怒り
「貴女、何なのよ」
「檜佐木くんに馴れ馴れしく近付いて!」
「天才児って言われて調子に乗ってるんじゃない?」
ネチネチと繰り返される言葉を右から左へ受け流す。いや、寧ろ耳に入ってすらない。完全シャットアウト。だってほら、こんな話訊くだけ無駄だし
要するにアレでしょ?女の嫉妬ってヤツ。
どうやらこの上級生達は入学早々四回生に飛び級した挙げ句優等生の檜佐木修兵と面識のある僕が気に入らないらしい。
「ちょっと!訊いてるの!?」
『へいへい訊いてます訊いてます』
手をひらひらさせながらそう返せば彼女達は更にヒートアップし始めた。そんなにきーきー言ってたらメスザルにしか見えませんよお姉さん方
「流魂街出身の癖に!」
ああ、この人達貴族の出だったか。なら流魂街出身の僕を嫌う理由は判る。
でもあんた達の言う修兵さんも流魂街出身だぞ
面倒な奴等をぼんやりと見ていれば僕の眼帯に目を留めた取り巻きの一人が口角を上げた
「訊いたわよ?貴女目の色が左右で違うんでしょう?」
それを訊いた残り二人が口々に喋り出す
「それに左目は瞳孔が縦に割れてるんですって」
「気持ち悪い。本当は貴女虚なんじゃないの?」
どうとでも言え。容姿の陰口なんざ慣れてる
何時も通りの無表情で見つめていれば徐に取り巻きの一人が僕に向けて手を翳した
「…虚なら今此処で消すべきじゃない?」
「え、ちょっと優菜それはヤバいんじゃ……」
仲間からの静止の声も訊かず、優菜と呼ばれた茶髪のボブカットは詠唱を始めた
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ」
「ちょっと優菜…!」
「止めなって!!」
周りの声にもその視線は揺るがない。僕を見据えたまま。というか睨んでる。僕を親の仇か何かと間違えてないか
『………馬鹿か』
思わずそう呟けばそれが聞こえたらしいボブカットが目を見開いた。
「あんたなんか死んじゃえ……破道の三十三・蒼火墜!!!!」
青い爆炎が僕目掛けて襲い掛かって来る。
いや死んじゃえとまで言われるとは思わなかった。そこは少し吃驚だ
「「きゃあああああああああ!!!」」
悲鳴が上がる
只ぼんやりと爆炎を見ていた。こんなもの避ける必要もない。――だってほら、横から青い爆炎が向かって来たから
「「「!!」」」
僕の左側の藪から出てきたのは顔面卑猥様。呆れた様な表情で此方に向かって来る
「何で避けねぇんだ」
『修兵さんが居るって判ってたから』
そう返せば溜息を吐かれた。せめて避ける素振りは見せろと頭を叩かれる。
「さて、こいつに何してんだてめぇら」
女生徒達に向けられた目は鋭い。それに睨まれた彼女達は怯えた表情を見せた。
がたがたと震える三人を修兵さんが冷たい目で見下ろす。
「独月、こいつらに何された」
ちらりと此方を見た修兵さんがそう言った。あ、やばい素直に言わないと僕が怒られる
『虚扱いされて詠唱付きの蒼火墜撃たれました』
「……虚扱い、だと…?」
そう呟いた修兵さんが更に目付きを鋭くした。正直かなり怖い。ごめん修兵さんその顔で僕を見ないで下さい
お姉様方を見た修兵さんがわしわしと僕の頭を撫でた
「独月、お前先帰ってろ」
『………はい』
素直に彼の言葉に従っておく。今下手に返せばとばっちり受けそうだし
「直ぐ行くから、ゆっくり風呂にでも浸かってな」
『……うん…』
名を呼ぶ事は出来なかった。
その目が酷く冷たかったから
A person who has dabbled in her will be punished by him
(さて…覚悟は出来てるんだよな…?)
