Unforgettable tragedy happens2
嫌な事程やたらと早くやってくる。そう、今日は一回生の魂葬と虚退治実習の日だ
「………よお」
『………こんばんは檜佐木先輩』
あの日から気まずいままだ。というか謝らないといけないのは僕なのに口が勝手に喋る。憎まれ口をがんがん叩く。ああもう普通に修兵さんって言えば良いのにわざわざ檜佐木先輩とか。距離置こうとしてるのが丸わかりだよ僕の馬鹿ほらもう修兵さんが不機嫌そうな顔してるうわあああ
一緒に引率に組まれている蟹沢さんと青鹿さんは此方に寄ってくる気配すらない。めっちゃ遠くから此方見てる。助けてくれる気はないらしい
集合三十分前になったので待機場所から動こうと腰を上げる。すると隣の修兵さんも立ち上がった。蟹沢さん達は見てる。まぁ別にもう少ししてから移動しても間に合うけれど僕は一刻も早くこの気まずい雰囲気から解放されたい。さっさと歩き出せば何故か修兵さんも付いて来る。いや何で付いて来るんですか。僕貴方から離れたくて歩いてるんですけど。隣に並んだ修兵さんの眉間にはぎっちりと皺が刻まれている。そんな顔するなら付いて来なきゃ良いのに
『……何で付いて来るんですか檜佐木先輩』
「…たまたまてめぇと同じ行動になっちまっただけだよ…桜花」
あ、何か今いらっとした。苗字を強調されるといらっとするんだね。僕からやった事なんだけど
『ならお先にどうぞ檜佐木先輩。僕はゆっくり行きますので』
ペースを落とせば修兵さんが馬鹿にした様に笑った
「はっ、足が短いと大変だなぁチビ」
そう言って足の長さを見せ付けるかの様に修兵さんは大股で歩き出した。うわむかつく。何だあの人こんなにうざかったか?
無性に腹が立ったので走って修兵さんを追い抜く
『デカいだけで自慢すんな顔面卑猥様が』
「てめっ顔面卑猥とは何だっ」
『そのままの意味ですけどちょっ着いてくんな』
足長い癖に走るとか卑怯だ
「てめぇこそ走ってんじゃねぇ!」
『僕が走るのはどっかの誰かさんとは違ってちっこくて足が短いからですけど?デカくて足長い檜佐木先輩が走る理由とかないと思いますけど?』
「てめぇ敬語とその呼び方止めやがれ!鳥肌立ちそうなんだよ!」
『知らんわ!修兵さんなんか頭にトンカチでも落ちてきて身長縮めば良い!』
「はっ。てめぇにんな事が起きたらもう見えねぇくれぇに縮むんだろうな!」
『黙れ顔面卑猥』
「んだとチビ」
修兵さんが僕の頭を掴もうと手を伸ばして来た。その手を躱し手を向ける
『縛道の一・塞』
「効かねぇ!」
修兵さんが光の拘束を直ぐに破る。その間に僕は詠唱を始めた。
『縛道の六十一・六杖光牢!』
「やりやがったな…!縛道の三十七・吊星!」
拘束された状態じゃ無駄だろうに。後ろを見ながら走っていた僕は急に何かにぶつかった
『っひゃあ!!』
弾き飛ばされて修兵さんに首根っこを掴まれる。え、何でこの人無事なの
「あの程度掛かる訳ねぇだろうが」
イメージが弱くて解くの簡単だったぞと頭をくしゃくしゃに掻き混ぜられる。髪が酷い事になったじゃないか
そのまま抱えられて何処かに移動される。ちょっ瞬歩使うなら言ってよ。酔ったじゃん
目をぐるぐる回していれば修兵さんが見事におろおろしていた。取り敢えず落ち着かせようと僕の背中を撫でてくる。あ、大分収まってきた。ありがとうと言えば修兵さんは良かったと笑った
てか今なら謝れるんじゃないか僕。良し、丁度目も合ってるし言ってしまえ
『「…この前はごめんなさい/悪かった」』
『「……え」』
何故一緒に謝る。何故一緒に驚く。ぽかんとした修兵さんの顔が可愛くて笑えば彼は見んなと僕の頭を掻き回した
そのまま頭を抱え込まれる。ちょっ苦しいんですけど
「…お前が此処に残った理由くらい考えりゃ直ぐに判んのに…勝手に気を遣わせてるとか思い込んじまった…」
いやそれは僕が正直に理由を言えなかったからだ。修兵さんが悪い訳じゃない
