「ふぁあ………」

『眠い?』

欠伸した修兵さんの髪を撫でれば眠くねぇと返された。いや、目しぱしぱしてますけど。つか欠伸が出た時点で眠いんだなと推測出来る。
くるくると髪を指先に巻き付けたりして遊んでいれば修兵さんがついに目を閉じた。やっと眠る気になったか。
暫く修兵さんの髪で遊んでいると不意に近付いて来る霊圧を感じた。数は二。そう言えばさっきから動かず此方を見てくる視線は何なんだろう

「………独月?」

『藤堂さん、小鳥遊くん』

此方に近付いて来たのは金髪の女の子に黒髪の男の子。最近休み時間に僕の所に来る二人だった。藤堂さんは何故か神妙な顔をして僕を見た。え、何でそんな顔してんの?僕何かした?

「独月」

『……何?』

「それ、何て言うか判ってる?」

『………?』

つ、と小鳥遊くんが指差したのは修兵さん。え、これは修兵さんだけど

「言っとくけど檜佐木先輩にしてる事を訊いてるのよ」

修兵さんに今してる事?其処でやっと合点がいった。

『……膝枕』

「……あー…判ってやってるのね…」

溜息を吐いた藤堂さんに首を傾げる。小鳥遊くんが頬をぽりぽり掻いた。え、何で二人してこいつ駄目だ的な反応するの。ほんと僕二人に何かした?

「あんた達って付き合ってるの?」

藤堂さんの問いに否と首を振る。何でそんな事訊くんだろう。二人共僕と修兵さんがそんな関係じゃないって知ってる筈なのに

「…なら何故膝枕を?」

これは修兵さんが膝貸してくれと言ったから。僕も特に嫌がる理由もなかったから了承したらこうなった。そう答えれば二人は顔を見合わせた。え、何なのその反応

「……まぁ、恋人みたいに別れが来るとも思えないからそんな関係なのかもね…」

呆れた様に笑った藤堂さんが僕の頭を一撫でして去っていった。小鳥遊くんも藤堂さんに続き居なくなる。それにしてもさっきの言葉はどういう意味なんだろう












『二重詠唱…ねぇ……』

図書館から借りてきた鬼道の本に目を通す。なかなか難しそうだけどやるのは楽しそうだ。

「お前なら出来るだろ」

『っ、わ』

話し掛けられるとは思ってなかったから吃驚した。
後ろを見れば皿を持った修兵さんが立っていた。テーブルに皿を置いて僕が読んでいる本を覗き込んで来る。

「何だ、二重詠唱覚えてぇの?」

『ん。便利そうだし』

「まぁ出来れば選択肢は増えるな。取り敢えず食うぞ、それそこら辺に置いとけ」

『ん』

ソファの上に本を置いてテーブルの方を向く。二人で頂きますを言って料理に手を付けた









『修兵さん』

「ん?」

ソファに寝転がっていた修兵さんが此方を見る。ふと思い出した昼間の藤堂さんとの話を伝えた

「…まぁ恋人ではねぇな…」

『ん』

修兵さんの呟きに同意する。ぶっちゃけ僕に恋人とか出来る気がしない。何の冗談だと笑われて終わるのが関の山だ

「でも恋人なんかよりずっとお互いを判り合ってんだろ」

いやそもそも恋人がどのくらいお互いを理解し合っているのかが判らん。首を傾げれば修兵さんに頭を撫でられた

「俺お前の事ならほぼ十割判んぞ」

『…マジか』

「マジだ」

にっと笑った修兵さんに抱きつかれる。また甘えたですかわんこ様。頭を撫でていれば気持ち良さそうに目を細める。

「お前も俺の事充分理解してるし」

『え、嘘』

「嘘じゃねぇよ」

現に今もそうだろ、と修兵さんが笑う。今?と首を傾げつつ修兵さんの髪を撫でていればそれだよと彼は笑った

「今俺は頭撫でて欲しかった訳」

『…そうなの?』

そういえば引っ付いて来たら頭を撫でるのが当たり前になってたな。修兵さんも撫でたら笑うからそれが普通だと思ってた

「まぁ貰い手が居なかったら嫁に貰ってやるよ」

『顔面卑猥様お断り』


理解


(顔面卑猥言うな)

(じゃあわんこ様)