瓦礫の山となった建物の隙間や上を走っていれば、目的の霊圧に近付いてきた。
うっすらと空中に居る人影らしきものも見える。
それを見咎めた修兵さんが目許に手を翳し、呟く


「あー…派手にやってんな」


『一人で立ち向かうとは、良くやる』


「隊長はあんな無茶しないで下さいよ?」


『なに、檜佐木さん僕を一人にするつもり?』


わざと茶化して訊ねれば、修兵さんは目を瞬かせた。
それからへらりと笑う


「まっさか。俺は何時でも隊長の傍に居ますよ」


『なら大丈夫』


まぁ一人でも負けるつもりはないけど、苦戦するのは確かだ。
七対一なんてぶっちゃけしんどいし、下手をすれば相討ち覚悟になってしまう


「あ、隊長。他の奴等も来てるみたいですよ」


『…ルキアに朽木隊長に阿散井に、斑目さんと綾瀬川さんか』


探れば皆の霊圧が同じ場所に向かって移動している。
ならこのまま行けば合流するだろう。


『……檜佐木さん』


「なんですか、隊長」


視線を横に向け、隣を走る彼に向けた。
このまま一緒に行けば、もしかしたらどちらかが死んでしまうかも知れない。
その想像を隅へ押しやり、口を開いた


『僕の背中、任せます。だから』


────────だから絶対、死ぬな


絞り出す様な声を拾ったらしい修兵さんが、柔らかく笑った


「勿論。俺は貴女が命じるまで、死にません」




















『…滅却師の親玉は霊王宮に向かう、か』


「隊長、俺達はどうします?」


『そりゃ勿論────────』


無言で視線を上空に向ける。
それを目で追った修兵さんが了解と呟いた。


上で戦っているのは、八人。
敵から一度間合いを取った瞬間、黒崎の首筋をモヒカン頭が掴んだ。


「!!」


「バーナーフィンガー1」


モヒカン頭が黒崎に指先から発した炎を放とうとした瞬間、今まで黙って僕の隣に立っていた男が前に出て、斬魄刀を思い切り振り下ろした。
その斬撃がモヒカン頭を襲う


「!!」


『…ねぇアレ黒崎の首もチョリッといかなかった?』


「…いきましたね」


修兵さんと眺めていれば、やっぱり首を掠ったらしい黒崎が此方を見た


「おー危ねぇ危ねぇ!ギリギリ助かったなぁ一護!」


「俺の首がなッ!!」


「ゴチャゴチャ言うなよ、当たんなかっただろが」


いや今のは抗議して良いと思う。下手すれば首がスパッと身体とおさらばしてたかも知れない訳だし。
そんな事を考えていれば、首チョリの原因である阿散井が顎で向こうを差した。


「……行けよ」


「!!」


「こいつらは通さねぇ。詳しい事は知らねぇが…滅却師の親玉とは因縁があんだろ?
譲ってやるよ、オメーの仕事だ」


阿散井の言葉を聞いた黒崎が勢い良く飛び出した。
勿論それをユーハバッハの部下が黙って見送る筈もなく、黒崎を追おうとする。
その星十字騎士団の行く手を、桜の奔流が塞いだ。


「「!!」」


「格好付かねぇから何度も言わせんじゃねぇよ────────通さねぇって言ったろ?」























「1、2、3、4、5、6、7……何だよ、1対1にもならねぇ人数じゃねえか!!
この中に特記戦力は?」


「0だ」


「なんだよ、じゃあ用がねぇな!退けよ!」


斑目さんがモヒカン頭に上空から襲い掛かった。
それを避けたモヒカン頭が、ボウガンに似た弓矢を斑目さんに向ける。
だが、一瞬でルキアに凍らされてしまった


「!」


「…聞こえなかったか?我々は通さぬと言ったのだ」


「俺らを此処から退かしたきゃ、てめぇらがとっとくたばるこった!!」


「無茶苦茶言ってるよ一角、判ってるかどうか知らないけど…」


「………」


モヒカン頭がルキアに凍らされた右手の氷を砕く。
帽子を深く被った滅却師がモヒカン頭に言った


「おい、此処でモタついて黒崎一護を取り逃がすのは御免だ…完聖体でこいつらブッ飛ばすぞ」


「はっ、当たり前だ!」


「────────来るぞ!」


完聖体になったらしい星十字騎士団が此方に向かって来ようとした、瞬間


「────────光の雨」


『!?』

上空から、数え切れない程の輝く矢が襲来した








Even if it dies, I will be in a side