『…ほっぺ叩いてごめんなさい…痛かったでしょ』
「ああ。かなり効いた」
マジか。叩いてしまった部分に触れると修兵さんが目を細めた。頬に添えた手が優しく握られる
「仲直りしようぜ」
『ん』
確かに仲直り出来たのは良いよ。良いけどさ
「ちび檜佐木先輩だ……」
「そっくり…可愛い…」
どうしてこうなった。元凶を睨めばしたり顔で頭を撫でられた
「似合ってるぜ?ちび檜佐木」
『笑うなでか檜佐木』
現在僕の髪型は隣の顔面卑猥(藤堂さんにそう呼べと言われた)と同じである。仲直りして髪を弄り出したと思えばこの人はやたらと人の髪を立たせ始めた。どうするのだろうと思っていれば懐からペンを出してニヤリと笑う。逃げ出そうとすれば縛道で捕らえられ不本意ながら右頬に69と書かれた。
丁度修兵さんとは鏡映しな状態。全くもって嬉しくない
蟹沢さんはカッコカワイイという何とも不思議な単語を発してにこにこしている。
青鹿さんは苦笑している。何このカオス。取り敢えずざわついている(主に引率の生徒の所為で)一回生を落ち着かせ、修兵さんが一歩前に出た
「俺はこの実習の引率筆頭を務める檜佐木修兵だ」
それから蟹沢さんと青鹿さんの紹介。最後に僕の頭に手を乗せて修兵さんが言う
「最後にこいつは桜花独月。五回生だ。俺の推薦した奴だから腕は確かだ。こいつには俺達六回生の補助をして貰う」
『……宜しく』
ぺこりと頭を下げればお前ほんとちっこいなと修兵さんに笑われた。さり気なく脇腹辺りをどつくと仕返しにチョップされた。痛い
『修兵さんの馬鹿』
「んだとチビ独月」
「……じゃあそろそろ行きましょうか」
睨み合っていると蟹沢さんに止められた。はっとした表情の修兵さんはそうだなと頷き、刀を前に翳す
「行くぞ――開錠!」
仲直り、その先悲劇
(ちび檜佐木ちゃんかわいー)
(名前違う。僕はちび檜佐木じゃないです。それに蟹沢先輩の方が可愛いです)
(良いじゃねぇかちび檜佐木。ちびさぎって呼んでやろうか?)
(止めろ余計な渾名を増やすなっ!)
(先輩達仲良いねー吉良くん、阿散井くん)
(檜佐木先輩は席官入り確実の優等生、桜花先輩は確か天才児って呼ばれてなかったかな)
(あのちいせぇ先輩が!?)
(おいそこの赤いの丸聞こえだぞこらぁ)
(コラちびさぎ一回生に喧嘩売ってんじゃねぇ)
「………よお」
『………こんばんは檜佐木先輩』
あの日から気まずいままだ。というか謝らないといけないのは僕なのに口が勝手に喋る。憎まれ口をがんがん叩く。ああもう普通に修兵さんって言えば良いのにわざわざ檜佐木先輩とか。距離置こうとしてるのが丸わかりだよ僕の馬鹿ほらもう修兵さんが不機嫌そうな顔してるうわあああ
一緒に引率に組まれている蟹沢さんと青鹿さんは此方に寄ってくる気配すらない。めっちゃ遠くから此方見てる。助けてくれる気はないらしい
集合三十分前になったので待機場所から動こうと腰を上げる。すると隣の修兵さんも立ち上がった。蟹沢さん達は見てる。まぁ別にもう少ししてから移動しても間に合うけれど僕は一刻も早くこの気まずい雰囲気から解放されたい。さっさと歩き出せば何故か修兵さんも付いて来る。いや何で付いて来るんですか。僕貴方から離れたくて歩いてるんですけど。隣に並んだ修兵さんの眉間にはぎっちりと皺が刻まれている。そんな顔するなら付いて来なきゃ良いのに
『……何で付いて来るんですか檜佐木先輩』
「…たまたまてめぇと同じ行動になっちまっただけだよ…桜花」
あ、何か今いらっとした。苗字を強調されるといらっとするんだね。僕からやった事なんだけど
『ならお先にどうぞ檜佐木先輩。僕はゆっくり行きますので』
ペースを落とせば修兵さんが馬鹿にした様に笑った
「はっ、足が短いと大変だなぁチビ」
そう言って足の長さを見せ付けるかの様に修兵さんは大股で歩き出した。うわむかつく。何だあの人こんなにうざかったか?
