「…隊長」

後ろに立っていた修兵さんが静かに僕を呼んだ。隊首室の窓から見える風景。普段通りの青空。只何時もと違うのは

『…遮魂膜も無意味、か』

────────滅却師達が上空に居る事




















「廷内、現在確認可能なものだけで十六ヶ所で敵霊圧確認!!」

「しかし、霊圧未確認の地点でも戦闘によると思われる死神側の霊圧消滅は起きており、霊圧調査で同行した局員が情報送信前に死亡したものと推測」

「三番隊吉良副隊長の霊圧消失!」

「同隊席官三名も消失!!」

「西601地区で隊士二十五名死亡!!」

「同224地区で六十一名死亡!!」

伝令神機から聞こえてくる技局の会話に眉を寄せる。隣に居る修兵さんも難しい顔をしていた

「奴等の侵入から七分で戦死者千名以上…マジかよ…」

『そもそも遮魂膜をまるっきり無視ってとこからして有り得ない』

本来なら遮魂膜で防げる筈。なのに何故か奴等は上空にふよふよしている。何なのあいつら、規格外生物か
伝令神機を直し、修兵さんを見る。

『行こう』

「はい」

隊首室を出て、彼専用の執務室に向かう。其処には黒いぬいぐるみと赤い目の奇人が居た

『僕と檜佐木さん、拳西さんは前線に出る。その間の九番隊の指揮を頼みます』

「ああ、任せておけ」

「気を付けろよ?」

『ん。行ってきます』

軽く手を挙げて部屋を出る。外で待っていた修兵さんと目が合った。

『…背中、任せます』

「りょーかい。しっかり護らせて頂きますよ」

そう言って修兵さんはにっと笑った






















『拳西さんはもう先に出撃してる。僕らは此処で敵を待とう』

「りょーかい」

立っていれば彼方から向かって来たのは白い服の大男

「…でけぇな」

『…首が痛い』

鞘から藤凍月を抜き、構える。修兵さんも風死を抜いた
相手からの威圧感に冷や汗が出る。きっと始解じゃ勝てない。卍解、しないと
こいつらは卍解を封印する力があるという報告があった。封印するなら────────それを解けば良いだけの話

『檜佐木さん』

「何だ、隊長」

『僕の卍解が封じられたら…一緒に解くの手伝って下さい』

「勿論」

笑った修兵さんに、微笑みを返す
藤凍月を構え、口を開いた

『────────卍解』







消え行く命






(………え…?)

(何だと…!?)