもお前を此処から連れ出してやる」

小さな低い声でそう囁かれた。絶対に止めても聞かないんだろうなぁ。溜息を吐きつつ小さな笑みを向ける

『そうならない様に祈ってるよ』




冤罪




((さて、どう動こうか))

((大人しくしてくれてれば良いけど…))