「檜佐木くんに馴れ馴れしく近付いて!」
「天才児って言われて調子に乗ってるんじゃない?」
ネチネチと繰り返される言葉を右から左へ受け流す。いや、寧ろ耳に入ってすらない。完全シャットアウト。だってほら、こんな話訊くだけ無駄だし
要するにアレでしょ?女の嫉妬ってヤツ。
どうやらこの上級生達は入学早々四回生に飛び級した挙げ句優等生の檜佐木修兵と面識のある僕が気に入らないらしい。
「ちょっと!訊いてるの!?」
『へいへい訊いてます訊いてます』
手をひらひらさせながらそう返せば彼女達は更にヒートアップし始めた。そんなにきーきー言ってたらメスザルにしか見えませんよお姉さん方
「流魂街出身の癖に!」
ああ、この人達貴族の出だったか。なら流魂街出身の僕を嫌う理由は判る。
でもあんた達の言う修兵さんも流魂街出身だぞ
面倒な奴等をぼんやりと見ていれば僕の眼帯に目を留めた取り巻きの一人が口角を上げた
「訊いたわよ?貴女目の色が左右で違うんでしょう?」
それを訊いた残り二人が口々に喋り出す
「それに左目は瞳孔が縦に割れてるんですって」
「気持ち悪い。本当は貴女虚なんじゃないの?」
どうとでも言え。容姿の陰口なんざ慣れてる
何時も通りの無表情で見つめていれば徐に取り巻きの一人が僕に向けて手を翳した
「…虚なら今此処で消すべきじゃない?」
「え、ちょっと優菜それはヤバいんじゃ……」
仲間からの静止の声も訊かず、優菜と呼ばれた茶髪のボブカットは詠唱を始めた
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ」
「ちょっと優菜…!」
「止めなって!!」
周りの声にもその視線は揺るがない。僕を見据えたまま。というか睨んでる。僕を親の仇か何かと間違えてないか
『………馬鹿か』
思わずそう呟けばそれが聞こえたらしいボブカットが目を見開いた。
「あんたなんか死んじゃえ……破道の三十三・蒼火墜!!!!」
青い爆炎が僕目掛けて襲い掛かって来る。
いや死んじゃえとまで言われるとは思わなかった。そこは少し吃驚だ
「「きゃあああああああああ!!!」」
悲鳴が上がる
只ぼんやりと爆炎を見ていた。こんなもの避ける必要もない。――だってほら、横から青い爆炎が向かって来たから
「「「!!」」」
僕の左側の藪から出てきたのは顔面卑猥様。呆れた様な表情で此方に向かって来る
「何で避けねぇんだ」
『修兵さんが居るって判ってたから』
そう返せば溜息を吐かれた。せめて避ける素振りは見せろと頭を叩かれる。
「さて、こいつに何してんだてめぇら」
女生徒達に向けられた目は鋭い。それに睨まれた彼女達は怯えた表情を見せた。
がたがたと震える三人を修兵さんが冷たい目で見下ろす。
「独月、こいつらに何された」
ちらりと此方を見た修兵さんがそう言った。あ、やばい素直に言わないと僕が怒られる
『虚扱いされて詠唱付きの蒼火墜撃たれました』
「……虚扱い、だと…?」
そう呟いた修兵さんが更に目付きを鋭くした。正直かなり怖い。ごめん修兵さんその顔で僕を見ないで下さい
お姉様方を見た修兵さんがわしわしと僕の頭を撫でた
「独月、お前先帰ってろ」
『………はい』
素直に彼の言葉に従っておく。今下手に返せばとばっちり受けそうだし
「直ぐ行くから、ゆっくり風呂にでも浸かってな」
『……うん…』
名を呼ぶ事は出来なかった。
その目が酷く冷たかったから
A person who has dabbled in her will be punished by him
(さて…覚悟は出来てるんだよな…?)