無性に腹が立ったので走って修兵さんを追い抜く
『デカいだけで自慢すんな顔面卑猥様が』
「てめっ顔面卑猥とは何だっ」
『そのままの意味ですけどちょっ着いてくんな』
足長い癖に走るとか卑怯だ
「てめぇこそ走ってんじゃねぇ!」
『僕が走るのはどっかの誰かさんとは違ってちっこくて足が短いからですけど?デカくて足長い檜佐木先輩が走る理由とかないと思いますけど?』
「てめぇ敬語とその呼び方止めやがれ!鳥肌立ちそうなんだよ!」
『知らんわ!修兵さんなんか頭にトンカチでも落ちてきて身長縮めば良い!』
「はっ。てめぇにんな事が起きたらもう見えねぇくれぇに縮むんだろうな!」
『黙れ顔面卑猥』
「んだとチビ」
修兵さんが僕の頭を掴もうと手を伸ばして来た。その手を躱し手を向ける
『縛道の一・塞』
「効かねぇ!」
修兵さんが光の拘束を直ぐに破る。その間に僕は詠唱を始めた。
『縛道の六十一・六杖光牢!』
「やりやがったな…!縛道の三十七・吊星!」
拘束された状態じゃ無駄だろうに。後ろを見ながら走っていた僕は急に何かにぶつかった
『っひゃあ!!』
弾き飛ばされて修兵さんに首根っこを掴まれる。え、何でこの人無事なの
「あの程度掛かる訳ねぇだろうが」
イメージが弱くて解くの簡単だったぞと頭をくしゃくしゃに掻き混ぜられる。髪が酷い事になったじゃないか
そのまま抱えられて何処かに移動される。ちょっ瞬歩使うなら言ってよ。酔ったじゃん
目をぐるぐる回していれば修兵さんが見事におろおろしていた。取り敢えず落ち着かせようと僕の背中を撫でてくる。あ、大分収まってきた。ありがとうと言えば修兵さんは良かったと笑った
てか今なら謝れるんじゃないか僕。良し、丁度目も合ってるし言ってしまえ
『「…この前はごめんなさい/悪かった」』
『「……え」』
何故一緒に謝る。何故一緒に驚く。ぽかんとした修兵さんの顔が可愛くて笑えば彼は見んなと僕の頭を掻き回した
そのまま頭を抱え込まれる。ちょっ苦しいんですけど
「…お前が此処に残った理由くらい考えりゃ直ぐに判んのに…勝手に気を遣わせてるとか思い込んじまった…」
いやそれは僕が正直に理由を言えなかったからだ。修兵さんが悪い訳じゃない
『…ほっぺ叩いてごめんなさい…痛かったでしょ』
「ああ。かなり効いた」
マジか。叩いてしまった部分に触れると修兵さんが目を細めた。頬に添えた手が優しく握られる
「仲直りしようぜ」
『ん』
確かに仲直り出来たのは良いよ。良いけどさ
「ちび檜佐木先輩だ……」
「そっくり…可愛い…」
どうしてこうなった。元凶を睨めばしたり顔で頭を撫でられた
「似合ってるぜ?ちび檜佐木」
『笑うなでか檜佐木』
現在僕の髪型は隣の顔面卑猥(藤堂さんにそう呼べと言われた)と同じである。仲直りして髪を弄り出したと思えばこの人はやたらと人の髪を立たせ始めた。どうするのだろうと思っていれば懐からペンを出してニヤリと笑う。逃げ出そうとすれば縛道で捕らえられ不本意ながら右頬に69と書かれた。
丁度修兵さんとは鏡映しな状態。全くもって嬉しくない
蟹沢さんはカッコカワイイという何とも不思議な単語を発してにこにこしている。
青鹿さんは苦笑している。何このカオス。取り敢えずざわついている(主に引率の生徒の所為で)一回生を落ち着かせ、修兵さんが一歩前に出た
「俺はこの実習の引率筆頭を務める檜佐木修兵だ」
それから蟹沢さんと青鹿さんの紹介。最後に僕の頭に手を乗せて修兵さんが言う
「最後にこいつは桜花独月。五回生だ。俺の推薦した奴だから腕は確かだ。こいつには俺達六回生の補助をして貰う」
『……宜しく』
ぺこりと頭を下げればお前ほんとちっこいなと修兵さんに笑われた。さり気なく脇腹辺りをどつくと仕返しにチョップされた。痛い
『修兵さんの馬鹿』
「んだとチビ独月」
「……じゃあそろそろ行きましょうか」
睨み合っていると蟹沢さんに止められた。はっとした表情の修兵さんはそうだなと頷き、刀を前に翳す
「行くぞ――開錠!」
仲直り、その先悲劇
(ちび檜佐木ちゃんかわいー)
(名前違う。僕はちび檜佐木じゃないです。それに蟹沢先輩の方が可愛いです)
(良いじゃねぇかちび檜佐木。ちびさぎって呼んでやろうか?)
(止めろ余計な渾名を増やすなっ!)
(先輩達仲良いねー吉良くん、阿散井くん)
(檜佐木先輩は席官入り確実の優等生、桜花先輩は確か天才児って呼ばれてなかったかな)
(あのちいせぇ先輩が!?)
(おいそこの赤いの丸聞こえだぞこらぁ)
(コラちびさぎ一回生に喧嘩売ってんじゃねぇ)