『…っ……はぁ…』

「良し、今日は此処までだ」

『……ありがとうございました』

ぺこりと頭を下げて藤凍月を鞘に納める。近付いて来た修兵さんに頭を撫でられた

「筋は良い。鍛えればもっと良いものになるぜ」

『………んー…』

そう言われても現在進行形で駄目駄目な僕には未来予想がさっぱり出来ない。別に修兵さんを疑う訳じゃないが筋は良くないと思う
そんな事を考えていると修兵さんは木の下でごろりと横になった。見ていれば隣をぽんぽんと叩く。来いってか。寄っていけば転がる様に言われる。大人しく隣に横になれば頭を撫でられた。その手付きが気持ち良くて目を細めれば猫みてぇだなと笑われた。違う僕は猫じゃない。てかそれ言うなら修兵さんは犬っぽいけど

「俺は犬じゃねぇぞ」

『………何で…』

「あ?…ああ、お前の考えなんか直ぐ判るっての」

口には出していないのにそう言われ首を傾げる。僕ってそんなに判りやすいのか。
悩んでいれば頭を持ち上げられた。何だと見れば直ぐに何かの上に頭を降ろされる。どうやら枕代わりの何かを置いてくれたらしい。何だこれ。触っていたら擽ってぇと叩かれた。何故叩く。てか擽ったいってどういう事だ
見れば修兵さんの腕が僕の左側にある。真っ直ぐ伸びてるそれは明らかに僕の頭の下を通ってる。あー腕枕ですかそうですか。何だっけか、イケメンに腕枕って確か乙女の夢ってヤツだよね。一切ときめかないのは恐らく僕の恋愛感情が摩滅して再起不能な状態に陥ってるからだと思う。うん、ご臨終。ご愁傷様です僕

「何面白い顔してんだよ」

『……失礼な…』

元から僕はこんな顔だ。そう言えば怒んなよと宥める様に頭を撫でられた

『しゅーへーさん』

「ん?」

話し掛ければ優しい声で返事された。この声好きだな

『……いつも、ありがとうございます』

「何だよ急に」

笑った修兵さんに抱きつかれる。ちょっと潰れそうなんですけど

「お前と居ると楽しい」

『……楽しい…』

修兵さんの言葉に首を傾げる。僕なんか何処にも面白要素ない気がするんだが。

「此処に居る俺は優等生で居る必要もねぇしな」

『……優等生…?』

「ああ。俺霊術院で一番凄ぇんだぞ?」

そう言って修兵さんが笑う。
この人そんなに凄い人なのか
でも何だか優等生って肩凝りそう。ああ、だから優等生で居る必要はないって言ったのか

『……今のしゅーへーさんは…ただのしゅーへーさん』

「……は?」

『…優等生、じゃなくて…優しい、しゅーへーさん』

要は今の自然体な修兵さんが好きですってのを伝えたいんだが僕は壊滅的に口下手だ。こういう時にあまり喋らない自分が嫌になる。や、お喋りな僕も想像出来ないが

「っはは。ありがとな」

修兵さんが凄く嬉しそうに笑った。何だこの笑顔可愛い。格好良いのに可愛いって反則だろ

「自然体で良いって事だろ?」

『……何で…』

言われた言葉に目を見開く。何でこの人僕の言いたい事が判ったんだ。自分で言うのも何だが今さっきの僕の言葉は理解不能だったぞ

「お前の事なら何でも判る」

俺エスパーだから。
その一言に目を輝かせたらしい僕を見て修兵さんが噴き出した


自然体



(…エスパー…)

(そ。凄いか?(こういう所は子供っぽいなこいつ))